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法定後見の3つのレベルについて (2021.07.27)

 

 

 

≪目次≫
1.なぜ3つのレベルが用意されているのか
2.成年後見について
2-1.成年後見人に認められた権利

1.なぜ3つのレベルが用意されているのか

法定後見制度とは、認知症等により判断能力が低下してしまった方が生活するうえで困らないために、代わりに財産の管理や契約行為をする人=「後見人」を、家庭裁判所を通して選任してもらう制度です。

この制度の趣旨は「本人の自己決定を尊重」したうえで、日常生活に困難が生じないように保護することにあります。

しかし、一概に「判断能力の低下」といっても、その程度や質は人それぞれ異なります。

軽い物忘れから自分の財産がわからなくなり、管理が難しいだけの比較的軽度の方から、すでに言葉を理解して返事をすることすら難しい場合まで、様々な方がいらっしゃいます。

そのような方をすべて一律・同列に規定していくことは、本来の後見制度の趣旨から外れてしまうと言えるでしょう。

例えば、軽い物忘れ程度の方に対して、高齢者施設の選別・入所契約、アパートの賃貸借契約等、比較的自己決定が尊重されてしかるべき場面においても、全ての契約ごとについて本人は行えず、後見人が代理で契約しなければならないとなったらどうでしょうか。

後見人と本人で意見が相違した場合、後見人が本人保護のためと称して代理で契約しなければならないとすれば、かえって自己決定を侵害しているとすら言えます

また逆に、重度の脳機能障害の方で意思表示もできない方に対し、高齢者施設の選別・入所契約、アパートの賃貸借契約はご自身で行ってください、との制度にしてしまえば、実質不可能ですので、今度は本人保護が不十分ということになってしまいます

このようなことが無いように、民法では成年後見制度に「成年後見」「保佐」「補助」と、3つのレベルを作っているのです。

 

2.成年後見について

法律上、成年後見となる方は、「精神上の障害(認知的障害・精神障害等)により、事理を弁識する能力を欠く常況にある者」とされてます。

つまり、判断能力がほぼ無い状態で、財産管理や生活の組み立てが一人では困難な場合といえます

後見申立され、本人の状態について家庭裁判所の判断がこのような場合には、「成年後見」が選択されます。

なお、家庭裁判所は医者では無いので直接面談等で本人の状態について判断するということではなく、申立の際に提出する医師の「診断書」に基づいて、家庭裁判所が総合的に判断することになります。

診断書によって判断がつかない場合には、更に家庭裁判所選任の医師による、鑑定が行われ、より詳細に本人の状態を診ていくことになります。

成年後見の申立に関しては、本人の同意は不要です。

これは、既に本人の意思以上に保護する必要性が高い状態といえますし、本人に適切に判断する能力があるとはいえないためです。

家庭裁判所による判断で、保護が必要と認められた場合には、本人の同意がなくとも、成年後見が開始することになります。

⇒『後見申立に必要な書類』に関するトピックスはこちら

 

2-1.成年後見人に認められた権利

成年後見人に対しては、「取消権」、「代理権」が認められています。

取消権」とは、本人(被後見人)のした契約行為等(法律行為)を、後見人が取り消すことができるというものです

後見相当の本人に関しては判断能力を常に欠いている状況ですので、本人を害する契約等を認識なく締結する恐れが常にある状態と言えるでしょう。

そこで法律上、後見人は、本人(被後見人)のした行為の全てを原則取り消すことができる、と規定しています。

これにより、例えば騙されて高額な宝石や絵画を購入した場合、家の増改築の請負契約等、本人がした行為は原則すべて取り消すことができますので、後見人としては安心です。

しかし、これには一部例外があり、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」は取り消しの対象外とされています。

例えば、スーパーで夕食のお弁当を購入した、コンビニでお茶を購入したとの行為まで取り消せるとなった場合、お店に損害を与えてしまう恐れがあります。

また本人にも取り消しにより返還義務を負わせることにもなり、不都合が生じてしまうため、このような例外規定を設けているのです。

また、後見人はすべての法律行為について「代理権」が与えられます。

「代理権」はイメージがしやすいかと思いますが、本人に代わって本人のために法律行為を行い、その効果が本人に帰属する、というものです

この代理権に関しては後見相当の本人の保護必要性の高さから、全ての法律行為について自動的に後見人に付与されます。

保佐・補助については、また次回のトピックスにてご紹介いたします。

 


鴨宮パートナーズでは、制度について何もご存知なくても、一から丁寧にご説明させて頂きまして、最適な制度の利用方法をご提案させていただきます。

成年後見の申し立て手続きをお考えの方は、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談下さい。

 

 

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【相続トピックス】ページを更新しました! (2021.07.27)

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相続分の譲渡とは?相続放棄との違いと注意点 (2021.07.16)

 

 

 

≪目次≫
1.相続分の譲渡の効果
2.相続放棄との違い
3.相続分の譲渡をすべき場合
4.相続分の譲渡を行う際の注意点

 

被相続人が亡くなると、通常民法に定められている法定相続人が相続をすることになりますが、この法定相続人の相続分については、他の共同相続人又は共同相続人以外の第三者に対しても譲渡することができます。

相続分を譲渡することによってどのような効果が発生するのか、またそのメリット、デメリットについて解説していきたいと思います。

 

 

1.相続分の譲渡の効果

相続分の譲渡について民法には直接的に記載はありませんが、民法第905条に相続分を譲渡した場合の相続分の取り戻しについて記載されていることから、相続分の譲渡が可能であるとされています

 

民法第905条「共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。」

 

相続人が他の相続人に相続分の譲渡をした場合、相続分の譲渡を受けた相続人は、譲渡を受けた分だけ相続分が増えます

相続分を譲渡することにより、実質的に遺産分割協議に近い効力が生じます。

相続分の譲渡は有償でも無償でもかまいません。

 

相続人に対しての無償の相続分譲渡は贈与に該当するため贈与税が課される、と思われがちですが、相続分譲渡では贈与税はかかりません

相続分譲渡の要件として、遺産分割協議の前に相続分の譲渡を行う必要があります

これに対して相続人以外の第三者に相続分の譲渡した場合、相続分を有償で譲渡した場合は譲渡した相続人に譲渡所得税が課され、無償で譲渡した場合は譲受人に贈与税が課税されることになります。

第三者が相続分の譲渡を受けた場合、その第三者は遺産分割協議に参加する権利を取得します

ただ、第三者が遺産分割協議に参加することに、元々の他の相続人は抵抗を感じる場合もあるでしょう。

そのため、他の相続人は1か月以内であれば、譲渡を受けた者が支払った価格や費用を支払うことによって相続分を取り戻すことができることになっています

 

 

2.相続放棄との違い

相続放棄すると、はじめから相続人でなかったことになりますので、負債も相続しません。

相続分譲渡の場合、譲渡した人にも負債の支払い義務が残ります

第三者への譲渡であれば相続人の地位の包括的な譲渡であるため、この場合、負債の支払い義務が譲渡人か譲受人にあるかの論点は残ります

債権者が支払いを要求してきたら拒めないので注意しましょう。

また、相続放棄の場合、「放棄者が存在しない」ものとして、その人の相続分が他の法定相続人に割り振られます

一方で相続分の譲渡の場合、「譲渡の相手を相続人が自由に選べる」という違いがあります。

 

 

3.相続分の譲渡をすべき場合

●遺産を相続したくない、関心がない
相続分を譲渡すると、面倒な相続登記などの手続きをせずに済みます。

●相続トラブルに巻き込まれたくない
相続分を譲渡すると、遺産分割協議に参加する必要がなくトラブルに巻き込まれる可能性がほぼなくなります。

●配偶者や孫など、自分以外に遺産相続させてあげたい人がいる
遺産相続権を与えたい相手に相続分の譲渡をすれば、希望を叶えることができます。

●相続人が多数で、遺産を引き継ぐ人を少人数に絞りたい
他の共同相続人へ相続分の譲渡をすると、相続人を減らせて状況を整理できるでしょう。

●早期に相続権を現金化したい
遺産分割前に有償で相続分を譲渡すれば、早期に現金が手元に入ってきます。

 

