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数次相続と法定相続分の行方 (2020.06.30)

【数次相続と法定相続分の行方】

 

以前のトピックスで、法定相続人・法定相続分・相続放棄のご説明をさせて頂きました。

今回のトピックスでは、実務で年間数件お目にかかるか否かの特殊な事例を掲げ、ご説明していきたいと思います。

 

まず、下記の相続関係を参照してください。

 

上記の相続関係で、被相続人Aの法定相続人は、誰になるでしょうか?

応えはB・C・E・Fになります。

 

まず、Aの死亡時の法定相続人はB・C・Dに確定します。ところが、上記の事例ではAの遺産分割未了の内に二男が亡くなっています。

このように、相続が立て続けに発生することを数次相続と言い、数次相続が発生した場合、被相続人Aの遺産分割をする場合、二男Dが被相続人から承継した4分の1の法定相続分はDの法定相続人に承継されます

ですので、Dの代わりにDの第一順位の法定相続人であるE・FがAの法定相続人として登場することとなるのです。

⇒【遺産分割時の法定相続分の計算方法】

⇒【法定相続人とその見分け方】

 

ここからかなり複雑な話になりますが、二男Dには借金があり、目ぼしい財産はAの法定相続分4分の1しかないことから、Dの配偶者Eと子Fは相続放棄の申述を家庭裁判所に提出していきました。

 

そうすると、二男Dの借金とAから承継した法定相続分4分の1は、第二順位の父Bに承継されます。

Bが相続放棄を選択した場合、最終的に第三順位の兄弟Cに借金とAから承継した法定相続分4分の1が承継されます。

 

実務上、借金がある場合、第一順位の相続人が相続放棄を選択すると、第二順位・第三順位の相続人に順次借金返済の義務を生じさせてしまうことから、第三順位の兄弟まで相続放棄の申述を提案していくパターンが多いと言えます。

第一順位~第三順位の法定相続人全員が相続放棄をすると、相続人不存在となり、借金はもとより、Dに帰属していたAの法定相続分4分の1は宙に浮いた状態となります

Dの相続関係について、Dの法定相続人が全員相続放棄をしたから、Aの遺産分割協議はB・Cのみで行えるということではないのです。

この場合、Aの遺産分割協議をする場合は、D相続財産管理人(通常弁護士か司法書士が選任されます)の選任の申立てを家庭裁判所に申立て、選任された相続財産管理人とB・Cとで遺産分割協議をすることとなります。

 

相続財産管理人の選任申立てには、家庭裁判所に予納金として通常30万円~100万円ほど予納しなければならない他、Dの相続財産管理人とB・CAの遺産分割協議をする際、Dに帰属した法定相続分4分の1相当を代償金で支払ったりしなければ、遺産分割協議は絶対成立しません

相続財産管理人は、相続人不存在となった場合に登場し、被相続人(ここではDのこと)に帰属した債権債務を早期に取り立て・弁済する義務を負っていますので、4分の1相当の代償金が支払えない場合は、相続財産管理人から遺産分割調停・審判を申立てられ、Aの遺産である自宅等を売却する手続きを取られてしまう可能性があります。(換価分割

 

上記で上げた事例は、他事務所の司法書士が既にDの法定相続人全員の相続放棄を完結させた上で、後日Cから当法人に相談を頂いた事例です。

相続放棄を担当した司法書士は、相続放棄後の始末をすることが出来ずお手上げ状態だったとのことで、当法人に相談が来た次第です。

 

当法人であれば、事前に全ての流れを聴取した上で、上記のようにならないよう、例えばDの財産については限定承認をするなどのご提案が出来たかと考えます。

複雑な、相続関係・相続放棄は安易に考えずに、是非一度ご相談にいらしてください。

 

 

 

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