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相続人になれなくなってしまう行為 (2021.04.21)

 

 

≪目次≫

1.相続人になれなくなってしまう行為が存在する
2.相続欠格事由
3.被相続人よる相続人の廃除

 

1.相続人になれなくなってしまう行為が存在する

 

お亡くなりになった方の相続人は民法により定められております。

相続人は基本的には、配偶者、子ども、親、兄弟のいずれかになりますが、本来相続人となる人が既にお亡くなりになられていたり、相続人が相続放棄をしてしまうと相続人はそれによって変更してきます。

このように相続人は状況によって多少変化しますが、民法に法定されている者が相続人になることには変わりありません。

参照:【法定相続人とその見分け方】

ところで民法には相続人となる人が定められていますが、逆に相続人となれなくなってしまう行為も定められています

今回は、この『相続人になることが出来なくなってしまう行為』について解説していきと思います。

 

2.相続欠格事由

 

本来相続人になる人が相続人になれなくなってしまうことを相続欠格と言い、その相続欠格にあたる行為を相続欠格事由と言います。

 

①詐欺又は強迫によって、被相続人が相続人に関する遺言をし、撤回し、取消、又は変更することを妨げた者

②詐欺又は強迫によって、被相続人に相続人関する遺言をさせ、撤回させ、取消させ、又は変更させた者

③相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

④故意に被相続人又は相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処された者

 

上記のいずれかの行為を行った相続人等は相続人になる資格を失います。

簡単に言うと被相続人が遺言すること、遺言を撤回すること、遺言を取り消すことを詐欺、強迫によって妨げた者が①の行為になります

一見悪質な行為に見えますが、詐欺により遺言の妨害をしてしまうことは、うっかり相続人がやってしまっていることも十分あり得ます。

軽率に嘘偽りを使って遺言書を書かせたり、変更させたりする事で、自ら相続人としての地位を失ってしまうような事はやめましょう。

 

②は①の逆で、詐欺や強迫により遺言書を書かせ、撤回させ、取り消させることです

例えば、兄が弟のあることないことをでっち上げ言葉巧みに騙したり、父親を脅して遺言書を書かせたり、といった行為が該当します。

 

③は遺言書を勝手に書き換えたり、捨てたりしてしまうことです

相続発生後に故人の遺品を整理していたら自分が最初に遺言書を見つけ、自分に不都合な内容であるから破棄してしまおう、と考えてしまうかもしれません。

しかし、その行為により相続人の資格を失ってしまうこともあり得るのです。

これら3つの行為は、無条件で相続人になれなくなってしまいますので、十分気を付けた方が良いでしょう。

 

④については言わずもがなで、明らかに相続人になれなくなってしまうことが想像できますよね。

なお、相続欠格事由に関しては別のトピックスでも取り上げておりますので、併せてこちらもご覧ください・

⇒【相続欠格事例】はこちら

 

3.被相続人よる相続人の廃除

 

相続人の行為により相続人になる資格を失ってしまう相続欠格ですが、被相続人の意思によっても相続人の資格を失わせることができます

これを相続人の廃除といいます

 

≪民法第892条より≫

遺留分を有する推定相続人が、

①被相続人に対して虐待する

②被相続人に対して重大な侮辱を加える

③著しい非行がある

これらの行為があった時、被相続人は相続人の廃除をすることができます

 

ただし、被相続人が相続人を廃除するためには、家庭裁判所の審判が必要となります

廃除は家庭裁判所の審判によって効力が生じます。

被相続人に暴力を振るっていたり、それに等しい侮辱をしていたり、また相続人の非行が顕著な場合に認められますが、軽度の場合には廃除は認められにくいのが家庭裁判所の対応の実態です

廃除の対象となるのは遺留分を有する相続人ですので、遺留分のない兄弟姉妹は廃除の対象となりません

兄弟姉妹に相続をさせてたくないのであれば、遺言によって兄弟姉妹以外に遺贈又は相続をさせる事で結果的に相続人の資格をはく奪することができるので、兄弟姉妹は廃除の対象とされていません。

