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法定後見制度の注意点② (2020.10.22)

【法定後見制度の注意点②】

以前のトピックスにて、成年後見制度の利用開始に際して頻繁にご質問される点や、誤解されている方が多いと思われる点についてご紹介させていただきました。

⇒法的後見制度の注意点①はこちら

≪内容≫
1.後見人候補者が必ず就任できるとは限らない
2.申し立ての準備から就任まで時間がかかる
3.本人と口約束でした契約や贈与は、履行が果たされない場合がある

今回も引き続き、注意点についてご紹介させて頂きます。

 

4.後見申立の取り下げには許可必要

成年後見申立のための書類の準備が整い、申立書及び提出書類を裁判所に提出すると、正式に申立がなされたことになります。

そして一度申立がなされた後は、審判前であったとしても、家庭裁判所の許可を得なければ申立を取り下げることはできません

これは、成年後見制度がそもそも本人(被後見人予定者)保護のための制度であるため、申立人の判断のみで終了させることが適切でないと考えられるからです。

例えば、本人Aさん(被後見人予定者)の息子Bさんが申立人となり、後見人候補者をBさんとして申立書を提出したとします。

手続きが進むにつれて、家庭裁判所の調査官の言動から、Bさんではなく専門職の弁護士が選任されそう、あるいは後見人にはBさんが選任されそうだけれども、後見監督人として弁護士が選任されそうと感じたとしても、家庭裁判所の許可なく取り下げることはできません。

また、第三者が選任されそうとの理由のみでは、許可も下りない可能性が高いと思われます。

申立書類は、申立以後取り下げられなくなることを念頭に、提出する必要があります。

審判を出すか出さないか、あるいは誰を後見人として選任するかは、個々の事情から最終的には家庭裁判所の裁判官が判断をするため、確定的なことは申し上げられません。

しかし財産の多寡親族の関係性、申立てをして成年後見人をつける目的等により、家庭裁判所がいかなる判断をしうるかとの見通しをある程度立てることは可能ですので、申し立てを行う際はご相談いただければと思います。

 

5.被後見人が意思能力を回復するか死亡するまで継続する

成年後見の申立のご相談をお受けする場合、大多数の場合、申し立てる目的があります。

例えば、Aさんは父親が10年前に亡くなり、その際に父親が所有していたAさんの実家を、母親が相続し、母親がそこで一人暮らしをしていたとします。

ところが母親が認知症になってしまったため、母親をグループホームに入れる資金に充てるために、実家の売却目的で後見申立をしたいというケースがあったとします。

無事申立が認められ、後見人としてAさんが就任し、実家の売却手続きを完了させたとしても、後見人でなくなるわけではありません

後見は、被後見人である母親が亡くなるか、あるいは認知症が治癒(判断能力が回復)するまで続きます。

後見人を立てないとできないからと、何らかの手続きのために一時的に成年後見を利用するということはできません

これも、本人を保護する制度である以上、申立人が考える目的を果たしたとしても、本人の要保護性が消滅するわけではないからです。

なお後見人は、病気などやむを得ない事情がある場合には、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。

この場合にも、後見自体が終了するのではなく、別の後見人を就任させ、新後見人に引き継がれることになります。

基本的にはご本人が亡くなるまで一生続くことですので、特に親族が候補者になる場合には、よく検討して申立手続きをする必要があります。

 

6.後見人が就任した後に、後見人を交代させるには条件がある

例えば母親Aのために息子Bが申立人となって後見申立を行い、弁護士や司法書士等の専門職の後見人Cが選任されたとします。

Bは後見人が就任したことで一安心したのも束の間、Cとはなかなか連絡がつかないうえ、愛想が悪くてうまくコミュニケーションが取れません。

Bは、Cとそりが合わないため、交代させたいと考えるようになりました。

この場合、仮にBがC後見人を交代させたいと考えたとしても、家庭裁判所に申し立てて無条件に交代させることはできません

このように後見人を交代させたい場合には、本人や親族が後見人の解任請求を行っていくことになりますが、これが認められるためには、後見人が任務に適しない正当な事由がなければなりません

例えば後見人が本人に対して虐待行為を行っている、あるいは財産を本人のためでなく後見人自身のために使っている(横領している)、等の事由が必要になります。

成年後見制度はあくまで本人のための制度であるため、親族が望んだとしても本人の不利益になっていないのであれば交代すべきではない、と考えられるからです。

 

司法書士法人鴨宮パートナーズでは、後見制度の注意点等も踏まえ、最適な制度の利用方法のご提案をさせていただきます。

少しでもご不安な点ございましたら、是非ご相談ください。

 

 

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