お問い合わせは:03-5720-1217

配偶者に居住用不動産を贈与したときの贈与税控除 (2021.09.15)

 

 

 

≪目次≫
1.制度の概要
2.適用となる要件
2-1.手続きに必要な書類
2-2.注意点
3.メリット
4.デメリット

 

2019年7月1日から相続法改正によって新たな方策がスタートしました。

その中でも今回は、夫婦の間で居住用不動産を贈与したときの配偶者控除についてお話ししていきます。

過去にもいくつかトピックスを取り上げておりますが、今回は配偶者居住権の具体的な制度概要と手続方法について取り上げていきます。

関連トピックスはこちら⇒
【「配偶者居住権」の施行とその効果】
【配偶者居住権と遺産分割又は遺産分割対策】
【配偶者居住権を使った相続税の節税対策】

婚姻期間が長く、老後のことも考えて配偶者へ不動産を生前贈与しておきたいと考えている方はぜひご一読ください!

 

1.制度の概要

通常、贈与税は110万円を超える部分については、課税されてしまいますが、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという制度が誕生しました

基礎控除110万円と合わせると、2,110万円まで贈与税がかからないということになり、非常にお得感のある制度となっております。

 

2.適用となる要件

 

①婚姻期間が20年以上あること
②居住用不動産またはその不動産の取得資金の贈与であること
③贈与を受けた翌年の3/15までに入居し、引き続き居住すること
※売却すると制度の適用がなくなる可能性があります
④申告
➄過去にこの制度を使ったことが無いこと

 

2-1.手続きに必要な書類

 

●財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作られた戸籍謄本or抄本

●財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作られた戸籍の附票の写し

●居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証明するもの

※金銭ではなく居住用不動産の贈与を受けた場合は、その不動産の固定資産評価証明書なども必要となります。

 

2-2.注意点

贈与税がかからなくても申告は必要

申告義務漏れとして無申告加算税などのペナルティを支払うリスクがあります

 

配偶者からの贈与を特定財産と扱うことができるのは一度限り

住宅を2分の1ずつに分けて毎年贈与したとしても、最初の一度のみが対象となります

 

3.メリット

贈与税がかからないことに加え、相続税もかかりません

贈与から3年以内に贈与者が亡くなった場合、通常は特別受益として相続財産に持ち戻しが必要になりますが、この制度を利用することで持ち戻しが免除されます

また、住宅取得資金を贈与した場合は、不動産取得税や登録免許税がかかりません

※居住用不動産を贈与した場合は、不動産取得税と登録免許税がかかります。

 

4.デメリット

・小規模宅地の特例が使えない(生前の贈与のため)

→相続で不動産を取得した場合、要件を満たせば宅地が80%減額になる特例を利用することができ、相続税の節税になりますが、この制度を利用すると生前の贈与になってしまうため特例の適用はありません。

 

遺留分の計算では免除されないため、法定相続人の慰留分を侵害している場合は注意が必要

→ただし、贈与が相続開始前より10年前であれば加算されません

 

 


婚姻期間が20年を超える夫婦間の居住用不動産の贈与の制度についてお話しさせていただきました。

メリットもあればデメリットもあるので、ご自身の場合制度を活用すべきなのか否か、判断が難しいところもあるかと思います。

相続手続・生前対策をお考えの方は、渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

遺産分割時に換価分割を検討する際の注意点 (2021.09.03)

 

 

 

 

換価分割の定義

以前のトピックスにおいて、遺産分割方法について、現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の方法があるとお伝え致しました。

遺産分割に関するトピックスはこちら
【遺産分割の方法】
【遺産分割の優先順位】
【遺産分割協議と行方不明者】
【遺産分割と相続時精算課税制度を利用した贈与】

今回は、良く質問される換価分割について取り上げたいと思います。

換価分割とは、対象となる遺産(不動産や株)を換価(お金に変える事)して、そのお金を予め定めた分配比率に応じて分割することをいいます。

ただし、この定義を誤ってしまうとトラブルになる可能性もありますので注意が必要です。

前述の通り、『今ある遺産をお金に変えて分割する』が換価分割の趣旨ですから、将来、またはいつか売却してお金に変わったら分配すればいいや、とのあいまいな形で手続きを終えてしまいますと、虚偽の遺産分割・虚偽の相続登記・贈与税の課税リスクが浮上してきます

 

下の相関図をご覧ください。

ご相談者の長男からは次のように相談を受けました。

 

田舎にある父の遺産としての自宅は、現在母が住んでいるから、まだ売却は出来ないけれど、いずれ母も一人暮らしが限界になることだし、その際は売却して、3人で売却代金を法定相続分通りに分配しよう。

但し、母の名義に相続登記を入れてしまうと、認知症になった場合スムーズに売却手続きが出来ないと聞いたから、登記名義は一旦長男である僕が代表して名義を貰っておこう。

先生、この内容はネットで調べたら換価分割という方法だと思いますが、これで手続きしてもらえますか?

 

さて、このご相談者の考え、皆さんはどう思われますか?