廃除が認められると廃除させた旨が戸籍に記載されるので、廃除された相続人は手続きを行うことができません。

 

 


このように、被相続人の生前の意思により、相続人の資格を失わせることができます。

相続欠格もそうですが、考えもなしに軽率な行動をしてしまう事で、思わぬ行為により相続人の資格を失う場合がある事を十分に理解しておきましょう。

相続・生前対策をお考えになる上で、場合によってはなかなか周囲の親族に相談出来ないようなケースもあると思います。

当法人では、経験豊富な司法書士が専門チームを組んで相続手続きをサポート致します。

お困りごとがございましたら是非一度、目黒区学芸大学駅、渋谷区マークシティの司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

遺言書で代償分割を指定する場合のメリットとは? (2021.04.14)

 

 

≪目次≫

1.『代償分割』の基本知識
①代償金とは
②代償分割すべきケースとは
2.代償金の計算方法
①遺産の評価
②各相続人の法定相続分を計算
③代償金額を計算
④代償金の支払いを遺言書で指定する
3.遺言書で代償金による分割を指定すべきケース
①遺言書で代償分割を指定するための書式
②無効にならないよう、要注意!

 

 


1.『代償分割』の基本知識

 

以前のトピックスで、遺産分割の方法・遺言の書き方について触れて来ました。

⇒『遺産分割の方法』はこちら

今回は、遺言で代償分割を指定するメリットをご紹介していきたいと思います。

 

複数の相続人がいるときに不動産を1人の相続人へ相続させると、他の相続人との間で不公平が生じてしまいます。

相続争いのリスクが心配になるでしょう。

そんなときには「代償金」の支払いによって解決できる可能性があります

遺言書で代償金の支払いを指定する際のポイントをまとめました。

 

①代償金とは

 

そもそも「代償金」とはどういったお金なのでしょうか?

代償金とは、特定の遺産を相続する人が、遺産を受け継ぐ代わりに他の相続人へ払うお金のことです。

たとえば不動産を1人の相続人が相続して、他の相続人が何も受け取れなかったとしたら、他の相続人の法定相続分が無視されてしまい、他の相続人は不満を持つでしょう。

そこで、不動産を相続する相続人が、他の相続人の法定相続分に応じた代償金を払うことで公平に遺産分割を行います。

このように代償金支払いによって遺産分割する方法を「代償分割」といいます

 

②代償分割すべきケースとは

 

代償金の支払いによって解決すべきケースは、「分割できない財産」が残された場合です。以下の四つが代表例です。

・不動産
・株式
・車
・骨董品や絵画などの動産

こういったものは物理的に分割できませんが、一人が受け取って他の相続人へ代償金を払うと公平に分けやすくなります。

 

 

2.代償金の計算方法

①遺産の評価

 

まずは遺産の評価を行います。たとえば不動産なら簡易査定を行って時価を算定しましょう。

車なら中古車サイトで相場を確認したりディーラーや中古車ショップに持ち込んで調べたりします。

上場株式なら株価を参考にして評価します。

非上場株式の場合、専門的な評価方法を適用しなければならないので税理士等に相談するのがよいでしょう。

 

②各相続人の法定相続分を計算

 

次に各相続人の法定相続分を計算します。

たとえば子どもが3人で相続するなら、それぞれの法定相続分は3分の1ずつです。

 

③代償金額を計算

 

法定相続分の結果を以下の計算式にあてはめると、代償金額を算定できます。

遺産評価額×法定相続分=代償金額

 

たとえば3,000万円の価値のある不動産が残されて長男が相続し、相続人は長男、次男、長女という子ども3人としましょう。

遺産評価額×法定相続分=3,000万円×3分の1=1,000万円

 

つまり、次男と長女へ支払うべき代償金額は1,000万円ずつ。

長男は次男と長女へそれぞれ1,000万円ずつの代償金を支払えば、公平に遺産相続ができることになります。

 