 

4.相続分の譲渡を行う際の注意点

 

①譲渡後も債務の支払い義務が残る

相続分の譲渡をすると、その人は相続権を失いますが、負債の支払い義務はなくなりません

相続債権者から支払い請求が来たら返済せざるを得ないので、注意しましょう。

 

②相続分の取り戻しが行われる可能性がある

上記でも説明をしましたが、相続人以外の人へ相続分を譲渡すると、他の相続人は1カ月以内であれば取り戻し請求ができます

自分の妻などに遺産相続権を与えたいと思って相続分を譲渡しても、相続人から取り戻し請求が行われたら目的を達成できなくなってしまうので、注意が必要です

 

③遺言がある場合の相続分の譲渡

遺言がある場合、相続分の譲渡ができるケースとできないケースがあります。

「~に〇分の〇、~に〇分の〇」など「相続分の指定」が行われている場合、指定された相続分を譲渡できます

一方「~に不動産を遺贈する、~にA銀行の預金を相続させる」など遺産を指定して遺贈された場合、相続分という概念がないので相続分の譲渡はできません

 

 


相続トラブルに巻き込まれない方法として、相続分の譲渡は有効です。

ただ、負債があると引継いでしまうなどのデメリットもあるので、注意しましょう。

相続手続・生前対策をお考えの方は、渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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争続(あらそうぞく)~遺産分割調停の活用~ (2021.07.06)

 

 

 

過去のトピックスで、疎遠である前妻の子へのアプローチのしかた、遺産分割の方法を掲載させて頂きました。

遺産分割についてのトピックスはこちら↓

【遺産分割の方法】
【疎遠な相続人との遺産分割調整】

 

今回は、遺言が無く相続人同士で相続争い(争続)となってしまった場合の手続きについてご案内させて頂きたいと思います。

まず、下の相続関係図をご覧ください。

【相続関係=被相続人父、配偶者、子二人、前妻との子一人】

 

お父様がお亡くなりになり、悲しみに暮れる中、戸籍を収集しているところ、家族には全く聞かされていなかった前妻のお子さんがいることが判明。

この場合、前妻の子を排除したまま相続手続きが出来ないものか、よくご相談をされる方がかなりの数いらっしゃいます。

遺言でもあれば、その可能性は一定程度残されていきますが、遺言が無い場合、前妻の子も列記とした法定相続人のうちの一人なので、その子を排除して手続きを進めることは出来ません

 

 

法定相続人の見分け方のトピックスはこちら↓

【遺産分割時の法定相続分の計算方法】
【法定相続人とその見分け方】

※遺言があった場合でも、どなたかが遺言執行者に選任されている場合は、遺言執行業務において法定相続人の確定作業及び全法定相続人に遺言執行者就任通知を送ることが義務付けられている為、遺言がある場合でもほとんどの場合は、上記の様な疎遠の相続人には一定のアプローチをしていく必要があります

 

では、前妻の子の住所居所が判明した場合どのような方策が考えられるでしょうか?

相続の専門家であれば、まずはその前妻の子にまずは『お父様がお亡くなりになり、相続手続きにご協力頂けないでしょうか?』更に、『今後の法定相続分の主張等、相続に関しての言い分はございますか?』という内容のお手紙を送付することをご提案していきます。

この手紙の書き方が重要で、しっかりと相手方の法定相続分や相続財産になにが含まれるか等、誠意をもって手紙を書けば円満に相続手続きが進む場合がありますが、手紙の中で相続財産を故意に秘匿したりするなど、ぶしつけな手紙の書きっぷりだと、相手方に不信感を植え付けてしまい、結果として協力をしてもらえない場合が多々あります。

また、いくら誠意のある手紙の内容でも、相手方が後妻一家の事をよく思っていない場合等は、法外な代償金を要求されたり、そもそも手紙を受け取ってもらえない場合も多々あります。

このように、事案が暗礁に乗り上げてしまった場合、どう解決を図れば良いでしょうか?

答えは2つあります。

 

①弁護士に依頼をし、相手方と交渉をしてもらい、相手方の判子を取り付けて貰う。

②遺産分割調停を家庭裁判所に申立て、裁判所を介して話し合いをし遺産分割協議を成立させる。

 

※調停とは裁判所内での話し合いの場であり、家庭裁判所審判官(裁判官)と男女ペアの調停員2名、計3名で構成される調停委員会の主導のもと、紛争を解決に導いていく手続きのことを言います。

①については、依頼される方も一定数いらっしゃいますが、抜本的解決が出来ない場合が多々あると言えます。

弁護士と言えども、相手方の法定相続分を無視した交渉は出来ませんので、相手方に話を突っぱねられてしまうと交渉決裂となります

②については、家庭裁判所は遺産分割調停が申し立てられた場合は、必ずその請求に応じる必要があり、調停が不成立となった場合は自動的に審判(裁判と同義)手続きに移行しなくてはならず、必ず解決の糸口を掴めるといえます。

むしろ、弁護士は交渉が決裂してしまうと遺産分割調停の申立てを必ず提案してきますので、自分の主張をしっかりと言える方、ある程度相続のことが分かっている方については、ご自身で裁判所で何をどう分けたい、何を取得する代わりにお金をいくら支払う等と言った主張を展開されるのをお勧め致します

調停員は、40歳以上の方で社会的に思慮分別のある方が、裁判所に選定されていますので、調停員の意見を互いに聞き入れれば、解決に向かうことも多々出て来ます。

 

当事者同士で、いがみ合い主張しあっていてもらちが明かないと言った場合は、調停制度を利用して、第三者に入ってもらうことで円滑に遺産分割をスムーズに進めることが出来ます

当法人の相続専門チームでは、争続(あらそうぞく)となった場合の遺産分割調停の申立てのサポート、調停の流れのご説明、必要書類の収集精査等もお手伝いさせて頂いております。

疎遠のご相続人がいらっしゃる場合でも、是非お気軽にお問合せ下さい。

相続手続・生前対策をお考えの方は、渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、まずは一度、お早目のご相談をお薦め致します。

 

 

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故人に借金があった!相続放棄を検討する際の債務の調査方法とは? (2021.06.24)

 

 

≪目次≫
1.相続債務の調査
 1-1.信用情報機関への開示請求
 1-2.請求方法
2.郵送物等の調査
 ●消費者金融から被相続人の借金を請求されたら
3.まとめ

1.相続債務の調査

 

お亡くなりになった方を相続すると相続人は、亡くなった方の権利と義務のすべてを承継します。

つまり不動産・預貯金などのプラスの財産だけでなく、借入やローンなどのマイナスの財産も引き継ぐことになります。

亡くなった方に負債がある場合、プラスの財産とマイナス財産どちらが多いのかを調査し、マイナスの財産が多くなる場合には、相続放棄を検討しなければなりません。

借金が明らかに多い場合は相続放棄の手続きをとればいいのですが、「どのくらい借金があるか把握をしたい。」と、通常の相続をするにしても、債務関係は把握しておきたいものですよね。

同居している配偶者に関しては債務状況を把握していることも多いですが、借金がある場合、家族にも隠しておきたい後ろめたさのようなものもある、というのも事実です。

ましてや兄弟相続などの場合は、債務状況などはなかなか知る機会もなく、実際に被相続人が亡くなってから督促状が届き、そこで初めて借金の存在に気付くということも十分考えられます。

以前のトピックスでも解説をしましたが、相続放棄や限定承認は原則3ヶ月間の期間内で行わないといけないため、できるだけ早急に相続財産を調査する必要があります

⇒【相続放棄の流れと必要書類】はこちら

そんな時に活用していくのが、「信用情報調査」です。

今回は相続債務の調査方法について解説をしていきます。

 

1-1.信用情報機関への開示請求

 

銀行、クレジット会社、消費者金融から借入れをしている場合、これらの金融機関には個人の信用情報を管理するための信用情報機関があり、そこで借金などの借入の情報を管理しています

