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相続のキホン① ~代襲相続とは~ (2021.06.02)

 

 

 

≪目次≫
1.代襲相続とは?
1-1.代襲相続が発生するケース
1-2.被代襲者が被相続人の子である場合
1-3.被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合
2.代襲相続はどこまで起こる?
2-1.子どもや孫等の直系卑属が相続人の場合
2-2.兄弟姉妹が相続人の場合
2-3.被相続人が養子縁組をしていた場合
2-4.被代襲者が被相続人の配偶者である場合
3.代襲相続人の相続分
4.相続放棄・相続欠格・廃除の場合、どうなる?

 

 

相続』という一言の中に、様々な法律や用語、考え方が登場します。

これまでに多くのトピックスを掲載しましたが、「そもそも、これってどんな考え方なの?」と疑問に思う方も、実は大多数いらっしゃるのではないでしょうか。

今回から不定期で『相続のキホン』とも呼べる法律や用語について取り上げていきたいと思います。

 

1.代襲相続とは??

 

代襲相続とは、本来であれば相続人である人が、被相続人よりも以前に死亡していた場合に、その方の子供(養子含む)が代わりに相続人になることです

相続人の中に死亡している人がいたら代襲相続が発生する可能性がありますが、相続人が子どもか兄弟姉妹かにより代襲相続の範囲が異なるので正しい知識を持っておきましょう。

今回はパターン別に代襲相続がどこまで起こるのかを解説していきますので、相続人の範囲を確定できず迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

 

1-1.代襲相続が発生するケース

 

被相続人の配偶者は、常に相続人となりますが、その他にも被相続人の子、直系尊属(通常、父母)、兄弟姉妹がいる場合には、この順番に従い、相続人となります。

なお、被相続人の父母がすでに死亡しているものの、被相続人の祖父母が生きている場合には、祖父母が相続することになりますが、こちらは代襲相続とは区別されています。

 

1-2.被代襲者が被相続人の子である場合

 

代表的な例としてパターン①を見てみましょう。

Aが被相続人である場合、本来の相続人はBとCです。

しかし、図のようにBがAよりも以前に亡くなっていた場合は、死亡している人は相続人となることができないので、EがBの代わりに相続人になります

代襲される人(上記例ではC)のことを被代襲者といい、代襲する人(上記例ではE)のことを代襲者と言います。

 

1-3.被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合

 

パターン②のように被相続人のにあたる両親が既に亡くなっている状況で、兄弟姉妹にあたる相続人のBが先に亡くなっている場合、CがBを代襲してAの相続人になります

実際には、養子や認知した子が登場する場合など、複雑な親族関係となっていることも多々あります。

そのような場合には司法書士等の専門家に相談した方がよいでしょう。

 

2.代襲相続はどこまで起こる?

 

2-1.子どもや孫等の直系卑属が相続人の場合

 

数は多くないですが、ご長寿家系で子・孫が先に亡くなっているケースも実在します。

パターン③のように、CとEがともにAよりも先に亡くなっていた場合には、Eの子Fが代襲相続によってAの相続人となります。

このように、被相続人の子や孫といった直系卑属において代襲相続が生じる場合には、直系卑属が連続する限り代襲相続が続くことになります

 

2-2.兄弟姉妹が相続人の場合

 

被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合、代襲相続は一代に限って起こり、その後の再代襲はありません

Aよりも先にBが亡くなっていた場合、Bの子のDは代襲相続によって相続人となることができます。

しかしパターン④のように、Aよりも以前にBとDがともに亡くなっていた場合でも、Dの子のFはAの相続人になることができません

このように、被相続人の子が相続人となるはずであった場合と、兄弟姉妹が相続人となるはずであった場合では、代襲相続が生じる範囲が異なるので注意が必要です。

 

2-3.被相続人が養子縁組をしていた場合

 

被相続人が養子縁組をしており、その養子がすでに死亡していた場合に、その養子の子が代襲相続をするかは養子の子が生まれた時期により異なります

 

養子縁組の日より前に養子の子として生まれた者は、養親との間に血族関係は生じません

従って養親の直系卑属にあたらず、養子が先に亡くなっていても代襲相続は発生しません

一方、養子縁組の日以降に養子の子として生まれた者は、既に養子は通常の子と同様に養親との間に血族関係が生じているため、養子の子もまた養親の直系卑属(=孫)となり、代襲相続が発生します

 

2-4.被代襲者が被相続人の配偶者である場合

 

パターン⑤のケースを見てみましょう。

両親が先に亡くなっていて、被相続人Eの配偶者Bも先に亡くなっています。

一見するとCがBを代襲してEの相続人になれそうですが、CとEの間に養子縁組をした形跡が無い場合、血縁関係にはありません

このような場合には、CはBの代襲相続人となる事は出来ませんので、代襲相続は発生せず、第三順位のAが単独で相続する形となります。

 

3.代襲相続人の相続分

 

代襲相続人は被代襲者と同じ地位で相続人となります。

例えば、2分の1の相続分を持つCが先に亡くなっていた為に、孫であるEが代襲相続する場合には、Eの相続分は2分の1となります。

孫が2人いる場合には、2分の1を2分の1ずつに分けるので、それぞれの孫の相続分は4分の1となります。

つまり、代襲相続人の数が多くなれば、その分、1人の相続分は少なくなります

 