④代償金の支払いを遺言書で指定する

遺産相続が起こったら、基本的に相続人同士で話し合って遺産分割方法を決めなければなりません。

たとえば長男に土地建物を相続させたい場合でも、実際に子どもたちがどういった解決方法を選択するかはわかりません。

親の希望通りに長男が土地建物を相続して代償金を支払うかもしれませんが、子どもたちが合意して不動産を売却して解決する可能性もあります。

死後に不動産などの資産を確実に残してほしい場合、遺言書で代償分割を指定しておきましょう

 

3.遺言書で代償金による分割を指定すべきケース

 

以下のような状況であれば、遺言書で代償分割を指定するメリットが大きくなります。

・不動産を売却せず、一人の相続人に引き継いでほしい場合

・一人に不動産を残したいが、そうなると他の相続人が不満をもってトラブルになりそうな場合

・遺留分請求権者が相続人に含まれる場合

 

①遺言書で代償分割を指定するための書式

 

遺言書で代償分割を指定する際の書式は下記を参考にしてください。

第〇条 遺言者は、遺言者の有する以下の不動産を、長男田中一郎に相続させる。

【長男に相続させる土地の表示と建物の表示】

第〇条 長男田中一郎は前条記載の相続に対する負担として、長女佐藤花子に1,000万円、次男田中次郎へ1,000万円をそれぞれ代償金として支払う。

 

②無効にならないよう、要注意!

 

遺言書を作成するときには、間違いのないようにくれぐれも注意しましょう。

不動産をきちんと特定できなかったり、相続人の表記を間違えたりすると、遺言書が無効になってしまう可能性があります

不安があれば専門家に相談しながら遺言書の文面を書くのがよいでしょう。

 


いかがでしたでしょうか。

法改正により自筆証書による遺言がやりやすくなったり、ネット情報からそれらしい雛形を手に入れやすくなったりと、以前に比べれば個人の方が自力で遺言をするハードルは下がったように思います。

しかしながら、単純に相続人のうちの一人に遺産を相続させる旨を遺そうとするだけでも、その他の相続人同士の関係性や、万が一の遺留分対策など、様々な状況の想定をしていないと、実際に相続が発生した際に、遺言者が意図していない形になってしまったり、はたまた遺言を遺したことで相続人に思わぬ負担をかける事になってしまったりと、望まない結果になってしまう危険性も含んでいます

少しでもご不安が残るような方は、やはり司法書士等の専門家に依頼して、公正証書で遺すことが確実と言えるでしょう

当法人では、遺言コンサルティング、遺産分割方法の提案の出来る専門の司法書士が複数在籍しております。

是非一度、目黒区学芸大学の司法書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談下さい。

 

お気軽にご相談ください。

故人に借金があった!相続放棄を検討する際の債務の調査方法とは? (2021.03.24)

 

 

≪目次≫

1.相続債務の調査
 ●信用情報機関への開示請求
2.郵送物等の調査
 ●消費者金融から被相続人の借金を請求されたら
3.まとめ

1.相続債務の調査

 

お亡くなりになった方を相続すると相続人は、亡くなった方の権利と義務のすべてを承継します。

つまり不動産・預貯金などのプラスの財産だけでなく、借入やローンなどのマイナスの財産も引き継ぐことになります。

亡くなった方に負債がある場合、プラスの財産とマイナス財産どちらが多いのかを調査し、マイナスの財産が多くなる場合には、相続放棄を検討しなければなりません。

以前のトピックスでも解説をしましたが、相続放棄は原則3ヶ月間の期間内で行わないといけないため、できるだけ早急に相続財産を調査する必要があります

⇒【相続放棄の流れと必要書類】はこちら

今回は相続債務の調査方法について解説をしていきます。

 

・信用情報機関への開示請求

 

銀行、クレジット会社、消費者金融から借入れをしている場合、これらの金融機関には個人の信用情報を管理するための信用情報機関があり、そこで借金などの借入の情報を管理しています

信用情報機関に開示請求をすることにより、お亡くなりになった方がどれくらい借金をしていたかを調査することができます

信用情報機関には下記の3機関があります。

 

①株式会社日本信用情報機構

消費者金融系からの借入を調査することができます。

≪外部リンク≫→株式会社日本信用情報機構

 