信用情報機関に開示請求をすることにより、お亡くなりになった方がどれくらい借金をしていたかを調査することができます

信用情報機関には下記の3機関があり、それぞれどこにどのくらい借り入れ状況や残高があるか大まかな金額がわかります。

 

①株式会社日本信用情報機構(JICC)

消費者金融系からの借入を調査することができます。

≪外部リンク≫→株式会社日本信用情報機構

 

②株式会社シー・アイ・シー(CIC)

クレジット会社からの借入を調査することができます。

≪外部リンク≫→株式会社シー・アイ・シー

 

③一般社団法人全国銀行協会

銀行からの借入を調査することができます。

≪外部リンク≫一般社団法人全国銀行協会

 

1-2.請求方法

 

基本的には郵送請求になりますが、JICCとCICは窓口での申請も可能です
※窓口の場合も結果については即日発行ではなく、後日郵送になります。

必要な書類は以下です。

 

①開示対象者が亡くなったことが確認できる書類

②申込者が法定相続人であることが確認できる書類

③開示申込書

④1,000円の定額小為替

⑤開示申込者の有効期限内本人確認書類をいづれか2種類
(免許証やマイナンバーカード、パスポート、発行から3カ月以内の戸籍謄本・住民票、健康保険証、年金手帳、など)

⑥開示対象者の電話番号
(過去に使用していた番号なども含めてわかるものすべて)

⑦開示対象者の運転免許証番号(もしあれば)

⑧司法書士や行政書士が手続きをする場合
→委任状、申込者の印鑑登録証明書、各種証明書

 

なお、法務局発行の「法定相続情報一覧図の写し」を提出する場合は、上記の①②は提出不要です。

上記を用意し郵送請求することで、約1~2週間程度で申込者の住所に郵送で届く、という流れになります。

 

2.郵送物等の調査

 

信用情報機関への開示請求では、登録をしている金融機関の情報しか記載されないので、個人からの借入や、いわゆる街金からの借入までは調査することができません

それらからの借入については、遺品の中から借用書等を見つけ契約内容を確認していく必要があります。

また債権から督促状などの書類が届いている場合もありますので、それをもとに調査をしていきます。

●消費者金融から被相続人の借金を請求されたら

 

相続債務を調査している途中で金融機関などから請求があった場合には、その請求に対してお支払いをしてはいけません

一度お支払いをしてしまうと法定単純承認となってしまい、相続放棄ができなくなってしまう可能性があるのです

もし請求があった場合には、『相続放棄を検討中である』と告げるだけにしておきましょう。

 

金融機関にとってみては相続放棄をされてしまうと債務を全く請求できなくなってしまうので、相続放棄の期間である3ヶ月を過ぎてから請求をしてくる場合もありますので注意が必要です。

また3ヶ月経過したからといって100%相続放棄することができなくなるわけではありませんので、督促が来たからといって諦めて支払ってしまうのではなく、まずは専門家に相談をして相続放棄できないかを検討するようにしましょう

なお、1円でも支払ってしまった場合には法定単純承認とみなされて、相続放棄ができなくなってしまう可能性もありますので、専門家のアドバイスを聞くようにしましょう。

3.まとめ

 

◎相続放棄したい場合、3ヶ月以内での手続きが必要
◎故人の債務を調査するには信用情報開示請求で調査していく
◎相続放棄手続き中に金融機関への返済をしてはいけない
◎3ヶ月経過後でも相続放棄が出来る場合もあるので、まずは専門家へ相談

 

故人に借金等があったのかすら把握されていない相続人からのご依頼には、相続に専門特化している当法人が、各種機関に信用情報調査を依頼するところから始めます。

相続手続・生前対策をお考えの方は、渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、まずは一度、お早目のご相談をお薦め致します。

 

 

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家族信託サイト【新着情報】ページを更新しました! (2021.06.24)

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成年後見制度の申し立てのために家庭裁判所に提出する書類 (2021.06.16)

 

 

 

≪目次≫
1.後見申立には様々な書類が必要
2.提出書類一覧
3.各書類の説明
①後見開始申立書
②申立事情説明書
③親族関係図
④本人の財産目録及びその資料
⑤相続財産目録及びその資料
⑥本人の収支予定表及びその資料
⑦後見人候補者事情説明書
⑧親族の意見書(同意書)
⑨医師の診断書及び診断書付票
⑩本人確認情報シート
⑪本人の戸籍謄本
⑫本人の住民票(又は戸籍の附票)
⑬後見人候補者の戸籍謄本
⑭後見人候補者の住民票(又は戸籍の附票)
⑮本人が登記されていないことの証明書
⑯愛の手帳のコピー(お持ちの方のみ)

1.後見申立には様々な書類が必要

 

成年後見制度に関して、家庭裁判所や各福祉機関によって周知活動をしていることもあり、年々制度の名前をご存じの方が増えてきていると感じます。

ご家族が認知症その他によって判断能力が低下してしまった場合に、ご自身で調べられて、家庭裁判所へ申立を行う方もいらっしゃるかと思います。

成年後見人が就任するということは、以後本人に代わって財産管理や、身上監護を行っていくという、本人に重大な変更を伴うため、裁判所も厳格な手続きを要求しています

そのため、提出する書類は多岐にわたります。

今回は、必要書類を一つ一つご紹介していきたいと思います。

 

2.提出書類一覧

 

成年後見の申し立てのために、裁判所には下記の書類を提出する必要があります。

なお、家庭裁判所によって若干異なる部分がありますので、今回は東京家庭裁判所の例をご紹介させていただければと思います。

 

①後見開始申立書
②申立事情説明書
③親族関係図
④本人の財産目録及びその資料
⑤相続財産目録及びその資料
⑥本人の収支予定表及びその資料
⑦後見人候補者事情説明書
⑧親族の意見書(同意書)
⑨医師の診断書及び診断書付票(3か月以内のもの)
⑩本人情報シート

※以上は裁判所にて書式を入手できるものです

 

⑪本人の戸籍謄本(3か月以内のもの)
⑫本人の住民票(又は戸籍の附票)(3か月以内のもの)
⑬後見人候補者の戸籍謄本(3か月以内のもの)
⑭後見人候補者の住民票(又は戸籍の附票)(3か月以内のもの)
⑮本人が登記されていないことの証明書(3か月以内のもの)
⑯(お持ちの方のみ)愛の手帳のコピー

 

細かい点や、提出書類の書式は各家庭裁判所により異なる場合がありますので、事前に確認が必要になります。

 

3.各書類の説明

①後見開始申立書

 

申し立てを行うにあたって、その大元になる申請書になります。

申し立てを行う申立人、後見人を就けたいご本人の記載、及び申立を行う理由、後見人候補者等を記入していきます。

後見人の候補者をご親族(例えば子や配偶者)でと希望される方も多いかと思います。

しかし、裁判所はその候補者を選任するとは限りません。

ご本人の財産の多寡や、今までの看護状況、病状、親族間の意見の相違が無いか等を総合的に判断し、候補者を選任するかを判断していきます。

場合によっては、候補者が選任されたうえで、後見監督人が選任される場合や、後見制度支援信託をするように指示されてしまうこともあります
(こちらについて詳細は別トピックスにてご紹介いたします)

なお、候補者がいない場合には、候補者欄は空欄にて提出します。

その場合、家庭裁判所が所持している候補者名簿から職権で後見人を選任することになり、多くの場合、弁護士や司法書士が選任されます。

 

②申立事情説明書

 

こちらの書面では、ご本人の状況を詳細に記載します。

 

●現在どこに居住しており誰の支援を受けているのか(または受けていないのか)

●施設に入っている場合にはその連絡先

●ご本人の略歴(どの学校を卒業し、どこに勤めていたか等)

●病歴、介護(障害者)認定の区分け

●本人の親族と、その方の後見申立に対する意見(賛成しているか等)

●後見人候補者が後見人にふさわしい理由

 

等々、詳細に記載する必要があります。

ご本人のことを最もよく知っておられる方に記入して頂くのが望ましいといえます。

この書面が最も記入欄が多く、記載をどうすればいいか戸惑われる方が多いようです。

 

