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遺言書に記載すべき特記事項② (2020.11.11)

 

 

 

 

 

≪目次≫
1.遺言執行者の指定
2.予備的遺言(補充遺言)
3.相続させる文言への読みかえ規定
4.負担
5.付言事項

 

 

前回のトピックスで遺言に記載すべき特記事項①(上記1~3)を取り上げました。

⇒【遺言書に記載すべき特記事項①】

今回はその②ということで、上記の4、5をテーマにお話したいと思います。

4.負担

 

皆様は負担ときいて何を連想しますか?

例えば、「会社内で自分にばかり重い仕事が降りかかってきて、負担に感じるなあ。」など、このようなときに使われている気がします。

負担とは、法律上は、法律行為の附款と定義されており、いわば条件のようなものです。
(遺言に条件という文言を入れると、実務上、遺言執行がかなり煩雑になるので、この負担という文言を用います。)

もう少し具体的に言えば、『この財産をあげる代わりにこういったことをしてほしい』、という時に使っていきます。

実務上、遺言の中で多く使われるケースは、

一.全ての財産を長男に相続させる
二.前項の負担として、長男は遺言者の妻◯◯の一生涯、介護扶養をしなければならない

といった表現です。

 

実際にそのようにして欲しいからという場合もありますが、何の負担もなしに全ての財産を長男に相続させると、後々に二男たちと遺留分争いになる可能性がある時などに、わざわざ上記の文言を入れたりします
(もちろんケースバイケースではありますが)

家督相続で全て長男が遺産を相続していた旧民法時代は、この負担が当然に盛り込まれていたと解されており、権利を引き継ぐものが義務も引き受け、一族の大黒柱として遺産を承継できなかった弟たちの面倒を見るのが通常でした。

その為、遺産相続で争いに発展したことはないと言われています。

権利は主張出来るが義務は履行しない、という現代の遺産相続においては、遺言を作る際、上記の負担を本文に入れておくのも一つの対策と言えます。

万が一、遺産を承継する者が負担を履行しない場合他の相続人から家庭裁判所に請求をして遺言を取り消すことができる強力な義務なので、遺言を遺す方にも安心と言えるでしょう

5.付言事項

 

付言事項とは、遺言の本文以外の部分に載せるメッセージのことをいいます。

遺言本文には法的効力があるものを記載していくのですが、この付言事項には法的効力がありません

しかし、遺言者の相続人へ宛てた最後のメッセージとして、下記のようなことを記しておけば、無用な争いを防ぐ効果があります

 

「二男◯◯には生前に自宅購入代金として、1000万円贈与しているので、今般の相続では長男に全てを相続させることとしました。
長男◯◯も二男◯◯も私の宝物でした。
今でも長男◯◯、二男◯◯が生まれた時のことを覚えています。
ですので、私亡き後は兄弟で争いをしてほしくありません。
父の最後の遺志をくみ取り、遺言通りに手続きをしてもらえることを願っております。」

 

いかがでしょうか?

日本人は面と向かって意思表示をすることが非常に苦手です。

遺言でこういったメッセージを残すことで、もしかしたら争いを防ぐことができるかもしれません。

また万が一、遺言無効確認の訴えに事が発展した場合にも、遺言を作るに至った経緯やその時の背景事情を記しておけば、遺言者の真意がどこにあるか等、遺言作成当時の有力な事実を推測することに役立つと言えます

 

当法人では、何故遺言を書くのか、その方の置かれた背景事情や家族関係、遺留分のこと等を踏まえ、オーダーメイド型の遺言文案を提案することを心がけています。

相続対策でお悩みの方は是非一度、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

金融機関での相続手続きに必要な書類 (2020.10.01)

 

 

 

 

預貯金をしていた人が亡くなったことを金融機関が知ると、その方の口座は凍結され、以後は入出金ができなくなります。

口座に残された財産を相続するためには、金融機関での相続手続きが必要になってきます。今回は金融機関での相続手続きの必要書類についてまとめていきます。

<関連トピックス>
【相続開始時における不動産調査】
【意外と難しい戸籍収集】

 

金融機関での相続手続きでは、金融機関ごとに必要書類が若干異なってきますが、基本的に必要になってくる書類について解説していきます。

 

①戸籍・除籍謄本

亡くなった方の相続人を特定する必要があるため、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍が必要になります

また相続人が生存していることを証明するために、相続人の現在戸籍も必要になります。

この戸籍・除籍謄本は法定相続情報で代用することも可能です。

 

②印鑑証明書

金融機関の相続手続きでは、相続人の実印での捺印を求められる書類があります。

また、それが相続人の実印であることを証明するために、印鑑証明書の提出も求められます。

印鑑証明書の使用期限は、多くの金融機関では取得日より6カ月以内とされていますが、3カ月以内の印鑑証明書を求めてくる金融機関もあります。

金融機関の数が多かったり手続きに時間がかかったりすると、印鑑証明書をもう一度取得しなければならない、なんてこともあります。

金融機関での相続手続きでは原本をその場で提示し、金融機関がそのコピーをとり、原本を返してもらうという形で手続きをしていきますが、まれに印鑑証明書だけは原本の提出を求められることがあります。

その場合にも再度、印鑑証明書の取得が必要になります。

 

③金融機関の手続き書類

金融機関の相続手続で記入をしなければならない書類は、一律に決まった形のものがあるわけではなく、金融機関ごとに形式が異なります。

亡くなった方が複数の金融機関に口座などをお持ちであった場合には、金融機関ごとに記入の仕方を確認しながら書類を記入しなければなりません。

●金融機関は電話が繋がりづらい
●営業時間は15時まで
●窓口に行っても待ち時間が長い

などの理由からこの作業が意外と面倒な作業となってきます。

 