②株式会社シー・アイ・シー

クレジット会社からの借入を調査することができます。

≪外部リンク≫→株式会社シー・アイ・シー

 

③一般社団法人全国銀行協会

銀行からの借入を調査することができます。

≪外部リンク≫一般社団法人全国銀行協会

 

2.郵送物等の調査

 

信用情報機関への開示請求では、登録をしている金融機関の情報しか記載されないので、個人からの借入や、いわゆる街金からの借入までは調査することができません

それらからの借入については、遺品の中から借用書等を見つけ契約内容を確認していく必要があります。

また債権から督促状などの書類が届いている場合もありますので、それをもとに調査をしていきます。

●消費者金融から被相続人の借金を請求されたら

 

相続債務を調査している途中で金融機関などから請求があった場合には、その請求に対してお支払いをしてはいけません

一度お支払いをしてしまうと法定単純承認となってしまい、相続放棄ができなくなってしまう可能性があるのです

もし請求があった場合には、『相続放棄を検討中である』と告げるだけにしておきましょう。

 

金融機関にとってみては相続放棄をされてしまうと債務を全く請求できなくなってしまうので、相続放棄の期間である3ヶ月を過ぎてから請求をしてくる場合もありますので注意が必要です。

また3ヶ月経過したからといって100%相続放棄することができなくなるわけではありませんので、督促が来たからといって諦めて支払ってしまうのではなく、まずは専門家に相談をして相続放棄できないかを検討するようにしましょう

なお、1円でも支払ってしまった場合には法定単純承認とみなされて、相続放棄ができなくなってしまう可能性もありますので、専門家のアドバイスを聞くようにしましょう。

3.まとめ

 

◎相続放棄したい場合、3ヶ月以内での手続きが必要
◎故人の債務を調査するには信用情報開示請求で調査していく
◎相続放棄手続き中に金融機関への返済をしてはいけない
◎3ヶ月経過後でも相続放棄が出来る場合もあるので、まずは専門家へ相談

 

故人に借金等があったのかすら把握されていない相続人からのご依頼には、相続に専門特化している当法人が、各種機関に信用情報調査を依頼するところから始めます。

相続手続・生前対策をお考えの方は、渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、まずは一度、お早目のご相談をお薦め致します。

 

 

お気軽にご相談ください。

民法を知らない税理士の話 ~遺留分対策と生前贈与に関する知識とは?~ (2021.03.17)

 

 

≪目次≫

1.遺留分対策を考えている長男からの相談
2.民法を知らない税理士の提案
 ●生前贈与の考え方
 ●遺留分請求の考え方
3.まとめ

1.遺留分対策を考えている長男からの相談

 

前回までのトピックスで、相続税を知らない司法書士について掲載しました。

【相続税を知らない司法書士の話 ~相続を考える上で知っておきたい税に関する知識とは?~】

今回は、その反対に、『民法を知らない税理士』についてお話をしたいと思います。

 

先日、弊社のホームページにとあるご相談のメールが届きました。

セカンドオピニオンを希望する方からのメールでしたが、ご相談の内容は下記のようなものでした。

「生前贈与で財産を先に渡してしまえば、将来、請求される遺留分を減らすことができると聞いたのですが、本当ですか?」

 

さて、皆様どう思われますか?

確かに相続が発生した時点で、亡くなった方の財産を評価していく訳ですから、「遺留分請求をする際に基となる財産額が少なければ請求できる額も少なくなる」というご相談者様の考えは、一見すると道理が通っているように思えます。

⇒『遺留分』についてのトピックスはこちら

しかし、現実はそう簡単なお話ではないのです。

 

2.民法を知らない税理士の提案

 

ご相談者様には仲の悪い兄弟がおり、ご両親は全財産を長男であるご相談者様に相続させる旨の遺言を書いているそうです。

しかしいざ相続が発生した際に、兄弟から遺留分請求されるであろうことは容易に想像が出来るため、「将来、相続が発生したときに請求される遺留分を少しでも減らしたい。」とご希望でした。

 

