お問い合わせは:03-5720-1217

相続のキホン① ~代襲相続とは~ (2021.06.02)

 

 

 

≪目次≫
1.代襲相続とは?
1-1.代襲相続が発生するケース
1-2.被代襲者が被相続人の子である場合
1-3.被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合
2.代襲相続はどこまで起こる?
2-1.子どもや孫等の直系卑属が相続人の場合
2-2.兄弟姉妹が相続人の場合
2-3.被相続人が養子縁組をしていた場合
2-4.被代襲者が被相続人の配偶者である場合
3.代襲相続人の相続分
4.相続放棄・相続欠格・廃除の場合、どうなる?

 

 

相続』という一言の中に、様々な法律や用語、考え方が登場します。

これまでに多くのトピックスを掲載しましたが、「そもそも、これってどんな考え方なの?」と疑問に思う方も、実は大多数いらっしゃるのではないでしょうか。

今回から不定期で『相続のキホン』とも呼べる法律や用語について取り上げていきたいと思います。

 

1.代襲相続とは??

 

代襲相続とは、本来であれば相続人である人が、被相続人よりも以前に死亡していた場合に、その方の子供(養子含む)が代わりに相続人になることです

相続人の中に死亡している人がいたら代襲相続が発生する可能性がありますが、相続人が子どもか兄弟姉妹かにより代襲相続の範囲が異なるので正しい知識を持っておきましょう。

今回はパターン別に代襲相続がどこまで起こるのかを解説していきますので、相続人の範囲を確定できず迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

 

1-1.代襲相続が発生するケース

 

被相続人の配偶者は、常に相続人となりますが、その他にも被相続人の子、直系尊属(通常、父母)、兄弟姉妹がいる場合には、この順番に従い、相続人となります。

なお、被相続人の父母がすでに死亡しているものの、被相続人の祖父母が生きている場合には、祖父母が相続することになりますが、こちらは代襲相続とは区別されています。

 

1-2.被代襲者が被相続人の子である場合

 

代表的な例としてパターン①を見てみましょう。

Aが被相続人である場合、本来の相続人はBとCです。

しかし、図のようにBがAよりも以前に亡くなっていた場合は、死亡している人は相続人となることができないので、EがBの代わりに相続人になります

代襲される人(上記例ではC)のことを被代襲者といい、代襲する人(上記例ではE)のことを代襲者と言います。

 

1-3.被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合

 

パターン②のように被相続人のにあたる両親が既に亡くなっている状況で、兄弟姉妹にあたる相続人のBが先に亡くなっている場合、CがBを代襲してAの相続人になります

実際には、養子や認知した子が登場する場合など、複雑な親族関係となっていることも多々あります。

そのような場合には司法書士等の専門家に相談した方がよいでしょう。

 

2.代襲相続はどこまで起こる?

 

2-1.子どもや孫等の直系卑属が相続人の場合

 

数は多くないですが、ご長寿家系で子・孫が先に亡くなっているケースも実在します。

パターン③のように、CとEがともにAよりも先に亡くなっていた場合には、Eの子Fが代襲相続によってAの相続人となります。

このように、被相続人の子や孫といった直系卑属において代襲相続が生じる場合には、直系卑属が連続する限り代襲相続が続くことになります

 

2-2.兄弟姉妹が相続人の場合

 

被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合、代襲相続は一代に限って起こり、その後の再代襲はありません

Aよりも先にBが亡くなっていた場合、Bの子のDは代襲相続によって相続人となることができます。

しかしパターン④のように、Aよりも以前にBとDがともに亡くなっていた場合でも、Dの子のFはAの相続人になることができません

このように、被相続人の子が相続人となるはずであった場合と、兄弟姉妹が相続人となるはずであった場合では、代襲相続が生じる範囲が異なるので注意が必要です。

 

2-3.被相続人が養子縁組をしていた場合

 

被相続人が養子縁組をしており、その養子がすでに死亡していた場合に、その養子の子が代襲相続をするかは養子の子が生まれた時期により異なります

 

養子縁組の日より前に養子の子として生まれた者は、養親との間に血族関係は生じません

従って養親の直系卑属にあたらず、養子が先に亡くなっていても代襲相続は発生しません

一方、養子縁組の日以降に養子の子として生まれた者は、既に養子は通常の子と同様に養親との間に血族関係が生じているため、養子の子もまた養親の直系卑属(=孫)となり、代襲相続が発生します

 

