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意外と難しい戸籍収集 (2020.09.23)

【意外と難しい戸籍収集】

 

金融機関や法務局の相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要になります。

配偶者や生前に親しかった親族でさえ、被相続人の出生から死亡までの本籍地を把握していることはなかなか考えにくく、一般的には現在の戸籍(亡くなった時点での戸籍)に記載されている転籍履歴や、改正の有無などを頼りに戸籍を遡りながらながら、古い戸籍を取得していきます。

当法人にご相談にいらした方でも、
『戸籍の取得位は自分でやるから大丈夫!』

と仰っていたのですが、その後1ヶ月程経過してから、
『やっぱり、先生の所で戸籍も含めてすべてお願いできるかしら?』
と再度ご来所されるケースは、実はそう少なくありません。

今回は、普段目にしているようで、実は意外と知られていない『戸籍』について取り上げてみましょう。

 

 

1.戸籍とは?

戸籍とは、端的に言えば、本籍地や法定の家族関係などを証明するものです。

戸籍には、その人の本籍地、生年月日、婚姻日(婚姻歴)、死亡日、両親の名前、子供の名前などが記載されています。

 

2.種類

戸籍には種類があります。それぞれ、謄本とうほん)と抄本しょうほん)と呼ばれています。

謄本とは、その戸籍に載っている全部(全員)の情報を記載したもので、全部事項証明書ともいいます。
それに対し、抄本とは、その戸籍に載っている情報のうち、一部(一人)について記載されたもので、個人事項証明書ともいわれるものです。

どちらも記載されている情報に差異はありませんが、用途によってどちらを取得するべきなのか、注意が必要です

不特定の法定相続人がいるかもしれない相続手続においては、戸籍謄本を取得する方が確実です

 

3.名称

ひと言で戸籍と呼んでいても、その状態や状況によって名称が変わってきます。

その呼び名は大きく分けて、
『戸籍(現在戸籍)、改製原戸籍、除籍』
とあり、これらはすべて戸籍と呼ばれるものです。
一般的には現在戸籍を指すことが多いですが、状況によってどの戸籍を指すのかが重要となります。

相続手続において戸籍と言った場合、現在戸籍のみならず、改製原戸籍や除籍などの古いものについても含まれるわけです。

 

◆除籍◆
除籍とは、婚姻、離婚、死亡、転籍などによって、その戸籍に在籍している人が誰もいなくなった状態の戸籍です。

◆改製原戸籍◆
例えば、民法の改正により、

・戸籍の記載事項が変更になった
・手書きであったものが電子化され、印字のものに変更された
・縦書きであったものが横書きに変更された

など、戸籍の記載方法などが法律によって変更されることがあります。

明治時代に戸籍制度ができてから、現在に至るまで、4~5回の変更がありました。

改製後の戸籍では記載方法が異なるため、改正前の戸籍の情報をそのまま記載することはできません。
従って、法律が改正されると新しい型の戸籍をつくりそれを現在の戸籍とし、改正前の戸籍は閉鎖されます。

この改正によって閉鎖された戸籍を改正原戸籍といいます。

 

4.読みづらい戸籍

戸籍の記載は古くなればなるほど読みづらい事が多く、昭和初期以前の戸籍になると、旧字が使われており、数字の記載に関しても現在のようなアラビア数字ではなく、「壱、弐、参、、」といった記載になります。

また、古い戸籍は手書きで書かれており、字そのものが読めないといったこともしばしばあります。

(普段から戸籍を読み慣れている私共でさえ、
『よくこの字でOK出したな。。。』
と思ってしまう字体が多々あります。これも統一された印字で読み慣れてしまった現代人の弊害とでも呼ぶべきでしょうか。。?)

このように、戸籍を判別しながら遡って、時には前後の表記から推測してまで戸籍収集をしていくことは、思った以上に時間と手間がかかります。

 

戸籍は家族単位で構成されており、結婚をすると新たな戸籍が編製され、籍を移すことになります。

また離婚をした場合、婚姻によって姓を変えた方は、親の戸籍に戻るか、新たに自分の戸籍を作り入籍します。婚姻や離婚をしている場合には、取得しなければならない戸籍の数がその分多くなります。

(旧姓の親の戸籍に戻った場合、その方の名前が、婚姻前⇒離婚後と二度表記されることになります。流し読みで婚姻前の名前を見逃すと、その後の婚姻中の戸籍を見落としてしまう事がありますので注意しましょう。)