法定相続分とは異なる割合で相続をする場合

法定相続分とは異なる割合で相続する場合とは、例えば、

●遺産分割協議によって法定相続分とは異なる割合で財産を相続すると話合いがまとまった場合

●亡くなられた方が遺言書を残していた場合

などがあり、その場合には、そのことを書面で証明しなければなりません。

上記例では、遺産分割協議書遺言書などがそれにあたります。

相続人がご自身で作成した遺産分割協議書、または、亡くなった方が残された自筆証書遺言を使い金融機関で相続手続きをしようとすると、財産の記載に漏れがあった又は誤りがあったなどの理由で、金融機関が手続きに応じてくれないこともしばしばあります。

関連トピックス
【遺言が無効となったケース~自筆証書遺言編~】

 


これら基本的な書類以外にも、金融機関によって必要となる書類が若干異なる場合があります。

役所での手続きとは違い、手続き方法が統一されていないことが金融機関での相続手続の煩わしい部分です。

何度も電話でやり取りするのが面倒、または忙しくて金融機関に行く時間がない、といった場合には、専門家に依頼するのも一つの手ではないでしょうか。

当法人では経験豊富な相続専門の司法書士が、金融機関と交渉をしながら手続きをしてまいります。

是非一度、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

貸金庫開扉と遺言書 (2020.09.25)

 

 

 

以前のトピックスで、自筆証書遺言と公正証書遺言について触れていきました。

【遺言】関連トピックスはこちら
【遺言が無効となったケース~公正証書遺言編~】
【遺言が無効となったケース~自筆証書遺言編~】
【遺言の種類と書き方~公正証書編~】
【遺言の種類と書き方~自筆証書編~】

 

公証人や司法書士が関与する公正証書遺言は、法律の専門家がサポートしながら遺言を作成していきますので、文言に不備があることを限りなく少なくする効果があります。

一方、自筆証書遺言は法律に不慣れな方が独自に書いて行くため、文言に不備があったり、有効要件を欠いてしまうことが少なからず発生してしまいます。

今回のトピックスでは、自筆証書遺言で手続きがうまく進まなかった事例を基にお話しをしたいと思います。

 

まず、下記の相続関係図をご覧ください。

上記の関係図において、被相続人Aは自分が亡くなった後に残された妻たちが相続手続きに困らないよう、一切の財産を妻に相続させる旨の自筆証書遺言を残して亡くなりました。

 

ところが、前述の一切の財産には預金及び銀行の貸金庫契約が含まれており、遺言書を持参した妻が手続きをしようとしたところ、遺言書に遺言執行者が定められていない事と、遺言執行者が貸金庫を開扉できる旨の文言がない事を理由に、当該遺言を用いての預金解約、貸金庫契約の解除を断られてしまいました。

更に、銀行が言うには、遺言書に加えて、貸金庫契約の解除に関して相続人全員の実印と印鑑証明書を取り付けて欲しい、とのことでした。

 

法律解釈上、貸金庫の開扉手続きは、

・相続人の一人から請求が出来る説
・相続人全員の合意を持って応じるべきである説

と解釈が分かれるのですが、実務上の解釈としては、後者の考え方を採用している銀行が圧倒的多数です。

本来、一切の財産と遺言に謳っている以上、遺言執行者の選定についても、遺言執行者に対する貸金庫開扉の権限を与えていなくても全財産を相続した妻が一人で手続きが出来て然るべきなのですが、実務上は前述のとおり理不尽な結果を招いてしまいます。

また、そもそも、遺言書を銀行の貸金庫に大切に保管していた場合はどうなるでしょうか?

遺言書を取り出すためだけに、相続人全員の実印・印鑑証明書を準備するというおかしな現象さえ起こってしまいます

 

そこで、当法人では遺言書を書く際に預金解約等が含まれる場合には、まずは公正証書遺言の作成を提案し、さらにその本文の中に下記の様な文言を入れるように工夫をしております。

第●条
1.遺言者は、この遺言の遺言執行者として妻○○(遺産を貰う人とすることが多い)を指定する。

2.遺言者は、前項の遺言執行者に対し、次の権限を与える。
(1)本遺言の執行に必要な場合には、代理人又は補助者又はその両者を選任すること。
(2)登記手続き、遺言者の有する預貯金等の名義変更・解約・受領、貸金庫の開扉・解約・内容物の取り出し、その他この遺言を執行するために必要な一切の行為を行うこと。

 

(1)は、遺言執行者の復任権といい、民放改正によって、令和1年7月1日以降に作成した遺言では、(1)の事項を記載していなくても問題はないのですが、遺産に貸金庫契約を含む場合は(2)の文言がないと手続きがスムーズに運ばない可能性が高くなります

また公証人は、遺言の効力が発生した時に実際に銀行と掛け合い手続きを代行する立場の人ではないので、大抵(2)の文言を入れ忘れることが多いです。

ご自身で独自に自筆証書遺言を書く際は、もっと不備が出てくる可能性は高いといえるでしょう。

 


遺言は、遺言を完成させることを目的としてしまうと、失敗してしまいしがちです。

やはり、相続手続きに精通した専門家に、予見される事を想定してもらい、後々の手続きに残されたご遺族が困らないように作成していくことを心掛けるべきです。

当法人では、専門の相続チームが将来起こりうることを予見しながら、お客様のご意思を遺言にしっかりと反映させていきます。

まずは、お気軽にご相談下さい。

 

 

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