ご面談して話を伺うと、ご相談者様には顧問税理士がついており、「生前贈与で財産を少なくすれば、その分、亡くなったときの遺産も減るので、遺留分の金額も減らせる」と提案されたそうです。

 

●生前贈与の考え方

 

実はこの説明は間違っています。

生前贈与で渡した財産は特別受益に該当し、遺留分の計算上、持ち戻して計算されます

つまり生前贈与をしても、請求される遺留分は減らないのです

さらに顧問税理士から「不動産を買えば遺留分を減らせる」とアドバイスを受けたそうで、父を説得して、投資用不動産を購入させたそうです。

 

残念ながらこのアドバイスも間違っています。

確かに不動産を買えば、購入金額と相続税評価額との差額によって相続税を減らすことは可能です。

相続税について知識のある税理士ならば、このような提案をすること自体は妥当だと言えるでしょう。

しかし遺留分の計算は相続税の計算方法とは違い、相続税評価額で行うわけではないのです

 

●遺留分請求の考え方

 

不動産について遺留分請求をする際の評価額に関しては、『遺留分を請求する側と請求される側が、その物件の適正な時価を算定し、両者が納得した価格を基準に遺留分の計算をする』ことになります

 

例えば新築のタワーマンションの一室を1億円で買い、十数年後に相続が発生し相続税の評価額が2,000万円になったとします。

相続税計算では2,000万円として扱っていきますが、その物件の市場価値が当時と変わらず1億円のままなら、1億円を基に遺留分を計算することになります

 

つまり、不動産を買っても遺留分が減るわけではないのです

(不動産が劣化し、市場価値が下がればそのぶん遺留分も減る事になります)

3.まとめ

◎『生前贈与』をする際には、税制上の知識、民法上の知識の両方が必要となる
◎遺留分侵害額減殺請求の対策には高度な専門知識が必要不可欠

税理士は税金計算の専門家ではありますが、相続に関する制度や法律知識については、一般の方とほとんど変わらない場合があります。

また、相続税を専門としている税理士は、実は業界でも一割程度に過ぎないと言われています。

 

当法人は司法書士法人であり、民法の相続法を熟知した司法書士が、税制等の周辺知識を考慮した上で的確なアドバイスをしております。

相続手続・生前対策をお考えの方は、渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談下さい。

 

 

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相続のキホン⑥ ~準確定申告とは~ (2021.03.04)

 

≪目次≫

1.準確定申告とは
2.準確定申告が必要な人
3.準確定申告の期限(確定申告と相違する部分)
4.準確定申告が必要な場合は、早めの対応が必要

1.準確定申告とは

 

前回より相続の考え方、法律用語などを不定期にお届けしております『相続のキホン』。

今回は、『準確定申告』について取り上げていきたいと思います。

 

相続に関する税金で有名なものとして相続税がありますが、相続に関する税金の手続きは実は相続税だけではありません。

忘れられてしまいがちな手続きとして準確定申告というものがあります。

準確定申告は確定申告と共通する部分が多いですが、準確定申告特有のルールも存在します。

毎年1月1日から12月31日までの1年間分の税額を計算し、翌年の2月16日から3月15日までに申告・納税をする

これが所得税の確定申告です。

しかし、確定申告をすべき人が、年の途中で亡くなった場合や、年が明けて確定申告をする前に亡くなった場合、確定申告をしていない状態になってしまいます。

そのため、被相続人に代わって、相続人などが確定申告を行う手続きが設けられています。これが、準確定申告です。

 

2.準確定申告が必要な人

 

準確定申告必要な人とは、被相続人が一定額以上の年金収入があり、確定申告をしていた場合や、賃貸不動産を所有していて不動産収入の確定申告をしていたという場合です。

したがって相続が発生すると必ず準確定申告が必要というわけではありません。

そもそも被相続人に申告する所得がなかった場合など、確定申告そのものが必要ないのであれば、準確定申告の手続きは不要です。

 

【準確定申告が必要かどうかの判断基準】

 