2-4.被代襲者が被相続人の配偶者である場合

 

パターン⑤のケースを見てみましょう。

両親が先に亡くなっていて、被相続人Eの配偶者Bも先に亡くなっています。

一見するとCがBを代襲してEの相続人になれそうですが、CとEの間に養子縁組をした形跡が無い場合、血縁関係にはありません

このような場合には、CはBの代襲相続人となる事は出来ませんので、代襲相続は発生せず、第三順位のAが単独で相続する形となります。

 

3.代襲相続人の相続分

 

代襲相続人は被代襲者と同じ地位で相続人となります。

例えば、2分の1の相続分を持つCが先に亡くなっていた為に、孫であるEが代襲相続する場合には、Eの相続分は2分の1となります。

孫が2人いる場合には、2分の1を2分の1ずつに分けるので、それぞれの孫の相続分は4分の1となります。

つまり、代襲相続人の数が多くなれば、その分、1人の相続分は少なくなります

 

4.相続放棄・相続欠格・廃除の場合

 

代襲相続は、下記の場合に発生します。

①本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹が相続発生時に「死亡」していた場合

②本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹に「欠格」事由がある場合

③本来相続人となるべき子が「廃除」された場合

 

②、③の場合には、被代襲者は相続人の地位を失います、その相続人の属人的な行為に基づく効果であり、その相続人の子は相続人の地位を失いません

②の「欠格」事由には、

a)被相続人や先順位の相続人を死亡させた

b)被相続人に対する詐欺や脅迫により、遺言を撤回、変更させたりするなど遺言に対して不当な干渉を行った

ことが含まれます。(民法891条各号参照)

 

③「廃除」されるのは、相続人が

a)被相続人に対して虐待や重大な侮辱を与えた場合

b)著しい非行を行っていた場合

となります。著しい非行には、被相続人の家族に対する継続的な暴力なども含むとされています。

 

なお、廃除は遺留分を含めた相続権を奪うものなので、廃除の対象となるのは、遺留分を有する相続人に限られており、遺留分を有しない被相続人の兄弟姉妹が廃除されることはありません

例えば、被相続人が遺言において、「相続人となる兄弟姉妹から虐待を受けたために一切の財産を相続させない」との意思表示をしていても、これは廃除の意思表示ではなく、単なる遺産の分割割合を指定しているにすぎず、その兄弟姉妹の子が代襲相続することにはなりません。

 

また、注意しなければならないのは、被代襲者が相続放棄をしていた場合には、その子は代襲相続によって相続人となることはできない、という点です。

相続放棄をした人は、はじめから相続人ではなかったことなるからです

 


いかがでしたでしょうか。

このように、相続関係を把握するには、細かな法律判断が必要になってくることがあり、相続税申告の有無を判断する際にも大きな影響を与えます。

代襲相続が起こっている場合には、代襲相続人の相続分が判断しにくくなっていたり、相続人の調査や遺産分割に手間がかかったりと、対応に迷ってしまう方もいるかと思います。

 

当法人では、専門の相続チームが初回面談を行い、適切なヒアリングからまずは相続税申告が必要が否かを素早くご判断させて頂いております。

相続関係、相続人の範囲、法定相続分、遺産分割の方法等些細なことでもかまいませんので、お困りの際は是非一度、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

法定相続人とその見分け方 (2020.05.26)

 

 

≪目次≫
1.法定相続人とは
2.法定相続人の範囲と見分け方
3.相続人が亡くなっている場合は?
4.相続人にならない場合

 

相続が発生した場合、被相続人(亡くなった方)が遺言を残していない場合、相続人同士の話し合いによって遺産の分け方を決めることになります。これを遺産分割協議といいます。

この遺産分割協議には「相続人全員の参加が必要です。そのため、相続人の方から相続に関するご相談をいただくと、司法書士等の専門家は戸籍謄本などを収集し、誰が相続人になるのかを一人ずつ確定していきます。

相続人は法律上一定のルールに従って決められており、これにより定められた相続人を「法定相続人」といいます。今回はこの法定相続人について解説いたします。

 

1.法定相続人とは

法定相続人とは、民法で定められた相続人のことをいいます。

なお、似た用語として、推定相続人というものがあります。こちらは、ある時点で相続が開始された場合に、相続人になると推定される人のことを指します。

 