4.相続放棄・相続欠格・廃除の場合

 

代襲相続は、下記の場合に発生します。

①本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹が相続発生時に「死亡」していた場合

②本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹に「欠格」事由がある場合

③本来相続人となるべき子が「廃除」された場合

 

②、③の場合には、被代襲者は相続人の地位を失います、その相続人の属人的な行為に基づく効果であり、その相続人の子は相続人の地位を失いません

②の「欠格」事由には、

a)被相続人や先順位の相続人を死亡させた

b)被相続人に対する詐欺や脅迫により、遺言を撤回、変更させたりするなど遺言に対して不当な干渉を行った

ことが含まれます。(民法891条各号参照)

 

③「廃除」されるのは、相続人が

a)被相続人に対して虐待や重大な侮辱を与えた場合

b)著しい非行を行っていた場合

となります。著しい非行には、被相続人の家族に対する継続的な暴力なども含むとされています。

 

なお、廃除は遺留分を含めた相続権を奪うものなので、廃除の対象となるのは、遺留分を有する相続人に限られており、遺留分を有しない被相続人の兄弟姉妹が廃除されることはありません

例えば、被相続人が遺言において、「相続人となる兄弟姉妹から虐待を受けたために一切の財産を相続させない」との意思表示をしていても、これは廃除の意思表示ではなく、単なる遺産の分割割合を指定しているにすぎず、その兄弟姉妹の子が代襲相続することにはなりません。

 

また、注意しなければならないのは、被代襲者が相続放棄をしていた場合には、その子は代襲相続によって相続人となることはできない、という点です。

相続放棄をした人は、はじめから相続人ではなかったことなるからです

 


いかがでしたでしょうか。

このように、相続関係を把握するには、細かな法律判断が必要になってくることがあり、相続税申告の有無を判断する際にも大きな影響を与えます。

代襲相続が起こっている場合には、代襲相続人の相続分が判断しにくくなっていたり、相続人の調査や遺産分割に手間がかかったりと、対応に迷ってしまう方もいるかと思います。

 

当法人では、専門の相続チームが初回面談を行い、適切なヒアリングからまずは相続税申告が必要が否かを素早くご判断させて頂いております。

相続関係、相続人の範囲、法定相続分、遺産分割の方法等些細なことでもかまいませんので、お困りの際は是非一度、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

相続欠格事例 (2020.09.10)

 

軽率な行動で相続権がはく奪される!?

皆様は、『相続欠格』という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

亡くなった方の配偶者、子や孫等、一定の要件を満たせば法律上相続権が発生します。

しかしながら、その相続権を持った人が被相続人を殺してしまったり、自己にのみ有利となる行為(強迫して遺言を書かせる等)をしてしまう等、その他軽率な行動をとり、民法で定める一定事由に該当してしまうと、法律はその人から相続権をはく奪してしまいます。

これを相続の欠格事由(相続欠格)と言っていきます。

では、相続の欠格事由とはどういったことが該当するのでしょうか?

 

民法では、「被相続人又は先順位の者を故意に死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者は、相続人となることは出来ない。」と規定しており、この規定以外にも相続人となり得ない事由を規定しています。

前記の、被相続人等を殺そうとする行為は欠格事由に該当し、相続人になれないことは当然ですが、その他にもうっかりしたことで欠格事由に該当してしまうケースがあります

今回は、当法人の司法書士が相談を受け、実際に欠格事由に該当した事例を紹介します。

 

意図せず相続欠格となってしまった実例

下記の、相続関係図をご覧ください。

ご相談者は、被相続人の奥様で、被相続人が自筆で書いた遺言書をもっており、この遺言書を使って不動産の名義変更や預貯金の解約等諸々の相続手続きをしてほしいとの相談でした。

 

自筆証書遺言の形式的有効要件として、

●全文自署
●日付の記載
●氏名の記載
●押印

が必要となりますが、この遺言、日付の記載がなかったのです。

(自筆証書遺言の詳細は【遺言の種類と書き方~自筆証書編~】をご覧下さい。)

ですので、当該遺言は無効で手続きには一切使うことが出来なくなり、6名のご兄弟を含めた相続人全員で遺産分けの話し合い(遺産分割協議)をし、手続きを進めなくてはいけないことをご説明したところ、

疎遠な兄弟が複数いるし、被相続人と築き上げてきた遺産のいくらかを相続分として兄弟達に分配しないといけないことに気を悪くした相談者は、

『じゃあ、私がここに日付記載すればいいんでしょ。亡くなる少し前に書いてくれたから、平成●年●月●日て書きますね。』

と、司法書士の制止を振り切り、遺言書に日付を記載してしまったのです。

 

これは、民法891条5項にいう、遺言書の偽造ないしは変造に値し、欠格事由に該当します

目の前で、偽造行為を目の当たりにしてしまった当法人の司法書士は、お仕事の依頼を断るしかありませんでした。

因みに、この相談者は、相続欠格事由に該当したため、一切の相続権をはく奪されてしまいます。

日付の記載さえしなければ、最低でも遺産の4分の3相当は取得できたはずなのに、軽率な行動をとってしまったが故に、一切の財産を相続することが出来なくなりました。

 


自筆証書遺言の有効性の判断や、実務上手続きに利用できるかは、非常に難しい問題で、専門家に見てもらうことが一番有益です。

是非、まずは当法人までご相談下さい。

 

 

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