他にも、例えば現住所に本籍地を変更した場合には、戸籍は本籍地で管理しているため、新たな本籍地に新たな戸籍が編製されます。

そして、もともと戸籍があった旧本籍地の戸籍は除籍簿に入ることとなります。相続手続には被相続人の記載される戸籍全てが必要になりますので、取得が大変なのです。

 

5.取得方法

戸籍は本籍の置かれている役所で取得します。

被相続人が婚姻や転籍を複数回していると、それぞれの本籍地に戸籍の請求をしなければなりません。場合によっては全国の役所に請求をすることになります。

役所に行くことが難しい場合、郵送によっても戸籍を取得する事ができますが、郵送での戸籍取得はその場で役所の人とのやり取りをすることができません。

そのため、

「取得したいものが違った」

「必要な書類が抜けていた」

等の不手際があると、同じ管轄で何度も郵送のやり取りが必要になる事もあります。

また、郵送での請求は、一回のやりとりに、早くても1週間程かかると考えた方がよいでしょう。役所によって手続きの仕方が若干異なる場合もあり、そういったことも戸籍取得の難しさを助長しているように思えます。

戸籍を取得しようとしている相続人と被相続人の関係性で、必要となる書類も変わってきます。

同じ戸籍内の親子であれば自分の戸籍に被相続人の除籍が記載されますが、例えば相続人が甥・姪であった場合(両親・祖父母が先死亡)などは、まずご自身の戸籍⇒両親との関係⇒祖父母との関係(この辺りでようやく被相続人の名前が出てくることになります)と被相続人との関係性を示すまでにもかなりの戸籍が必要となります。

 

 

6.戸籍を取得できない場合

被相続人の出生まで戸籍を遡るとなると、状況によりかなり昔の戸籍まで取得する事になります。

場合によっては、戸籍を取得できないケースが出てきます。原因としては、戸籍が戦争または震災によって焼失していることなどが挙げられますが、その場合には、相続手続を申請する先の機関に確認をしながら手続きを進めなければなりません

通常は、役所から焼失証明書破棄証明書という証明書を発行してもらい、それを添付して相談をしていく事になります。

 

 

いかがでしたでしょうか。だいぶネガティブな表現になってしまったかと思いますが、状況により、かなり面倒なケースが出てくることも事実です。

ご遺産によって相続税申告が生じる場合、お亡くなりになってから10ヶ月以内にご葬儀、戸籍収集、遺産分割、納税申告、、とやらなければならない事が多々あり、今回の戸籍収集はご認識頂けたように時間も手間も取られる、なかなかに厄介な存在です。

当法人では、相続登記や預貯金解約等の相続手続の一環として、戸籍収集や法定相続情報の取得も承っております。

普段から見慣れていないなかで、ご自身でご取得可能なのか、一括してお任せいただいた方がよいのかも含め、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

二次相続税対策としての相続放棄 (2020.09.17)

【二次相続税対策としての相続放棄】

 

以前までのトピックスで、相続放棄について多数取り上げてきました。

【借金等がある場合の相続手続き①】
【借金等がある場合の相続手続き②】
【相続放棄と法定相続人】
【相続放棄の注意点】

 

皆様は、相続放棄と聞いて何を連想するでしょうか?

やはり、『借金』『債務超過』ということを連想されるのではないでしょうか?

 

今回は、相続税対策の一環で利用される相続放棄について、当法人の司法書士が実際にご提案した相続放棄の事案を、事例を交えてご説明したいと思います。

 

まず、下記の相続関係図をご覧ください。

上記の関係図で相続人は誰になるでしょうか?

答えは、お父様のみとなります。

 

→法定相続人の考え方についてはこちらのトピックスをご確認ください。

【法定相続人とその見分け方】

 

遺産は預金1億4000万円のみ。

相続税基礎控除額は3600万円ですので、今回の事案では相続税がかかることになります。

また、法定相続人であるお父様の財産をヒアリングすると、自宅の土地建物(相続税評価額2500万円)と預貯金2000万円でした。

 

この事案に置いて、当法人の司法書士は相続人たるお父様の年齢と御身体の状況(心臓病を患い、いつ亡くなっても不思議ではない、と仰っていました。)を踏まえ、お父様及びご長男に、お父様には相続放棄という選択肢がある旨をご提案しました。

今回お父様が相続されると、お父様に相続税がかかる上に、お父様が万が一、近いうちにお亡くなりになれば、多額の財産を消費しないまま相続が発生することになり、相続税が多額になると考えたからです。