2.法定相続人の範囲と見分け方
≪配偶者≫

被相続人の配偶者常に相続人となります

ここでの「配偶者」とは法律上婚姻関係がある者を指しており、内縁関係者は含まれていません。

また、死亡時点で婚姻関係にあれば、配偶者が別居していたり離婚調停中であったとしても法定相続人という扱いになります。

なお配偶者が被相続人より先に亡くなっている場合は、配偶者以外の相続人がすべての財産を相続します。

≪配偶者以外の法定相続人≫

相続人には第一順位から第三順位までが存在し、以下のルールに従って優先順位が決定されます。

なお、単純な被相続人の血族だけに限らず、養親子関係も含まれます

・第一順位‥子及びその代襲者(直系卑属)

・第二順位‥親、祖父母等の直系尊属

・第三順位‥兄弟弟妹及びその代襲者

 

【第一順位】

被相続人に子がいる場合、実子・養子に関わらず相続人となります。

 

【第二順位】

被相続人に子がない場合、直系尊属(被相続人の父母など)と配偶者が相続人となります。

被相続人と親等が近い者が優先されますので、父母と祖父母が健在の場合、父母のみが相続人となります。

 

【第三順位】

被相続人に子がなく、かつ直系尊属もない場合は、兄弟姉妹と配偶者が相続人となります。

下位順位の者は、上位順位の者「全員」がいない場合に限り、相続人となります。

よって、例えば子が相続人となる場合、被相続人の直系尊属や兄弟姉妹は相続人になりません。

 

3.相続人が亡くなっている場合は?

相続開始時点において既に被相続人の子が死亡していたり、欠格事由や廃除によって相続権を失っている場合、「代襲相続」というものが生じることがあります。

例えば、祖父が亡くなった時点より前に相続人である父が亡くなっていた場合、その相続人の子(被相続人にとっての孫)が代襲者として相続人となります。(但し直系卑属である場合に限ります。)

更に孫も既に亡くなっていた場合はその孫の子(曾孫)が代襲相続人となり(再代襲相続)、理論上無限に続くことになります。

 

また、第三順位である兄弟弟妹に関しても、被相続人より先に亡くなっていた場合は、その兄弟弟妹の子らが代襲相続人となります。

但し、兄弟弟妹の子が亡くなっていた場合には、再代襲相続はおきません。

 

 

4.相続人にならない場合

本来ならば法定相続人にあたる場合でも、下記の項目に該当する場合は相続人になりません。

①相続放棄

欠格事由に該当する場合

③推定相続人の廃除

 

 

①相続放棄

本来ならば法定相続人にあたる者が相続放棄をした場合、その相続に関しては、最初から相続人にはならなかったものとしてみなされます

なお、相続放棄をした場合、代襲相続はありません。(そもそも相続放棄をする=相続人が生存しているので、代襲相続は起こりません。)

 

欠格事由に該当する場合

民法の定めによる一定の事由(欠格事由)に該当する場合、相続人となることが出来ません。

(例)

 

故意に被相続人または相続について先順位・同順位にある者を死亡に至らせた、または至らせようと謀ったために刑に処せられた者(交通事故など「過失」と認められた場合は該当しない。)

・詐欺や脅迫などにより、生前の被相続人に遺言をさせた、または遺言の撤回・変更・取り消しをさせた者

・被相続人の遺言書を偽造・破棄・隠匿した者

(なお、遺言書によって本来は全て自分が相続するはずだった相続財産を、遺言書を隠し法定相続分通りに相続する事にした、など相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったと判断され、欠格者に当たらないとされた判例があります。)

 

などが挙げられます。

 

③推定相続人の廃除

遺留分を有する推定相続人(相続発生前だが、相続人となると推定されている者)が、被相続人に対し虐待をするなどの著しい非行があったとき、家庭裁判所に推定相続人の廃除(相続権をはく奪すること)の請求申立をすることができます。

なお、この請求をできるのは被相続人本人のみとされています。(他の推定相続人からの請求申立はできません。)

 


次回トピックスでは具体的な法定相続分の割合について取り上げていきます。

⇒【遺産相続時の法定相続分の計算方法】についてはこちら

法定相続人については、当法人にご相談されたお客様でも、ご自身で事前に調べた上で相続相談にいらっしゃるケースも比較的多いのですが、意外と間違ったご認識をされている方が多いのも事実です。

些細な点が後々問題となり、遺産分割協議をやり直さなければならなくなった、という方もいらっしゃるようですので、一度専門家にご相談する事をお勧めいたします。

 

 

お気軽にご相談ください。

お問い合わせ・お申し込み