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遺言の種類と書き方~自筆証書編~ (2020.04.28)

【遺言の種類と書き方 ~自筆証書編~ 】

 

わが国の遺言の種類・方式は、民法に数多く規定されておりますが、感染症で隔離施設に隔離されたり、船舶事故等で緊急に船舶内で遺言を書いたりする場合を除き、通常の場合ですと下記の3種類の遺言の方式から選択することが一般的です。

 

≪3種類の遺言の方式≫

●自筆証書遺言

●公正証書遺言

秘密証書遺言

 

上記のうち③の秘密証書遺言とは、遺言の内容を誰にも公開せずに秘密にしたまま、公証人に遺言の存在のみを証明してもらう遺言のことであり、通常この方式を選択される方は、ほぼいらっしゃいません。

 

では、実務で司法書士が良く目にする①の自筆証書遺言、また、司法書士がよくお客様に相続対策で提案する②の公正証書遺言の方式・書き方について触れてみたいと思います。

 

【自筆証書遺言の有効要件・書き方】

 

自筆証書遺言は、下記の要件がすべて満たされていなければ、問答無用で無効となりますので、事前に司法書士等の専門家にご相談しておく事をお薦めします。

 

□全文を自署

□日付の記載をいれる

□氏名の記載

□押印があること

 

※上記のうち、全文を自署する要件のみ、2019年1月13日から施行された改正民法により方式が緩和され、遺言の目的とする財産の記載については、登記簿謄本の写しや通帳の写しを添付(各写しのページ毎に氏名と押印が必要)することで、自署の代わりとすることが可能となりました。

 

上記要件は、あくまで遺言書としての有効要件であり、要件を満たしていることで遺言者の死後の不動産の名義変更や預貯金の解約等の諸手続きに確実に対応出来るか否か、については全く別問題となりますので、手続きを見据えた書き方というものが、非常に重要となります。

また、公正証書遺言を除き、遺言は遺言者の死亡後に、家庭裁判所による検認手続き(改ざん等を防ぐ証拠保全手続き)が必要となりますので、どうしても費用をかけずに自力で書きたいという方を除いては、公正証書による遺言作成の方が効果が絶大と言えるでしょう。

 

それでは、自筆証書遺言の実際の書き方について見ていきますが、

書き方はシンプルに、誰に何を渡したいかを記載していればそれで充分です。

 

例を挙げると、

 

『遺言者は下記財産を妻●●に『相続させる』。

 

●●銀行●●支店 普通預金 口座番号 ●●●●●●● 残高全額

所在 新宿区●●

地番 ●●番

地目 ●●

地積 ●●㎡     ...』

 

と言った具合です。

 

当たり前の様に感じるかもしれませんが、ここで注目すべきワードは『相続させる』との文言です。

多くの遺言には妻●●に『あげる』『与える』『贈与する』『譲る』との文言が書かれていることが少なくありません。

また、『遺贈する』との難しい表現をされているケースも多々あります。

 

実は上記の様な文言、相続手続きをする司法書士を非常に悩ませる文言なのです。

 

上記の、『遺贈する』はもちろんのこと、『あげる』『与える』『贈与する』『譲る』との文言は、不動産の名義変更や預貯金の解約をする場合に、法的に遺贈と解される余地があり、実際に相続手続きをする際、遺言とは全く関係の無い相続人に協力を求めなければいけない場合が出てくるのです。

 

実際は、遺言者の置かれていた当時の状況・遺言全文から読み取れる遺言者の合理的な意思を推認・解釈して、手続きの手法を検討することになります。

では、遺贈とは相続と違い、どのような意味が含まれているのか?

民法の考え方では、「遺贈とは、遺言により自己の財産を『相続人でない他人』に与える『処分行為』である。」と解釈されています。

 

ここで一旦、遺言から離れて考えてみましょう。

 

例えば、ご自身のお父様が、生前中にある物を他人にあげるなどの処分行為をしたまま、その履行をせずに死亡した場合。

お父様がなされた生前の処分行為の履行義務は、相続人全員に引き継がれ、相続人全員の協力のもと、相手方に物の引き渡しをしなければならないという事態を招くのです。

 

遺贈も、自己の財産を『相続人でない他人』に与える『処分行為』と解されているので、上記の例と何ら変わりがなく、遺言の効力が発生した瞬間(すなわち遺言者の死亡の時)に、その財産の移転義務が相続人全員に承継されます。

 

したがって、遺言の内容を実現する為には、原則、相続人全員の協力が必要となるのです

 

 

遺言は実務上、遺言者が死亡したあとに、相続人の内の一人から判が貰えなさそうと言った、何らかの理由で作られるケースが多くみられます。

せっかく、妻に一切の財産を与えたくて書いた遺言に『遺贈』との文言が使われたが為に、不仲の長男の実印・印鑑証明書を要する事態になったのでは元も子もありません。

 

相続人の一人に対し、『相続させる』との文言を使って遺言を書いた場合は、基本的には、上記の様な事態には陥りません。

 

法的な効果や、実際の手続きに対応出来るかは、相続に精通した司法書士にしか判断できないものです。

遺言を書こうと思った時、また、自筆証書遺言で相続手続きをしようと思った際、当法人にご相談頂ければ、専門の司法書士が全面的にバックアップをさせていただきます。

 

万が一、ご自身のお父様等が『遺贈する』との文言を用いて自筆証書遺言を書かれていた場合でも、あきらめる必要はありません。

当該遺言が、相続人の1人への遺贈である場合、当法人の司法書士が、関係各所に交渉・折衝をし、遺贈手続きの簡便な方法を提案したり、場合によっては一般的な相続手続きに転換して手続きを行った事案が過去に多数存在します。

 

まずは、お早目のご相談をされることをおすすめ致します。

 

 

 

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