提携の税理士にも事情を説明し、

①相続放棄をしてご長男が相続して相続税を支払う場合
(ご兄弟の場合、2親等の関係なので相続税が2割加算と割高になります

②一旦お父様が相続して税金を支払い、お父様が亡くなった後にもう一度相続税を支払う場合

を試算してもらった結果、相続放棄をした方が税務上有利という結果を頂き、お父様もご長男様もご納得して相続放棄の手続きに踏み切りました。

 

今回のように、相続放棄を二次相続税対策として提案するには、相続に精通し、税金等の周辺知識にも明るい司法書士でないとまず難しいでしょう。

当法人では相続に強い専門の相続生前対策チームが、提携税理士法人との強固なパートナーシップによりご相談者様への最適な解決方法を提供致します。

また、事例のように相続放棄をお考えの方は、相続放棄の申立てには期限がありますので、まずはお早めに当法人までご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

疎遠な相続人との遺産分割調整① (2020.09.15)

【疎遠な相続人との遺産分割調整①】

 

前回までのトピックスで、遺産分割の方法等を取り上げました。

⇒【遺産分割の方法】

遺産分割の方法には、具体的に現物分割・代償分割・換価分割がありますが、今回は実務上良く使われる代償分割の方法を、事例を交えてご説明していきます。

 

下記の相続関係図をご覧ください。

上記の関係図は、相続を専門に扱うと良く目にする関係図ですが、この関係性において、司法書士が相談を受けるのは後妻たる配偶者からです。

この場合、良く受けるご質問が、

①『前妻の子の協力なしで、全て手続きすることは出来ませんか?』
②『全く面識がないので全てそちらでお話合いしてもらえませんか?』
③『全て私が相続する内容で交渉してもらえませんか?』

です。

上記①は、前妻の子も法定相続人である以上その子の協力なしで手続きすることは一切不可能と言えます。

②と③は弁護士に数百万円(時には数千万円)の報酬を支払えば可能と言えますが、相手方である前妻の子にも法定相続分がある以上、敏腕弁護士が入ったとしても、希望通りの結果が待っているとは限りません。

むしろ、疎遠になっている前妻の子としては、大抵の場合、養育費を長年支払ってもらっていないなどの不満等もあり、逆に必死に交渉をしてくる傾向があり、簡単に交渉がうまくいかないケースが多いといえます。

 

司法書士は、弁護士と違い、遺産分割についての交渉代理権がありません。

また、いきなり弁護士名義での手紙が届くなどすれば、感情面での折り合いがうまくいかないことが多々あります。

ですので、原則はあくまでご本人が交渉のテーブルにつき、遺産分割方法を提示した手紙を書いて相手方の意向を確認する必要があります。

しかし、多くの場合、遺産分割方法を知らない法定相続分の説明が出来ない法的要素を踏まえた伝わりやすい手紙の書き方が分からない等、一般の方にはハードルが高すぎると言えます。

 

この事案に置いて、当法人の司法書士は、後妻の立場、前妻の子の立場に立って下記のような方法で、解決に導いて行きました。

まず、この事案に置いて一番重要なのが、相手方(前妻の子)の法定相続分に配慮することが一番大事で、上記の相関図から前妻の子の法定相続分は8分の1と計算できます。

次に遺産の範囲が、何かを具体的にヒアリングします。遺産には、不動産・現金・有価証券・預金・動産(自動車等)が含まれます。

この事案では、不動産・預貯金・自動車が主な遺産であり、不動産については固定資産税評価証明書、預貯金は残高証明書、自動車は査定書を取り付け、全てを遺産目録に反映し全財産を金銭に見積もった額を算出しました

 

後日、残高証明書等全ての資産のエビデンスを付けた遺産目録を付けた上で、後妻と当法人連名での手紙の文案を考案し、前妻の子の住所に送付しました。

この事案では、財産を全て開示し、法定相続分の主張があれば全て代償金でお支払いをする(代償分割の提案)旨の手紙を送ったところ、前妻の子も誠意を感じ、すんなりと円満に遺産分割協議が成立しました。

 

遺産相続に不慣れな司法書士事務所がやってしまいがちな、手紙の文案作成の手法として、遺産を開示せず『相続についてご意向如何でしょうか?』といった内容で、ざっくりとした文案を考案することが散見されます。

この場合、十中八九、『遺産を開示してほしい。法定相続分はいくらまで主張できるのか。』など、初っ端から相手方の不信感をあおり円満な解決が見込めないことが多いです。

円満な遺産分割協議が出来ない場合、家庭裁判所において遺産分割調停・審判に進むこととなりますが、調停・審判でも全ての遺産を調査し、目録に反映して申立していくこととなり、当然相手方にも家庭裁判所を通して、遺産目録が開示されることとなります。