③親族関係図

 

ご本人を基準に、相続関係がいかになっているかを記載します。

裁判所は、将来ご本人が亡くなった場合、本人の相続人は何人いて、その方たちが後見申立について承知しているのか、また財産管理・身上監護を行っていくうえで協力を得られる親族がいるのか等の確認をしているものと思われます。

当法人では、後見申立のお手伝いをご依頼を頂いた場合には原則、委任状を頂き、相続関係を把握するための戸籍収集を致します。

相続関係を把握しておくことは、就任後の財産管理・身上監護をスムーズに行い、事後のトラブルを防止防止するとの観点からも重要になってきます。

 

④本人の財産目録及びその資料

 

成年後見人は、基本的にご本人の財産全てを管理することになります。

そこで、申立を行う際に、どのような財産があるのかの一覧が必要になってきます。

財産とは具体的には、預貯金、株式や投資信託や国債等の有価証券、生命保険や損害保険、不動産、債権、その他負債等を項目別に記入していきます。

預貯金は、具体的にどこ銀行のどこ支店にいくらの預金があるという詳細まで記入し、有価証券も銘柄や個数、評価額まで記入します

その他の財産も同様に、詳細に記載が必要になります。

このように、申立を行う際に提出する財産目録には、ご本人の詳細の財産の一切を記入する必要がありますので、申立を行う際には、ご本人の財産の調査が必要になります。

場合によっては、普段から財産を管理している親族に確認したり、ご自宅の中を探したり、郵便物から推察したりする必要も出てくるかと思います。

このように調査しても分からないものに関しては、後見人が就任した後に、後見人が調査することになりますので、現状で分かる範囲で作成していきます。

また、財産に関しては可能な範囲で資料の添付が必要になります。

預金あれば、通帳の写し、有価証券であれば証券の写しや、証券会社等から送られてくる案内書等、不動産であれば不動産の登記事項証明書等が必要になります。

財産を最も把握している親族の方や施設関係者等に確認して、可能な範囲でご本人のすべての財産を把握しなければならないため、財産の多寡によりますが、初めて申立を行う方にとっては大変な作業に感じる方が多いと思います。

しかし、ご本人の意思能力(記憶力)が衰えてしまっているため、後見申立人や後見人が見逃してしまうとご本人の財産が逸失してしまうことにもなりかねないため、しっかりと調査をする必要があります

 

⑤相続財産目録及びその資料

 

こちらは、未分割の相続財産がある場合に記入が必要になる書類です。

例えば、ご本人(女性)の夫が既に3年前に亡くなっていて、ご本人の娘とご本人で預貯金や不動産を相続したが、遺産分割を行っていない場合等に必要になってきます。

遺産分割協議も、後見相当で判断能力が無くなっている場合には、そのままでは行うことができません。

そこで、後見人が就任した後に遺産分割協議を行うのですが、その協議の対象となるであろう財産も目録として作成し、資料と併せて裁判所に提出する必要があります。

これも上記④と記入の仕方に大きな違いはなく、調査が可能な範囲または入手が可能な範囲で、目録の作成・資料の収集が必要になります

 

⑥本人の収支予定表及びその資料

 

こちらは、後見人が就任した後のご本人の収支がどのようになるのかをわかるようにする書類です。

収入がいくらの予定で、支出がいくらの予定か、ということを記入する書類になるのですが、ここでも詳細に記入する必要があります。

収入としては、厚生年金、国民年金、その他の年金、給与、賃料報酬等の項目別に、それぞれいくらもらえる予定なのかを詳細に記載していきます

支出の記載はさらに細かくなります。例を挙げれば、

生活費(食費・日用品・電気ガス水道)、療養費(施設費・入院費・医療費)、住居費(家賃、借地の地代)、税金(固定資産税・所得税・住民税等)、保険料(国民健康保険料・介護保険料・生命保険損害保険料)、等々の要領で、何にいくら支出することが予定されているかを記載していきます

また、収支に関しても可能な範囲で資料の添付が必要になります。

収入については、年金の額がわかる年金通知書のコピー、株式の配当金であれば配当金通知書のコピー等がこれにあたります。

支出については、施設費用のわかる領収書、住居費(例えば住宅ローンや家賃)の領収書や計算書、固定資産税の納税通知書等がこれにあたります。

これらの資料は申立の直近2ヶ月分のものが必要になりますので、申立人の手元に無い資料があれば、持っている親族や施設等の関係各所に話をし、資料をもらっていく必要も出てきます

 

⑦後見人候補者事情説明書

 

この書面は、後見人の候補者を立てて申し立てを行う場合に提出が必要になる書面です。

例えば、母親が認知症を患い、娘が後見人候補者として申し立てを行う場合に必要になります。

仮に、親族が遠方に住んでいるために後見人として活動をすることが難しい場合や、そもそも親族が疎遠になっていて後見人になってもらいたいと頼むことが実質不可能等の理由で、後見人に就任する候補者が不在の場合には、この書面の提出自体不要になります。

後見人候補者事情説明書は、後見人の候補者に関して詳細に記載していきます。

後見人候補者の職業、年収、勤務先、職歴、家族構成、家族の年齢や職業、候補者となった経緯や事情等を記載していきます

なぜこんなプライベートなことまで裁判所に報告しなければならないのかと思われる方も多いと思います。

しかし、これは裁判所がこの候補者を後見人に選任することで、被後見人の利益をしっかりと守ることができるかの適正をみているためです

もちろんこの形式的な情報のみで判断できる部分は限られてくるとは思いますが、例えば、収入がある程度確保されているのであれば、被後見人の利益を侵害する可能性が比較的低いといえるでしょう。

また、家族がいたほうがサポートを受けながら後見業務を行っていける、といえるので問題が少ない等が考えられます。

被後見人本人の利益をしっかり保護するという成年後見制度の趣旨を実現するために、このような詳細な情報を提出する必要があるのです。

 

⑧親族の意見書(同意書)

 

後見申し立てを行う場合に、親族がどのような意向なのかを確認するための書面も併せて提出します。

「親族」は、基本的に被後見人が仮に将来死亡した場合に、相続権のある者が範囲として想定されています。

ただし、申立を行う者(申立人)は、賛成であるのが明らかなので、提出は不要です。

 

例えば申立を考えているXの両親A及びBが健在で、Xには弟Yがいるとし、Aの後見申立をXが行う場合、仮にAが死亡した場合の相続人はB、X、Yなので、裁判所に提出する意見書は、申立人Xを除くB及びYのものとなります。

 

また、例えば子のいないAには、既に亡くなっている姉Bがいて、Bには妻Cと子X、Y、Zがいたとします。

Aの後見申立Xが行う場合、仮にAが死亡した場合の相続人はX、Y、Zなので、裁判所に提出する意見書は、申立人Xを除くY及びZのものとなります。

 

意見書に記載する内容は、

①本人(被後見人)との続柄、本人について後見(保佐・補助)を申立ることについて賛成か反対か

②候補者を立てて申し立てを行う場合には、当該具体的候補者が選任されることについて賛成か反対か

 

の2点です。実際にはチェックボックスにチェックをしていきます。

これは、(将来的に)相続権のある親族間に争いがあると、例えば一部の(将来の)相続人のみで自己に有利な管理をする等により不公平感が増大してしまうことがありえるため、当該候補者を後見人とすることがかえって家族間の争いを助長させてしまう恐れがあるのかどうかをみていると考えられます

本人(被後見人)のための制度であるのに、本人に後見人が就くことで親族間が揉めてしまうことはかえって本人を害する結果となってしまうため、裁判所としても避ける必要があります。

一部の親族の中に、候補者(ある相続人)が就任することに反対の場合には、家庭裁判所としては、弁護士や司法書士等の第三者(専門職)を就任させた方が良いと判断する可能性が高くなると考えられます。

⑨医師の診断書及び診断書付票(3か月以内のもの)

 