・給与収入が2000万円を超えていた場合

・給与所得、退職所得以外の所得の合計が20万円を超えていた場合

・2か所以上から給与をもらっていた場合

・公的年金等による収入が400万円を超えていた場合

・公的年金等による所得以外の所得の合計が20万円を超えていた場合

 

3.準確定申告の期限(確定申告と相違する部分)

 

前項でも述べたように、確定申告は毎年1月1日から12月31日までの1年間分の税額を計算し、翌年の2月16日から3月15日までに申告・納税をします。

準確定申告の場合は、相続人が被相続人の相続開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に申告をしなければなりません

この相続開始があったことを知った日とは、基本的には被相続人が亡くなられた日と考えてよいでしょう。

なお、確定申告をしなければならない被相続人が、1月1日から3月15日までの間に確定申告をしないで亡くなった場合には、前年分と本年分の準確定申告をしなければなりません

この場合、前年分の申告、本年分の申告ともに4カ月以内に行う必要があります。

納税額が生じる場合、申告期限を過ぎてしまったり、申告しないでいると加算税や延滞税といった追徴税が課される可能性がありますので、注意が必要です。

 

4.準確定申告が必要な場合は、早めの対応が必要

 

4カ月以内という期限がある準確定申告ですが、4カ月は決して長い期間とは言えません。

相続開始後は葬儀の執り行い後、年金の手続き、不動産の名義変更、預貯金の解約の手続き…とやらなければならない手続きが数多くあります。

それらと並行して準確定申告の手続きも進めなければなりません。

また周囲も知らない預金口座があったり投資をしていたりと、被相続人の財産や収入を完全に把握している方は、そう多くいないと思います。

そんな中、資料を収集しそれを基に申告書を作成し、申告までを4カ月以内に行わなければなりませんので、4カ月という期間は、非常にシビアな期間と言えます。

 

準確定申告は税理士の分野ではありますが、当法人では、相続税法等の周辺知識にも明るい相続専門チームが、業界トップクラスの税理士法人・事務所と共にサポートさせていただいております。

相続税や準確定申告、確定申告が発生しそうな相続手続きでお悩みの方は、是非一度渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談ください。

 

 

 

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相続税を知らない司法書士の話 ~相続で知っておきたい税の知識とは?~ (2021.02.25)

 

 

≪目次≫

1.どこまで知っておくべき?相続税に関する知識
2.相続税を知らない司法書士
3.小規模宅地の特例とは?
4.まとめ

 

1.どこまで知っておくべき?相続税に関する知識

 

前回までのトピックスにて、相続税の仕組みについてお話をしました。

相続相談を法律家にする場合に気をつけなければいけないのが、法律家の中には、残念ながら相続税を全く勉強してこなかった人が、一定の割合で存在することです。

我々司法書士は税理士ではないため相続税の専門家ではありませんが、相続という分野を取り扱う立場として必要最低限の知識を持ち合わせておくべきでしょうし、弊社でも初回相談にいらしたお客様から必ずと言って差し支えないほど質問に挙がる必須の知識になりますので、ある程度のことは知っておかなければなりません。

今回はそんな、相続税にまつわる『あること』を知らない司法書士に提案されたお客様があわや大惨事に見舞われそうになった、実際に会ったお話をご紹介しましょう。

2.相続税を知らない司法書士

 

弊社の初回面談をご希望された、お父様がお亡くなりになった長男様のお話です。

一度、他の司法書士事務所に相談後、その司法書士事務所に税理士の知り合いがおらず、弊社にご来所頂きました。

「遺産分割協議の内容は先日相談した司法書士の提案通りまとまっているので、先生には登記手続きをお願いしたいです。あと、相続税申告が必要なので税理士先生のご紹介をお願いします。」とのご依頼です。

亡くなったお父様のご自宅は、お母様ではなく、長男様に相続させることで話がまとまっていたそうです。

相続が発生したとき、長男様は別の場所で暮らしていましたが、お父様の相続を機に、実家に帰ってくることになったそうです。

その司法書士曰く、「この度の相続で、自宅は長男様の名義にしておきましょう。将来、お母様が亡くなっても、名義変更をせずに済みますよ。」とアドバイスしたそうです。

一見良さそうなアドバイスですが、相続税の観点から言うと、実は全く良くありません。

その理由は、この分け方にしてしまうと、『小規模宅地等の特例』が全く使えず、相続税の負担が劇的に増えてしまうからです。

3.小規模宅地の特例とは?

