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意外と難しい戸籍収集 (2020.09.23)

【意外と難しい戸籍収集】

 

金融機関や法務局の相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要になります。

配偶者や生前に親しかった親族でさえ、被相続人の出生から死亡までの本籍地を把握していることはなかなか考えにくく、一般的には現在の戸籍(亡くなった時点での戸籍)に記載されている転籍履歴や、改正の有無などを頼りに戸籍を遡りながらながら、古い戸籍を取得していきます。

当法人にご相談にいらした方でも、
『戸籍の取得位は自分でやるから大丈夫!』

と仰っていたのですが、その後1ヶ月程経過してから、
『やっぱり、先生の所で戸籍も含めてすべてお願いできるかしら?』
と再度ご来所されるケースは、実はそう少なくありません。

今回は、普段目にしているようで、実は意外と知られていない『戸籍』について取り上げてみましょう。

 

 

1.戸籍とは?

戸籍とは、端的に言えば、本籍地や法定の家族関係などを証明するものです。

戸籍には、その人の本籍地、生年月日、婚姻日(婚姻歴)、死亡日、両親の名前、子供の名前などが記載されています。

 

2.種類

戸籍には種類があります。それぞれ、謄本とうほん)と抄本しょうほん)と呼ばれています。

謄本とは、その戸籍に載っている全部(全員)の情報を記載したもので、全部事項証明書ともいいます。
それに対し、抄本とは、その戸籍に載っている情報のうち、一部(一人)について記載されたもので、個人事項証明書ともいわれるものです。

どちらも記載されている情報に差異はありませんが、用途によってどちらを取得するべきなのか、注意が必要です

不特定の法定相続人がいるかもしれない相続手続においては、戸籍謄本を取得する方が確実です

 

3.名称

ひと言で戸籍と呼んでいても、その状態や状況によって名称が変わってきます。

その呼び名は大きく分けて、
『戸籍(現在戸籍)、改製原戸籍、除籍』
とあり、これらはすべて戸籍と呼ばれるものです。
一般的には現在戸籍を指すことが多いですが、状況によってどの戸籍を指すのかが重要となります。

相続手続において戸籍と言った場合、現在戸籍のみならず、改製原戸籍や除籍などの古いものについても含まれるわけです。

 

◆除籍◆
除籍とは、婚姻、離婚、死亡、転籍などによって、その戸籍に在籍している人が誰もいなくなった状態の戸籍です。

◆改製原戸籍◆
例えば、民法の改正により、

・戸籍の記載事項が変更になった
・手書きであったものが電子化され、印字のものに変更された
・縦書きであったものが横書きに変更された

など、戸籍の記載方法などが法律によって変更されることがあります。

明治時代に戸籍制度ができてから、現在に至るまで、4~5回の変更がありました。

改製後の戸籍では記載方法が異なるため、改正前の戸籍の情報をそのまま記載することはできません。
従って、法律が改正されると新しい型の戸籍をつくりそれを現在の戸籍とし、改正前の戸籍は閉鎖されます。

この改正によって閉鎖された戸籍を改正原戸籍といいます。

 

4.読みづらい戸籍

戸籍の記載は古くなればなるほど読みづらい事が多く、昭和初期以前の戸籍になると、旧字が使われており、数字の記載に関しても現在のようなアラビア数字ではなく、「壱、弐、参、、」といった記載になります。

また、古い戸籍は手書きで書かれており、字そのものが読めないといったこともしばしばあります。

(普段から戸籍を読み慣れている私共でさえ、
『よくこの字でOK出したな。。。』
と思ってしまう字体が多々あります。これも統一された印字で読み慣れてしまった現代人の弊害とでも呼ぶべきでしょうか。。?)

このように、戸籍を判別しながら遡って、時には前後の表記から推測してまで戸籍収集をしていくことは、思った以上に時間と手間がかかります。

 

戸籍は家族単位で構成されており、結婚をすると新たな戸籍が編製され、籍を移すことになります。

また離婚をした場合、婚姻によって姓を変えた方は、親の戸籍に戻るか、新たに自分の戸籍を作り入籍します。婚姻や離婚をしている場合には、取得しなければならない戸籍の数がその分多くなります。

(旧姓の親の戸籍に戻った場合、その方の名前が、婚姻前⇒離婚後と二度表記されることになります。流し読みで婚姻前の名前を見逃すと、その後の婚姻中の戸籍を見落としてしまう事がありますので注意しましょう。)

他にも、例えば現住所に本籍地を変更した場合には、戸籍は本籍地で管理しているため、新たな本籍地に新たな戸籍が編製されます。

そして、もともと戸籍があった旧本籍地の戸籍は除籍簿に入ることとなります。相続手続には被相続人の記載される戸籍全てが必要になりますので、取得が大変なのです。

 

5.取得方法

戸籍は本籍の置かれている役所で取得します。

被相続人が婚姻や転籍を複数回していると、それぞれの本籍地に戸籍の請求をしなければなりません。場合によっては全国の役所に請求をすることになります。

役所に行くことが難しい場合、郵送によっても戸籍を取得する事ができますが、郵送での戸籍取得はその場で役所の人とのやり取りをすることができません。

そのため、

「取得したいものが違った」

「必要な書類が抜けていた」

等の不手際があると、同じ管轄で何度も郵送のやり取りが必要になる事もあります。

また、郵送での請求は、一回のやりとりに、早くても1週間程かかると考えた方がよいでしょう。役所によって手続きの仕方が若干異なる場合もあり、そういったことも戸籍取得の難しさを助長しているように思えます。

戸籍を取得しようとしている相続人と被相続人の関係性で、必要となる書類も変わってきます。

同じ戸籍内の親子であれば自分の戸籍に被相続人の除籍が記載されますが、例えば相続人が甥・姪であった場合(両親・祖父母が先死亡)などは、まずご自身の戸籍⇒両親との関係⇒祖父母との関係(この辺りでようやく被相続人の名前が出てくることになります)と被相続人との関係性を示すまでにもかなりの戸籍が必要となります。

 

 

6.戸籍を取得できない場合

被相続人の出生まで戸籍を遡るとなると、状況によりかなり昔の戸籍まで取得する事になります。

場合によっては、戸籍を取得できないケースが出てきます。原因としては、戸籍が戦争または震災によって焼失していることなどが挙げられますが、その場合には、相続手続を申請する先の機関に確認をしながら手続きを進めなければなりません

通常は、役所から焼失証明書破棄証明書という証明書を発行してもらい、それを添付して相談をしていく事になります。

 

 

いかがでしたでしょうか。だいぶネガティブな表現になってしまったかと思いますが、状況により、かなり面倒なケースが出てくることも事実です。

ご遺産によって相続税申告が生じる場合、お亡くなりになってから10ヶ月以内にご葬儀、戸籍収集、遺産分割、納税申告、、とやらなければならない事が多々あり、今回の戸籍収集はご認識頂けたように時間も手間も取られる、なかなかに厄介な存在です。

当法人では、相続登記や預貯金解約等の相続手続の一環として、戸籍収集や法定相続情報の取得も承っております。

普段から見慣れていないなかで、ご自身でご取得可能なのか、一括してお任せいただいた方がよいのかも含め、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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