後見を申立するにあたり、そもそも被後見人となる方が、後見人を立てる要件に該当する状態なのかに関しては、医師等の専門家でないと判断ができません

つまりご本人の状態が、法律上の文言でいう「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるか否かの判断は、申立を行う親族の意見のみでは不十分であり、医師による診断書をもって裁判所が判断していくことになります

直近の状態のものでないと判断ができないということもあり、基本的には3か月以内作成のものが要求されます。

 

基本的にはかかりつけの医師が最もご本人の状態を把握できると考えられるため、かかりつけの医師にお願いするのが良いと思います。

ただし、全ての医師が精神状態に関しての専門ではないため、かかりつけの内科医等に診断書の作成を断られてしまうこともあるようです。

その場合には、「物忘れ外来」や「認知症鑑別診断」を行っている病院等に問い合わせしてみると、対応してもらえる病院がみつかると思います。

 

なお、本トピックスでは詳細は割愛致しますが、後見よりも弱い「保佐」、「補助」という類型もあり、医師の診断書に基づいてどの類型に該当するのかを判断していくことになります。

保佐は「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である」者、また補助は「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である」者とされています

それぞれ保佐人補助人が家庭裁判所により選任され、後見よりも弱い措置が取られていくことになりますが、こちらは別のトピックスにてご紹介いたします。

この診断書につきましても、家庭裁判所のホームページにファイルが載っておりますので、印刷したうえで医師に記入をお願いするということになります。

外部サイト⇒家庭裁判所ホームページ「成年後見制度における鑑定書・診断書作成の手引」

 

内容は、診断名(病名)や、重症度、検査をした際の点数(例えば長谷川式の認知症テスト等)、脳の萎縮や損傷の有無、回復の可能性などを記入してもらいます。

また、診断書内に

①「契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができる。」

②「支援を受けなければ,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することが難しい場合がある。」

③「支援を受けなければ,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができない。」

④「支援を受けても,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができない。」

 

という項目があり、どれに該当するかをチェックボックスにチェックするというものがあります。

基本的に④については後見相当、③については保佐相当、②については補助相当、①についてはどれも不要ということになり、とても重要な項目となります

こちらのチェックにてすべてが判断されるわけではありませんが、それを覆すようなものが他の記載から読み取れない限り、上記のような判断を裁判所も踏襲することになるでしょう。

その他、

●他人との意思疎通の障害の有無

●理解力・判断力の障害の有無

●記憶力の障害の有無

 

についても、4段階でチェックするという項目もあります。

そもそも後見申立が必要な状態なのかを知りたいという場合には(診断書作成の費用を医師に支払う必要はでてきてしまいますが)この診断書の記入を医師にお願いし、上記項目等を参照して、申立を行う必要があるのかをご判断いただくという方法も良いでしょう。

また、診断書には「診断書付票」という書面も同時に医師に記入してもらいます。

 

後見申立が行われ、家庭裁判所が診断書等提出された書類をもっても「後見」「保佐」「補助」のどの類型を選択するべきかの判断がつかないこともあります。

そこで、そのような場合には、家庭裁判所の職権で、鑑定というものが行われます。

これは、家庭裁判所が選任した医師によって、より詳細に本人の状態を把握し、診断していくというものになります。

上記「診断書付票」には、仮に鑑定を行うことになった場合に、引き受けてもらえるか否か、またその場合にかかる期間や報酬額を記載してもらうものになります

家庭裁判所はこちらの記載も参考にしたうえで、鑑定を行う場合にはこの診断書を記載してもらった医師に依頼するか、別の医師に依頼するのかを決めていきます。

 

⑩本人確認情報シート

 

後見申立を行う際には、医師による診断書を提出することで、ご本人の状態を家庭裁判所が判断しますが、この医師の診断書の補足資料として、「本人情報シート」を提出していきます。

基本的にご本人の普段の様子等を記入していく書類になります。

まずは形式的な部分で、現在どちらにいるのか(ご自宅なのか施設なのか病院なのか)、施設や病院でしたらその名称や所在介護認定や障害者認定等の該当区分認定日等を記載していきます。

次に、実質的な部分で、普段の生活の中で身体的な支援が必要か、またどの程度の支援が必要か、それに伴って今後の支援体制としてどのようなことが必要になってくるのかを記入していきます。

また、認知機能の程度として、日常的な意思伝達能力の程度日常生活の短期的記憶能力の程度家族を認識できるか等を記入していきます。

その他、下記のような内容を記入していきます。

 

 

●日常生活上支援が必要な行為

●地域社会との交流の頻度

●金銭の管理を現在どのように行っているのか

●今後生じうる課題

●ご本人に裁判所の手続きをすることについて説明しているのか
(又は認知症の程度が重度で、説明しても理解できないので説明していないのか)

●本人にとって望ましい日常生活及びそれに関する課題と解決策等

 

 

内容としては記入が簡単ではないうえ、日常的にご本人にある程度関わっていないと記入できないものと言えます。

そこでこちらの書類については、基本的には福祉関係者に作成してもらうことになります。

明確に決まりがあるわけではありませんが、例えば自宅にて訪問介護をうけている方であればケアマネージャーの方、病院に長期に入院中の方でしたら、病院にいる相談員ケースワーカーソーシャルワーカー)等に記入してもらうことになります。

なお、こちらの書類は提出が義務ではなく、可能な限り提出が求められている書類になります

これは、例えばご本人の配偶者の方がご自宅で介護をされていて、ヘルパーさんも頼まれていらっしゃらず、入院もしていなくて、書いてもらえる方がいない場合も想定されるからです。

この場合には、提出が義務になっている②申立事情説明書において、ほとんど同じような項目があります。

そして、本人情報シートを提出すれば、申立事情説明書のこの項目についての記載は省略できる、との構成になっています

逆に言えば、本人情報シートの記入を福祉関係者に依頼できない場合には、申立を行う方(例えば本人の配偶者や子等)が申立事情説明書に当該項目を詳細に記入する事で、本人情報シートの提出は不要になります。

本人情報シートの記入を福祉関係者に依頼できる場合には、本人情報シートを福祉関係者に記入して頂き提出する代わりに、申立を行う方(例えば本人の配偶者や子等)の申立事情説明書の当該項目の詳細な記載は免除されるということになります。

裁判所からすれば、医師の診断書ももちろん重要ですが、ご本人の近くにいて、日常生活を実際に見ている方に様子を聞くことで判断材料にしていく、という点を考慮すると重要な書類であるといえます。

余談となりますが、この書類作成を通して、日常生活がどの程度可能で、どのような支援が必要なのか等、改めてよく考えてみていただき、ご本人にとって何が最良な環境なのか(在宅介護なのか施設入所なのか、どの程度支援が必要な施設を選択するか等々)を改めて考えていく良い機会ともなるでしょう

 

⑪本人の戸籍謄本
⑫本人の住民票(又は戸籍の附票)
⑬後見人候補者の戸籍謄本
⑭後見人候補者の住民票(又は戸籍の附票)
※すべて3ヶ月以内のもの

 

成年後見を申し立てる際に、被後見人予定者や後見人候補者に関して、何通か提出しなければならない証明書があります。

申立書類を受領した裁判所としては、被後見人予定者や後見人となる候補者の方が、実在する人物なのか、またどこに居住しているのかを確認するため、公的な証明書類が要求されます

まず、被後見人予定者本人の戸籍住民票(または戸籍の附票)です。

直近のものの証明書が要求されますので、どちらも発行後3か月以内のものを提出する必要があります。

 

また、住民票に関しては戸籍の附票にて代用が可能ですが、戸籍の附票という書類はあまりなじみのある書類ではないかと思います。

簡単にご説明すると、今現在の本籍にいる期間について、その期間内に住所を移転した遍歴を、全て記載した書類になります。

余談ですが、本籍は結婚や養子になる等以外で変更しない方が多いため、頻繁にお引越しされている方が住所遍歴を証明するためには非常に便利な証明書かと思います。

こちらも住民票と同じく、住所を証明する書類ですので、住民票の代わりになるということです。

 

住民票に関しては、マイナンバー(個人番号)を載せることができるようになっておりますが、裁判所はマイナンバーを記載した書類の受領ができないため、マイナンバーは省略したものを取得する必要がありますので注意が必要です