 

小規模宅地等の特例とは、『亡くなった方が自宅として使っていた土地は、配偶者か、同居している親族が相続した場合、最大8割引きの評価で相続税を計算することができる』という内容の税制上の特例です。

今回のケースでは、お母様(配偶者)が自宅を相続すれば、小規模宅地等の特例が使え、その後、お母様が亡くなったときに長男様(その時点では同居親族)が相続すれば、また小規模宅地等の特例が使えます

弊社で提携の税理士に相談したところ、結果として、長男様は8割引きの評価額で自宅を相続することが可能でした。

しかし、もし先に相談していた司法書士の提案通りに、お父様から長男様に直接相続させてしまうと、お父様が亡くなった時点ではお父様と別居していたため、小規模宅地等の特例は使えません

その結果、相続税の負担が1,000万円近く増えてしまうことが判明したのです。

今回は不幸中の幸いなことに、遺産分割協議書に署名する前でしたため、自宅をお母様が相続することに方針転換し、事なきを得ることが出来ました。

4.まとめ

 

◎同じ『相続手続』でも、手続のやり方・承継先によって結果が大きく異なってくる
◎相続税が絡んでくる(もしくはその疑いがある)場合、相談する専門家のレベルによりその後の提案内容が違うため注意が必要

相続税が発生する家庭においては、お気持ちだけで分け方を決めるのは危険なのです。

一都三県で、ご自宅をお持ちの場合かなりの頻度で相続税申告が必要な場合があります。

当法人は、登記だけではなく相続税等周辺知識にも明るい専門の司法書士がチームを組みご対応させて頂きます。

相続手続・生前対策をお考えの方は、目黒区学芸大学駅の司法書士法人行政書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談下さい。

 

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相続のキホン⑤ ~戸籍の読み方~ (2021.02.10)

前回より相続の考え方、法律用語などを不定期にお届けしております『相続のキホン』。

今回は、『戸籍の読み方』について取り上げていきたいと思います。

 

【戸籍の読み方】

 

相続手続きでは、相続人を確定させるため戸籍の取得が必要となります。

公正証書遺言がない場合では、状況により亡くなった方の父母の出生まで遡って戸籍を取得する必要がありますが、戸籍の書式は時代とともに変化しており、その戸籍がどの時期(いつからいつまで)のものであるかを読み取ることは容易ではありません

今回は、戸籍について、年式別の種類を説明するとともに、取得した戸籍がどの時期にあたるものかを確認する方法を紹介したいと思います。

 

 

①平成6年式戸籍

2021年現在の戸籍は、平成6年式戸籍といわれる書式です。
コンピュータ化されている書式で、他の年式が縦書きであるのに対し、横書きの書式となっています。

<時期の確認方法>

●戸籍事項(当該戸籍の情報)
当該戸籍がいつからいつまでの戸籍なのかが記録されています。

(最新の戸籍である場合は「いつまで」は書かれていません)

●戸籍に記載されている者

この欄には、戸籍内の人ごとの情報が記載されています。

この欄に「除籍」となっている方の除籍理由が「死亡」となっている場合は、その者にとっての死亡時の戸籍となります

また、「除籍」となっていない場合は、その者にとって最新の戸籍となります

 

②昭和23年式戸籍

昭和23年式戸籍は、平成6年式戸籍と同様に、昭和22年の民法改正に従って作成された書式です。

よって戸籍事項、戸籍にされている人の記載は平成6年式戸籍と同様です。

ただし、コンピュータ化前の書式となっているため縦書きとなっており、数字が「壱」「弐」「参」「拾」といった漢数字となっています。

<時期の確認方法>
●本籍欄の右側欄外(横)