 

換価分割を検討する際の注意点

上記のご相談内容は、実は換価分割とは言えません。

なぜなら、『対象となる遺産を速やかに換価する作業をしていないから』です

将来売るべき時が来たら売って、売却益を法定相続分通り分配するという点では換価分割と性質上似ているとは言えますが、これは単に売れるまで一旦登記名義を預かるだけの行為であり、売却時期についても見込みが無い為、換価分割とは呼ぶことができないのです。

更に、税務上においても、本来すぐさま売却してその売却益を分配すべきであるのに、5年も10年もその行為をせずに登記名義を預かる事自体がもはや、『他の相続人にお金を分配する債務を免除してもらっている行為』と同視することができ、他の相続人から登記名義を預かった贈与税が課せられる可能性があります。

もちろん、法務局の登記においても同じことが言え、一旦便宜上登記名義を預かるということは換価分割が成立しておらず虚偽の登記になる為、登記申請を取り下げて下さいと法務局に指示される可能性があります。

 


このように、換価分割は解釈を間違えてしまいますと、課税のリスクが生じ、また、登記手続きも受理されない危険性が生じてきます。

当法人では、様々な遺産分割に精通した専門チームがリスクが無く希望通りの遺産分割をご提案させていただきます。

相続手続・生前対策をお考えの方は、渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

遺産分割の方法 (2020.08.28)

 

 

相続が開始すると、遺言書がある場合には遺言書どおりに遺産を分ける流れとなりますが、遺言書がない場合には、相続人の話し合いによって遺産の分け方を決定します。

これまでのトピックスで、遺産分割協議について何度か取り上げてきました。

⇒【遺産分割と相続時精算課税制度を利用した贈与】
⇒【遺産分割協議と債務整理手続き】
⇒【遺産分割協議と行方不明者】
⇒【数次相続と法定相続分の行方】

今回は実際に遺産分割する際の方法について、改めて紹介していきたいと思います。

 

 

遺産分割の方法には大きく分けて3つの方法があります。

 

①現物分割

②換価分割

③代償分割

①現物分割

現物分割とは不動産、現金などの財産を「そのまま相続する」分け方です。

例えば自宅を長男が相続し、預貯金は次男が相続、株式は長女が相続する場合などです。

≪メリット≫

●手続きが簡単で分かりやすい
現物分割は、基本的に「誰か1人が対象の遺産を引き継ぐ」だけなので手続きが簡単です。

●遺産をそのままの形で相続することができる
被相続人が残した自宅などを、形を変えずに残しておくことができます。

 

≪デメリット≫

●完全に平等に分けることが難しい
現物分割は、相続人間で不公平になりやすい問題があります。例えば遺産が不動産しかない場合、長男が1人で不動産を取得すると他の相続人は不満を感じるでしょう。

他に車や動産、株式などの財産があっても不動産と比べると価値が低いケースも多々あります。
現物分割では完全に公平に分割するのは困難なケースが多いのです

②換価分割

換価分割とは、「遺産をいったん売却してその代金を相続人で分ける」という遺産分割の方法です。

例えば、被相続人が所有していた土地と建物を売却し、その売却代金の5,000万円を妻が2,500万円相続し、子二人が1,250万円ずつ相続するという場合です。

≪メリット≫

●平等に分割することが可能
遺産を売却し金銭にするわけですから、1円単位で平等な分割をすることができます。

 

≪デメリット≫

●被相続人の遺産をそのままの形で残しておくことができない
亡くなられた方や自分の実家を売却するのは心苦しい、と思う方もいらっしゃるかと思います。

●費用や手間がかかる
遺産をいったん売却するという手続きが入りますので、他の分割方法に比べて費用と時間がかかることがあります。

●相続人に税金がかかることがある
不動産を売却してそれによって利益を得た場合、不動産譲渡所得税という税金が課されます

③代償分割

代償分割とは、「遺産を一人の相続人が多く取得し、その代わりに遺産を少なく相続した相続人に対して金銭を支払う」という分割の方法です。

例えば、相続財産が5,000万円相当の不動産と預金1,000万円だった場合(相続人は長男と次男)に、「長男が不動産を相続し次男が預金1,000万円を相続した上で、長男は次男に2,000万円の現金を支払う」といった分割方法です。

≪メリット≫

●遺産をそのままの形で残すことができる
換価分割のように遺産を売却するわけではないので、被相続人の遺産をそのままの形で残しておくことができます。

 

≪デメリット≫

●代償金を支払う相続人にお金がなければならない
代償金は遺産を相続する相続人が支払わなければなりませんので、その人に支払うお金がなければすることができません

●後に争いになる可能性がある
代償金を支払うと決めたのに期限になっても支払いをしてくれない、などの理由で争いに発展する可能性もあります。

 


以上、三つの遺産分割の方法についてご紹介致しました。

いずれかの方法によらなければならないということはなく、それぞれを組み合わせるといった方法も可能です。

 

遺産分割では相続人間の利害が対立し、争いになるケースもあります。そうならないため、一度専門家に相談することをお勧めします。

当法人では経験豊富な相続専門の司法書士が、税務などの周辺知識も踏まえた上で、最適なコンサルティングをご提供致します。

是非一度、お気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

お問い合わせ・お申し込み