また、後見人候補者をあらかじめ指名して申し立てを行う場合、当該後見人候補者の戸籍謄本と、住民票(または戸籍の附票)も提出する必要があります。

こちらに関しても、期限の3か月、マイナンバーを載せたものは使用できない点は、被後見人本人の戸籍、住民票と同じですので、注意が必要です。

また、住民票はやはり戸籍の附票にて代用可能です。

 

⑮本人が登記されていないことの証明書
(3か月以内のもの)

 

この書類は、既に後見制度を利用していて、後見人等が就任している方に対し、二重で選任されることのないように、提出が求められています

従いまして、「被後見人予定者の方」に関して、後見/保佐/補助/任意後見について既に「登記されていないことの証明書」を提出することになります

こちらの書類は、(東京23区の場合)東京法務局の後見登録課に対して発行を依頼するものになります。

登記されていないことの証明書」の請求をする際に、「どの登記」がされていないことを証明する必要があるか、を発行請求書に記載することになるのですが、先述のとおり、「後見/保佐/補助/任意後見について」が求められていますので、一部でも欠けていると証明書を取得し直しとなってしまいます

そのため、取得請求書を記載する際は必ず「後見/保佐/補助/任意後見」の全てと記載(またはチェックボックスにチェック)してください

 

⑯愛の手帳のコピー(お持ちの方のみ)

 

こちらは知的障害のある方が被後見人予定者となる場合、お持ちでしたらこちらのコピーも提出書類となっておりますので、併せて提出する必要がございます。

 

後見申立を行う際に家庭裁判所に提出する書類のご説明は以上となります。


成年後見の申し立ては、収集する書類が多く、一般的になじみの薄い手続きですので、ご自身で行うのは時間と労力がかなりかかってくると思います。

司法書士法人鴨宮パートナーズでは、制度について何もご存知なくても、一から丁寧にご説明させて頂きまして、書類の収集代理・提出書類の記入代理、さらに家庭裁判所との連絡も当法人にて致します。

成年後見の申し立て手続きをお考えの方は、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズにお気軽にご相談下さい。

 

お気軽にご相談ください。

相続のキホン⑦ ~譲渡所得とは~ (2021.06.09)

 

 

 

≪目次≫
1.譲渡所得とは?
2.主な費用の詳細について
3.税率について

 

 

相続』という一言の中に、様々な法律や用語、考え方が登場します。

これまでに多くのトピックスを掲載しましたが、「そもそも、これってどんな考え方なの?」と疑問に思う方も、実は大多数いらっしゃるのではないでしょうか。

今回から不定期で『相続のキホン』とも呼べる法律や用語について取り上げていきたいと思います。

 

1.譲渡所得とは??

 

 

両親が亡くなり実家を相続したが、現状すでに空き家であったり、固定資産税がかかるため売却を検討される方もいるかと思います。

相続で不動産を取得すると、相続税がかかる可能性がある事は多くの人に知られてはいますが、実は不動産を売却した際にも税金がかかる場合があります

今回は相続した不動産を売却する際の税金について、解説をしていきます。

不動産の売却により利益が発生した場合、その売却益を『譲渡所得』といい、税金がかかります。

譲渡所得は売却代金そのものではなく、売却代金から必要経費を差し引いた金額に税金がかかります

ここでいう必要経費とは、

 

①売却した不動産の購入時の代金とかかった費用(取得費)
※相続と贈与で不動産を取得した場合、①を必要経費とする事が出来ます。

②売却にかかった費用(譲渡費用)

 

のことを指します。

この計算でマイナスとなった場合、譲渡所得税はかかりません

土地の取得費については購入代金そのままで計算しますが、建物の場合、所有期間に応じて原価償却費相当額を差し引いた金額が取得費になります

古くから持ち家などで取得費が分からない場合には、売却代金の5%を取得費とすることができます。

売却代金-(①取得費+②譲渡費用)=譲渡所得

 

2.主な費用の詳細と税率について

 

 

費用の詳細は以下のようなものがあります。

 

主な取得費

●購入代金や建築代金

●取得の際に支払った仲介手数料

●契約書の印紙税

●取得の際の登記費用

●不動産取得税

 

主な譲渡費用

●売却の際の仲介手数料

●契約書の印紙税

●建物取り壊しの費用

3.税率について

 

譲渡所得は、所有期間に応じて長期譲渡所得短期譲渡所得に分かれます。

売却した年の1月1日時点所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得となり税率は20%5年以下なら短期譲渡所得となり税率は39%となります

長期譲渡所得と短期譲渡所得のいずれも復興特別所得税が上乗せされ、

 

長期譲渡所得:39.63%

短期譲渡所得:20.315%

 

となります。

譲渡所得には様々な特例が設けられておりますが、今回は相続に特有な特例をみていきたいと思います。

 

空き家の3000万円特別控除

 

相続で空き家となった家を売却した場合には、譲渡所得の特例が設けられています。

被相続人の家を売却した場合で一定要件を満たしたときには、譲渡所得から3000万円を差し引くことができます

この特例を『空き家の3000万円特別控除といいます。

平成30年の調査では、総住宅の13.6%が空き家であるという調査が出ており、空き家の増加を防止するためこの特例が設けられました。

 

要件

①昭和56年5月31日以前に建築された建物であること

②被相続人が亡くなる直前まで居住していた建物であること

③相続開始から売却の時まで、賃貸したり、相続人が居住したりしていない

④一定の耐震基準に適合していること又は建物解体後の売却であること

⑤売却代金が1億円以下であること

⑥配偶者や生計を共にする親族などへの売却でないこと

⑦相続開始から3年目の12月31日までに売却をすること

 

 

②について、被相続人が老人ホームなどに入居していた場合には、次の要件を満たせば対象とされることとの改正がされました。

●被相続人が要介護認定を受け、かつ相続開始直前まで老人ホームなどへ入居していたこと

●被相続人老人ホームなどに入居したときから相続開始の直前まで、その家が被相続人によって一定の使用がなされていて、かつ事業や貸し付け、被相続人以外の者に居住用に利用されていないこと

これはつまり老人ホーム等に入居はしているものの、被相続人がいつでも戻ってこられる状態にあったということが条件となっています。

 

 


いかがでしたでしょうか。

このように被相続人の不動産を売却する場合にも、いくつもの税金の知識が必要になってきます。

当法人では、相続税法等の周辺知識にも明るい相続専門チームが、業界トップクラスの税理士法人・事務所と共にサポートさせていただいております。

お困りの際は是非一度、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談下さい。

 

 

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相続のキホン① ~代襲相続とは~ (2021.06.02)

 

 

 

≪目次≫
1.代襲相続とは?
1-1.代襲相続が発生するケース
1-2.被代襲者が被相続人の子である場合
1-3.被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合
2.代襲相続はどこまで起こる?
2-1.子どもや孫等の直系卑属が相続人の場合
2-2.兄弟姉妹が相続人の場合
2-3.被相続人が養子縁組をしていた場合
2-4.被代襲者が被相続人の配偶者である場合
3.代襲相続人の相続分
4.相続放棄・相続欠格・廃除の場合、どうなる?

 

 

相続』という一言の中に、様々な法律や用語、考え方が登場します。

これまでに多くのトピックスを掲載しましたが、「そもそも、これってどんな考え方なの?」と疑問に思う方も、実は大多数いらっしゃるのではないでしょうか。

今回から不定期で『相続のキホン』とも呼べる法律や用語について取り上げていきたいと思います。

 

1.代襲相続とは??