本籍欄の右側欄外に「平成六年法務省法令第五十一号附則第二条第一項による改製につき平成〇〇年〇月〇日削除」と記載されていることがあります。

この場合、コンピュータ化により平成6年式戸籍が作成されていることになるので、この戸籍は改製までの戸籍(改製原戸籍)として扱うことになります。

●戸籍事項(当該戸籍の情報)

本籍欄の左側が戸籍事項です。当該戸籍がいつ編製され、いつまでの戸籍であるかが記載されています。

ただし、上述の通り、コンピュータ化に伴い削除されている場合、当該戸籍の終わりは欄外に記載されています。

●戸籍内の者ごとの情報

戸籍事項につづいて左側に、戸籍内の人ごとの情報が記載されています。

「昭和〇〇年〇月〇日□□で出生父△△届出同日受附入籍」「平成〇年〇月〇日△と婚姻届出同月〇日□□市長から送付同区△に夫の死の新戸籍編製につき削除」(例)といった形で記載されています。

 

③大正4年式戸籍

大正4年式戸籍は、比較的記載内容が多い戸籍です。

まず、それまでの「家制度」により、孫など三代以上の者も記載されている場合があります。

また、戸籍作成時にそれまであった戸籍の記載事項をすべて記載していたため、編製事由(当該戸籍の期間を示す記載。「〇年〇月〇日〇〇改製」等と記載)が複数ある場合があります。

編製事由が複数記載されていた場合は、最も現在に近いものが、当該戸籍のはじまりとなります。

<時期の確認方法>
●戸主の事項(当該戸籍の情報)

通常本籍のすぐ左側に戸主の事項が記載されています。ここには戸主の事項だけでなく当該戸籍の情報も記載されています

当該戸籍がいつからいつまでの戸籍なのかはこの欄に記載されています。

●戸籍内の者の事項

戸主の事項につづいて左側に、戸籍内の者ごとの情報が記載されています。

「本籍に於て出生父△届出昭和〇〇年〇月〇日受付入籍」「△と婚姻夫の氏を称する旨昭和〇〇年〇月〇日受附□□に新戸籍編製につき削除」(例)といった形で記載されています。

 

④明治31年式戸籍

明治31年式戸籍は、「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」という欄があることが特徴です。

1枚目の表には2人、裏には3人、2枚目以降は、すべて3人ずつ記載できるような様式になってます。

<時期の確認方法>
●戸主ト為リタル原因及ヒ年月日(当該戸籍の情報)

一枚目に「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」という欄があり、「父△死亡に因り大正〇年〇月〇日戸主と為る同日届出同日受附」(例)といった形で記載されています。

この日付が当該戸籍のはじまりとなることが多いです。

●戸主を含む戸籍内の者の事項

本籍の左側に、戸主から順に戸籍内の者の事項が記載されています。

当該戸籍の終わりは戸主の事項に「□□に転籍届出大正〇年〇月〇日〇〇市長受附同月〇日送付全戸除籍」(例)といった形で記載されています。

 

⑤明治19年式戸籍

<明治19年式戸籍は、2021年現在閲覧可能な最古の年式となります。
この戸籍には一部空白がありますが、これは「族称欄」と呼ばれる「士族」「平民」といった記載があった場所ですが、身分差別廃止の観点から現在では白く塗られており、白く塗られている部分の記載が読み取れなくても問題はありません

<時期の確認方法>
●戸主の事項(当該戸籍の情報)

本籍の左側に、戸主の事項が記載されています。

戸主の事項内に、当該戸籍がいつまでの戸籍なのかは記載されていますが、いつからの戸籍となるかは記載されていない場合があります。

●戸籍内の者の事項

戸主の事項から順に戸籍内の者の事項が記載されています。

それぞれの者にとっていつまでの戸籍となるかが記載されています。

 

コンピュータ化以前の内容は手書きで書かれており、記載内容が判読しにくいものもあります。

また、記載内容を正しく読み取って対応しないと、思わぬトラブルになる可能性があります。

必要な戸籍の代理取得を含め、ご検討の方は、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズまで、お気軽にご相談下さい。

 

 

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