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遺留分の放棄① (2020.08.04)

【遺留分の放棄について①~相続開始後編~】

 

以前のトピックスで、遺言と遺留分に関するトピックスをいくつか上げさせて頂きました。

≪遺留分に関するトピックス≫

⇒【遺言書と遺留分請求】

⇒【遺留分制度の見直し】

⇒【遺留分と生命保険】

今回は、実際に当法人の司法書士が相談を受け、扱った特殊な事例として、遺留分の放棄をテーマにお話をさせて頂きたいと思います。

 

まず遺留分とは、法定相続分とは別個の権利で、一部の相続人(相続人が兄弟姉妹・甥姪には遺留分は認められない)にのみ認められた、最低限保障されるべき相続分のことをいいます。

従って、被相続人が遺言や家族信託を組成する中で、特定の相続人のみに遺産を承継させたりする場合(他の相続人の取り分が一切ない場合)に問題になります。

通常、遺留分は相続人が直系卑属(子・孫)であれば法定相続分の2分の1は保障されます。

また、相続人が直系尊属(親・祖父母)のみである場合は3分の1が保障されます。

遺留分放棄のやり方には、被相続人の生前中にするものと、被相続人の死後にするものに分けられますが、今回は、被相続人死亡後の遺留分放棄についてご説明します。

 

≪相談事例≫

下記の相続関係において、被相続人Aが遺産の全てを長男Bに相続させると遺言を残して死亡しました。

相談者Bは、被相続人Aが書いた自筆証書遺言を片手に当法人の司法書士に相続手続きを依頼。相談者Bは、Cに4分の1(法定相続分2分の1の2分の1)の遺留分が発生することを知っており、どうすれば一番良いだろうか、と相談をされました。

被相続人の死亡後の遺留分の放棄の手続きには、法律上特に決まった要式行為(公正証書や裁判所への申立でするなど)を求められておらず、受遺者等への意思表示のみで足りるとされています。

この意思表示は口頭でも足りますが、実務上は、後日言った言わないのトラブルになったり気が変わったりした時など、遺留分請求された場合に対抗する措置として、きっちりと書面に残して証拠保全をしておいた方が良いでしょう

上記の事実関係及び法律効果を熟考した末、相談者Bに下記の方法をご提案しました。

①Cに対して遺留分の放棄の意思確認をすること
②Cに相続放棄手続きをしてもらうこと

但し、②の相続放棄手続きは、ある程度C側で裁判所に申し立てをしてもらい、一定のやりとりを裁判所としなければならない点や、相続放棄の審査が終了するまでの間(通常1か月)は申立を取り下げることができる点(手続き終了後は撤回は出来ません…民法919条1項)等のデメリットを説明しました。

相続放棄申立中に、万が一Cの気が変わり申立を取り下げられると話の流れは大きく変わります。

上記提案の内①の遺留分放棄の意思表示をCにしてもらうことを相談者Bにおいて意思決定されたので、後日、当法人の司法書士がCに、相続についての意向確認の手紙を送り、コンタクトを取りました。

結果、BとCの話し合いの末、Cは被相続人との関係性が疎遠であったこと及び相談者Bが献身的に被相続人の介護をしていた事実を受け、遺言の内容及び遺留分の一切を放棄するとの意思表示を確認出来たため、話し合いの当日、当法人で作成した遺留分放棄証書に実印を頂戴し、証拠保全を完了しました。

最終的には、遺言の検認手続き及び遺言通りの相続手続きを完了し、加えて遺留分権利者からの遺留分請求への対抗措置を準備することができ、依頼者は安堵の表情を浮かべておりました。

 

相続手続きには、それぞれのご家庭に違った悩みがあり、一件一件問題解決の方法が違います。

当法人には、様々な問題解決をしてきた相続専門の司法書士が在籍しております。今回取り上げたような、遺留分放棄等滅多に関わらない案件にも積極的にトライして解決に導いていきます。

是非一度、お気軽にご相談下さい。

 

 

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