 

代襲相続とは、本来であれば相続人である人が、被相続人よりも以前に死亡していた場合に、その方の子供(養子含む)が代わりに相続人になることです

相続人の中に死亡している人がいたら代襲相続が発生する可能性がありますが、相続人が子どもか兄弟姉妹かにより代襲相続の範囲が異なるので正しい知識を持っておきましょう。

今回はパターン別に代襲相続がどこまで起こるのかを解説していきますので、相続人の範囲を確定できず迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

 

1-1.代襲相続が発生するケース

 

被相続人の配偶者は、常に相続人となりますが、その他にも被相続人の子、直系尊属(通常、父母)、兄弟姉妹がいる場合には、この順番に従い、相続人となります。

なお、被相続人の父母がすでに死亡しているものの、被相続人の祖父母が生きている場合には、祖父母が相続することになりますが、こちらは代襲相続とは区別されています。

 

1-2.被代襲者が被相続人の子である場合

 

代表的な例としてパターン①を見てみましょう。

Aが被相続人である場合、本来の相続人はBとCです。

しかし、図のようにBがAよりも以前に亡くなっていた場合は、死亡している人は相続人となることができないので、EがBの代わりに相続人になります

代襲される人(上記例ではC)のことを被代襲者といい、代襲する人(上記例ではE)のことを代襲者と言います。

 

1-3.被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合

 

パターン②のように被相続人のにあたる両親が既に亡くなっている状況で、兄弟姉妹にあたる相続人のBが先に亡くなっている場合、CがBを代襲してAの相続人になります

実際には、養子や認知した子が登場する場合など、複雑な親族関係となっていることも多々あります。

そのような場合には司法書士等の専門家に相談した方がよいでしょう。

 

2.代襲相続はどこまで起こる?

 

2-1.子どもや孫等の直系卑属が相続人の場合

 

数は多くないですが、ご長寿家系で子・孫が先に亡くなっているケースも実在します。

パターン③のように、CとEがともにAよりも先に亡くなっていた場合には、Eの子Fが代襲相続によってAの相続人となります。

このように、被相続人の子や孫といった直系卑属において代襲相続が生じる場合には、直系卑属が連続する限り代襲相続が続くことになります

 

2-2.兄弟姉妹が相続人の場合

 

被代襲者が被相続人の兄弟姉妹である場合、代襲相続は一代に限って起こり、その後の再代襲はありません

Aよりも先にBが亡くなっていた場合、Bの子のDは代襲相続によって相続人となることができます。

しかしパターン④のように、Aよりも以前にBとDがともに亡くなっていた場合でも、Dの子のFはAの相続人になることができません

このように、被相続人の子が相続人となるはずであった場合と、兄弟姉妹が相続人となるはずであった場合では、代襲相続が生じる範囲が異なるので注意が必要です。

 

2-3.被相続人が養子縁組をしていた場合

 

被相続人が養子縁組をしており、その養子がすでに死亡していた場合に、その養子の子が代襲相続をするかは養子の子が生まれた時期により異なります

 

養子縁組の日より前に養子の子として生まれた者は、養親との間に血族関係は生じません

従って養親の直系卑属にあたらず、養子が先に亡くなっていても代襲相続は発生しません

一方、養子縁組の日以降に養子の子として生まれた者は、既に養子は通常の子と同様に養親との間に血族関係が生じているため、養子の子もまた養親の直系卑属(=孫)となり、代襲相続が発生します

 

2-4.被代襲者が被相続人の配偶者である場合

 

パターン⑤のケースを見てみましょう。

両親が先に亡くなっていて、被相続人Eの配偶者Bも先に亡くなっています。

一見するとCがBを代襲してEの相続人になれそうですが、CとEの間に養子縁組をした形跡が無い場合、血縁関係にはありません

このような場合には、CはBの代襲相続人となる事は出来ませんので、代襲相続は発生せず、第三順位のAが単独で相続する形となります。

 

3.代襲相続人の相続分

 

代襲相続人は被代襲者と同じ地位で相続人となります。

例えば、2分の1の相続分を持つCが先に亡くなっていた為に、孫であるEが代襲相続する場合には、Eの相続分は2分の1となります。

孫が2人いる場合には、2分の1を2分の1ずつに分けるので、それぞれの孫の相続分は4分の1となります。

つまり、代襲相続人の数が多くなれば、その分、1人の相続分は少なくなります

 

4.相続放棄・相続欠格・廃除の場合

 

代襲相続は、下記の場合に発生します。

①本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹が相続発生時に「死亡」していた場合

②本来相続人となる被相続人の子又は兄弟姉妹に「欠格」事由がある場合

③本来相続人となるべき子が「廃除」された場合

 

②、③の場合には、被代襲者は相続人の地位を失います、その相続人の属人的な行為に基づく効果であり、その相続人の子は相続人の地位を失いません

②の「欠格」事由には、

a)被相続人や先順位の相続人を死亡させた

b)被相続人に対する詐欺や脅迫により、遺言を撤回、変更させたりするなど遺言に対して不当な干渉を行った

ことが含まれます。(民法891条各号参照)

 

③「廃除」されるのは、相続人が

a)被相続人に対して虐待や重大な侮辱を与えた場合

b)著しい非行を行っていた場合

となります。著しい非行には、被相続人の家族に対する継続的な暴力なども含むとされています。

 

なお、廃除は遺留分を含めた相続権を奪うものなので、廃除の対象となるのは、遺留分を有する相続人に限られており、遺留分を有しない被相続人の兄弟姉妹が廃除されることはありません

例えば、被相続人が遺言において、「相続人となる兄弟姉妹から虐待を受けたために一切の財産を相続させない」との意思表示をしていても、これは廃除の意思表示ではなく、単なる遺産の分割割合を指定しているにすぎず、その兄弟姉妹の子が代襲相続することにはなりません。

 

また、注意しなければならないのは、被代襲者が相続放棄をしていた場合には、その子は代襲相続によって相続人となることはできない、という点です。

相続放棄をした人は、はじめから相続人ではなかったことなるからです

 


いかがでしたでしょうか。

このように、相続関係を把握するには、細かな法律判断が必要になってくることがあり、相続税申告の有無を判断する際にも大きな影響を与えます。

代襲相続が起こっている場合には、代襲相続人の相続分が判断しにくくなっていたり、相続人の調査や遺産分割に手間がかかったりと、対応に迷ってしまう方もいるかと思います。

 

当法人では、専門の相続チームが初回面談を行い、適切なヒアリングからまずは相続税申告が必要が否かを素早くご判断させて頂いております。

相続関係、相続人の範囲、法定相続分、遺産分割の方法等些細なことでもかまいませんので、お困りの際は是非一度、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

意外と難しい戸籍収集 (2021.05.18)

 

 

≪目次≫
1.戸籍と相続手続の関係とは
2.戸籍の種類
3.戸籍の名称
4.読みづらい戸籍
5.取得方法
6.戸籍を取得できない場合
7.郵送での戸籍請求

1.戸籍と相続手続の関係とは

戸籍とは、端的に言えば、本籍地や法定の家族関係などを証明するものです。

戸籍には、その人の本籍地、生年月日、婚姻日(婚姻歴)、死亡日、両親の名前、子供の名前などが記載されています。

一般に金融機関や法務局の相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍や、相続人の現在戸籍等が必要になります。

今、相続手続をしたいと依頼されてきた方が、本当に亡くなった方の相続人なのか、そもそも本当に口座等の名義人が亡くなっているのか等を確認するには、公的書面である戸籍を確認する必要があるからです。

しかし、一言に戸籍が必要と言ったところで、配偶者や生前に親しかった親族でさえ、被相続人の出生から死亡までの本籍地を把握していることはなかなか考えにくく、一般的には現在の戸籍(亡くなった時点での戸籍)に記載されている転籍履歴や、改正の有無などを頼りに戸籍を遡りながらながら、古い戸籍を取得していきます。

当法人にご相談にいらした方でも、『戸籍の取得位は自分でやるから大丈夫!』と仰っていたのですが、その後1ヶ月程経過してから、『やっぱり、先生の所で戸籍も含めてすべてお願いできるかしら?』と再度ご来所されるケースは、実はそう少なくありません。

 

2.戸籍の種類

戸籍には種類があります。それぞれ、謄本とうほん)と抄本しょうほん)と呼ばれています。

謄本とは、その戸籍に載っている全部(全員)の情報を記載したもので、全部事項証明書ともいいます。

それに対し、抄本とは、その戸籍に載っている情報のうち、一部(一人)について記載されたもので、個人事項証明書ともいわれるものです。

どちらも記載されている情報に差異はありませんが、用途によってどちらを取得するべきなのか、注意が必要です

不特定の法定相続人がいるかもしれない相続手続においては、戸籍謄本を取得する方が確実です

 

