ホーム>相続手続き>相続財産・相続人の調査・確定>法定相続人調査のための戸籍の読み方|相続の基本事項を司法書士が解説
目次

 

1.どのように法定相続人を調査・確定していくか

今回のトピックスでは、『戸籍の読み方』について取り上げていきたいと思います。

ご家族に相続が発生するとまず何から始める必要があるでしょう?

お葬式、役所への提出書類等々やらなければならない事は多くありますが、こと相続財産の手続きに関しては、何よりもまず『誰が相続人なのか』を調査・確定する必要があります。

法定相続人(=民法で定められた相続人)の調査・確定を出来ないままでは、その後の遺産分割協議や不動産の名義変更、銀行の預貯金解約などの相続手続き全般を進めることが出来ないのです。

 

2.形式別の戸籍の読み方

相続手続きでは、相続人を調査・確定させるため被相続人(=亡くなった方)や相続人に該当する方の戸籍を取得していきます。

公正証書遺言がない場合では、状況により被相続人の父母の出生まで遡って戸籍を取得する必要がありますが、戸籍の書式は時代とともに変化しており、その戸籍がどの時期(いつからいつまで)のものであるかを読み取ることは容易ではありません

今回は、戸籍について、年式別の種類を説明するとともに、取得した戸籍がどの時期にあたるものかを確認する方法を紹介したいと思います。

 

①平成6年式戸籍

 

2021年現在の戸籍は、平成6年式戸籍といわれる書式です。

コンピュータ化されている書式で、他の年式が縦書きであるのに対し、横書きの書式となっています。

 

時期の確認方法

 

  • 戸籍事項(当該戸籍の情報)

当該戸籍がいつからいつまでの戸籍なのかが記録されています。

(最新の戸籍である場合は「いつまで」は書かれていません)

 

  • 戸籍に記載されている者

この欄には、戸籍内の人ごとの情報が記載されています。

この欄が「除籍」となっている方の除籍理由が「死亡」となっている場合は、その方にとっての死亡時の戸籍となります。

また、「除籍」となっていない場合は、その方にとって最新の戸籍となります。

 

②昭和23年式戸籍

 

昭和23年式戸籍は、平成6年式戸籍と同様に、昭和22年の民法改正に従って作成された書式です。

よって戸籍事項、戸籍にされている人の記載は平成6年式戸籍と同様です。

ただし、コンピュータ化前の書式となっているため縦書きとなっており、数字が「壱」「弐」「参」「拾」といった漢数字となっています。

 

時期の確認方法

 

  • 本籍欄の右側欄外(横)

本籍欄の右側欄外に「平成六年法務省法令第五十一号附則第二条第一項による改製につき平成〇〇年〇月〇日削除」と記載されていることがあります。

この場合、コンピュータ化により平成6年式戸籍が作成されていることになるので、この戸籍は改製までの戸籍(改製原戸籍)として扱うことになります。

 

  • 戸籍事項(当該戸籍の情報)

本籍欄の左側が戸籍事項にあたり、当該戸籍がいつ編製され、いつまでの戸籍であるかが記載されています。

ただし、上述の通り、コンピュータ化に伴い削除されている場合、当該戸籍の終わりは欄外に記載されています。

 

  • 戸籍内の者ごとの情報

戸籍事項につづいて左側に、戸籍内の人ごとの情報が記載されています。

【記載例】

「昭和〇〇年〇月〇日□□で出生父△△届出同日受附入籍」

「平成〇年〇月〇日△と婚姻届出同月〇日□□市長から送付同区△に夫の死の新戸籍編製につき削除」

 

 

③大正4年式戸籍

 

大正4年式戸籍は、比較的記載内容が多い戸籍です。

まず①②との大きな違いとして、それまでにあった「家(家督)制度」により、孫など三代以上の者も記載されている場合があります。

また、戸籍作成時にそれまであった戸籍の記載事項をすべて記載していたため、編製事由(当該戸籍の期間を示す記載。「〇年〇月〇日〇〇改製」等と記載)が複数ある場合があります。

編製事由が複数記載されていた場合は、最も現在に近いものが、当該戸籍のはじまりとなります。

 

時期の確認方法

 

  • 戸主の事項(当該戸籍の情報)

通常本籍のすぐ左側に戸主の事項が記載されています。

ここには戸主の事項だけでなく当該戸籍の情報も記載されています。

当該戸籍がいつからいつまでの戸籍なのかはこの欄に記載されています。

 

  • 戸籍内の者の事項

戸主の事項につづいて左側に、戸籍内の者ごとの情報が記載されています。

【記載例】

「本籍に於て出生父△届出昭和〇〇年〇月〇日受付入籍」

「△と婚姻夫の氏を称する旨昭和〇〇年〇月〇日受附□□に新戸籍編製につき削除」

 

④明治31年式戸籍

 

明治31年式戸籍は、「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」という欄があることが特徴です。

1枚目の表には2人、裏には3人、2枚目以降は、すべて3人ずつ記載できるような様式になってます。

 

時期の確認方法

 

  • 戸主ト為リタル原因及ヒ年月日(当該戸籍の情報)

一枚目に「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」という欄があり、「父△死亡に因り大正〇年〇月〇日戸主と為る同日届出同日受附」(例)といった形で記載されています。

この日付が当該戸籍のはじまりとなることが多いです。

 

  • 戸主を含む戸籍内の者の事項

本籍の左側に、戸主から順に戸籍内の者の事項が記載されています。

当該戸籍の終わりは戸主の事項に「□□に転籍届出大正〇年〇月〇日〇〇市長受附同月〇日送付全戸除籍」(例)といった形で記載されています。

 

⑤明治19年式戸籍

 

明治19年式戸籍は、2021年現在閲覧可能な最古の年式となります。

この戸籍には一部空白がありますが、これは「族称欄」と呼ばれる「士族」「平民」といった記載があった場所ですが、身分差別廃止の観点から現在では白く塗られており、白く塗られている部分の記載が読み取れなくても問題はありません。

 

時期の確認方法

 

  • 戸主の事項(当該戸籍の情報)

本籍の左側に、戸主の事項が記載されています。

戸主の事項内に、当該戸籍がいつまでの戸籍なのかは記載されていますが、いつからの戸籍となるかは記載されていない場合があります。

 

  • 戸籍内の者の事項

戸主の事項から順に戸籍内の者の事項が記載されています。

それぞれの者にとっていつまでの戸籍となるかが記載されています。

 

コンピュータ化以前の内容は手書きで書かれており、記載内容が判読しにくいものもあります。

また、記載内容を正しく読み取って対応しないと、思わぬトラブルになる可能性があります。

必要な戸籍の代理取得を含め、ご検討の方は、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談下さい。

 

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