3.戸籍の名称

ひと言で戸籍と呼んでいても、その状態や状況によって名称が変わってきます。

その呼び名は大きく分けて、『戸籍(現在戸籍)、改製原戸籍、除籍』とあり、これらはすべて戸籍と呼ばれるものです。

一般的には現在戸籍を指すことが多いですが、状況によってどの戸籍を指すのかが重要となります。

相続手続において戸籍と言った場合、現在戸籍のみならず、改製原戸籍や除籍などの古いものについても含まれるわけです

 

◆除籍◆
除籍とは、婚姻、離婚、死亡、転籍などによって、その戸籍に在籍している人が誰もいなくなった状態の戸籍です。

◆改製原戸籍◆
例えば、民法の改正により、

・戸籍の記載事項が変更になった
・手書きであったものが電子化され、印字のものに変更された
・縦書きであったものが横書きに変更された

など、戸籍の記載方法などが法律によって変更されることがあります。

明治時代に戸籍制度ができてから、現在に至るまで、4~5回の変更がありました。

改製後の戸籍では記載方法が異なるため、改正前の戸籍の情報をそのまま記載することはできません。

従って、法律が改正されると新しい型の戸籍をつくりそれを現在の戸籍とし、改正前の戸籍は閉鎖されます。

この改正によって閉鎖された戸籍を改正原戸籍といいます。

戸籍の読み方に関しては別のトピックスにて取り上げておりますので、そちらをご確認下さい。

【相続のキホン⑤ ~戸籍の読み方~ 】

 

4.読みづらい戸籍

戸籍の記載は古くなればなるほど読みづらい事が多く、昭和初期以前の戸籍になると、旧字が使われており、数字の記載に関しても現在のようなアラビア数字ではなく、「壱、弐、参、、」といった記載になります。

また、古い戸籍は手書きで書かれており、字そのものが読めないといったこともしばしばあります。

(普段から戸籍を読み慣れている私共でさえ、『よくこの字でOK出したな。。。』と思ってしまう字体が多々あります。これも統一された印字で読み慣れてしまった現代人の弊害とでも呼ぶべきでしょうか。。?)

このように、戸籍を判別しながら遡って、時には前後の表記から推測してまで戸籍収集をしていくことは、思った以上に時間と手間がかかります

 

戸籍は家族単位で構成されており、結婚をすると新たな戸籍が編製され、籍を移すことになります。

また離婚をした場合、婚姻によって姓を変えた方は、親の戸籍に戻るか、新たに自分の戸籍を作り入籍します。

婚姻や離婚をしている場合には、取得しなければならない戸籍の数がその分多くなります。

(旧姓の親の戸籍に戻った場合、その方の名前が、婚姻前⇒離婚後と二度表記されることになります。流し読みで婚姻前の名前を見逃すと、その後の婚姻中の戸籍を見落としてしまう事がありますので注意しましょう。)

他にも、例えば現住所に本籍地を変更した場合には、戸籍は本籍地で管理しているため、新たな本籍地に新たな戸籍が編製されます。

そして、もともと戸籍があった旧本籍地の戸籍は除籍簿に入ることとなります。相続手続には被相続人の記載される戸籍全てが必要になりますので、取得が大変なのです。

 

5.取得方法

戸籍は本籍の置かれている役所で取得します。

被相続人が婚姻や転籍を複数回していると、それぞれの本籍地に戸籍の請求をしなければなりません。場合によっては全国の役所に請求をすることになります。

役所に行くことが難しい場合、郵送によっても戸籍を取得する事ができますが、郵送での戸籍取得はその場で役所の人とのやり取りをすることができません。

そのため、

「取得したいものが違った」

「必要な書類が抜けていた」

等の不手際があると、同じ管轄で何度も郵送のやり取りが必要になる事もあります。

また、郵送での請求は、一回のやりとりに、早くても1週間程かかると考えた方がよいでしょう。

役所によって手続きの仕方が若干異なる場合もあり、そういったことも戸籍取得の難しさを助長しているように思えます。

戸籍を取得しようとしている相続人と被相続人の関係性で、必要となる書類も変わってきます

同じ戸籍内の親子であれば自分の戸籍に被相続人の除籍が記載されますが、例えば相続人が甥・姪であった場合(両親・祖父母が先死亡)などは、まずご自身の戸籍⇒両親との関係⇒祖父母との関係(この辺りでようやく被相続人の名前が出てくることになります)と被相続人との関係性を示すまでにもかなりの戸籍が必要となります。

 

6.戸籍を取得できない場合

被相続人の出生まで戸籍を遡るとなると、状況によりかなり昔の戸籍まで取得する事になります。

場合によっては、戸籍を取得できないケースが出てきます。原因としては、戸籍が戦争または震災によって焼失していることなどが挙げられますが、その場合には、相続手続を申請する先の機関に確認をしながら手続きを進めなければなりません

通常は、役所から焼失証明書破棄証明書という証明書を発行してもらい、それを添付して相談をしていく事になります。

 

7.郵送での戸籍請求

本籍地が近くであれば、直接役所の窓口で請求することができますが、本籍地が遠方など直接窓口に行くことができないこともあります。

そのような場合には、郵送で戸籍を請求することができます。

基本的には請求書、手数料、本人確認書類、切手を貼った返信用封筒など必要な書類を送れば問題ありません。

上記の書類を郵送で役所へ送れば1週間程度で返送してくれます。

 

必要書類


①請求書

交付請求書は、各市町村によって異なります。この請求書は役所のホームページから印刷をすることができます。

 

②請求者の本人確認書類の写し

運転免許証、マイナンバーカードなどが該当します。

代理人が請求する場合には、代理人本人の確認書類のコピーが必要です。

 

③被相続人の死亡を確認できる戸籍

請求する役所に死亡を確認できる戸籍がある場合には不要です。

 

④請求者と被相続人の関係を確認することができる戸籍の写し

同じ戸籍に入っている場合には不要ですが、違う戸籍の場合、請求者と被相続人が同一戸籍に入っていた経緯が分かるところまでの戸籍のコピーを添える必要があります

例えば結婚して夫の戸籍に入っている次女の方が、独身の長男の相続手続きをする事になった場合、次女の現在の戸籍(戸主:夫)から遡って、婚姻前の戸籍(戸主:両親のどちらか)で長男の記載がある戸籍までのコピーが必要です。

 

⑤切手を貼った返信用封筒

 

⑥手数料

郵送で戸籍を請求する場合、手数料は郵便小為替で納付をします。

手数料は役所によって若干違う場合があるので、事前にホームページ等で確認をしておいた方がいいでしょう。

戸籍が何通出てくるかわからない場合は、多めに入れておけばお釣りを出してくれます。(但しお釣りも郵便小為替で帰ってきます。)

※定額小為替は、郵便局で購入することができます。

300円、450円、700円などの種類があり、1枚の定額小為替を購入するのに手数料が100円かかります。

 

⑦委任状(代理人が請求する場合)

一般的には、全国どの市区町村役場でも提出する書類は同じですが、市区町村によっては取り扱いが若干異なる場合がありますので、事前によく確認しておきましょう。

 


いかがでしたでしょうか。だいぶネガティブな表現になってしまったかと思いますが、状況により、かなり面倒なケースが出てくることも事実です。

ご遺産によって相続税申告が生じる場合、お亡くなりになってから10ヶ月以内にご葬儀、戸籍収集、遺産分割、納税申告、、とやらなければならない事が多々あり、今回の戸籍収集はご認識頂けたように時間も手間も取られる、なかなかに厄介な存在です。

当法人では、相続登記や預貯金解約等の相続手続の一環として、戸籍収集や法定相続情報の取得も承っております。

普段から見慣れていないなかで、ご自身でご取得可能なのか、一括してお任せいただいた方がよいのかも含め、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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