やはり、一回目の意向確認の段階から、相手方の法定相続分に配慮してご説明し、遺産分割方法を提案していく方が後々の裁判手続きに置いても有用に働くと言えます。

 

司法書士は中立公正を保ち、終局的な、調停・審判を見据えた手紙の文案を考案する必要があります。

当法人には、相続専門チームが設置されており、日々あらゆる遺産分割を模索してお客様を解決に導いています。

まずは、お気軽にご相談下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

相続欠格事例 (2020.09.10)

【相続欠格事例 ~軽率な行動で相続権がはく奪される!?~ 】

 

皆様は、『相続欠格』という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

亡くなった方の配偶者、子や孫等、一定の要件を満たせば法律上相続権が発生します。

しかしながら、その相続権を持った人が被相続人を殺してしまったり、自己にのみ有利となる行為(強迫して遺言を書かせる等)をしてしまう等、その他軽率な行動をとり、民法で定める一定事由に該当してしまうと、法律はその人から相続権をはく奪してしまいます。

これを相続の欠格事由(相続欠格)と言っていきます。

では、相続の欠格事由とはどういったことが該当するのでしょうか?

 

民法では、「被相続人又は先順位の者を故意に死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者は、相続人となることは出来ない。」と規定しており、この規定以外にも相続人となり得ない事由を規定しています。

前記の、被相続人等を殺そうとする行為は欠格事由に該当し、相続人になれないことは当然ですが、その他にもうっかりしたことで欠格事由に該当してしまうケースがあります

今回は、当法人の司法書士が相談を受け、実際に欠格事由に該当した事例を紹介します。

 

下記の、相続関係図をご覧ください。

ご相談者は、被相続人の奥様で、被相続人が自筆で書いた遺言書をもっており、この遺言書を使って不動産の名義変更や預貯金の解約等諸々の相続手続きをしてほしいとの相談でした。

 

自筆証書遺言の形式的有効要件として、

●全文自署
●日付の記載
●氏名の記載
●押印

が必要となりますが、この遺言、日付の記載がなかったのです。

(自筆証書遺言の詳細は【遺言の種類と書き方~自筆証書編~】をご覧下さい。)

ですので、当該遺言は無効で手続きには一切使うことが出来なくなり、6名のご兄弟を含めた相続人全員で遺産分けの話し合い(遺産分割協議)をし、手続きを進めなくてはいけないことをご説明したところ、

疎遠な兄弟が複数いるし、被相続人と築き上げてきた遺産のいくらかを相続分として兄弟達に分配しないといけないことに気を悪くした相談者は、

『じゃあ、私がここに日付記載すればいいんでしょ。亡くなる少し前に書いてくれたから、平成●年●月●日て書きますね。』

と、司法書士の制止を振り切り、遺言書に日付を記載してしまったのです。

 

これは、民法891条5項にいう、遺言書の偽造ないしは変造に値し、欠格事由に該当します。

目の前で、偽造行為を目の当たりにしてしまった当法人の司法書士は、お仕事の依頼を断るしかありませんでした。

因みに、この相談者は、相続欠格事由に該当したため、一切の相続権をはく奪されてしまいます。

日付の記載さえしなければ、最低でも遺産の4分の3相当は取得できたはずなのに、軽率な行動をとってしまったが故に、一切の財産を相続することが出来なくなりました。

 

自筆証書遺言の有効性の判断や、実務上手続きに利用できるかは、非常に難しい問題で、専門家に見てもらうことが一番有益です。

是非、まずは当法人までご相談下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

任意後見制度③ (2020.09.08)

【任意後見制度③】

 

以前のトピックスで「任意後見制度」の概要や任意後見のパターン等をご説明させて頂きました。

⇒【任意後見制度①】はこちら

⇒【任意後見制度②】はこちら

今回は任意後見制度利用の流れについてより詳しくみていきます。

 

≪任意後見制度利用の流れ≫

<その1>3つのパターンから選択

即効型・移行型・将来型の3パターンから自分に合ったものを選びます。

詳細は【任意後見制度②】をご参照ください。

 

<その2>任意後見契約内容の決定

●任意後見受任者(判断能力が不十分になった後に支援してくれる人)を決める

任意後見受任者(将来的な任意後見人)になるのに資格は必要ありません。未成年者や破産者等以外で信頼できる家族や親戚もしくは司法書士や弁護士、その法人と契約する事もできます。

誰に依頼するのかは今後に直接的に関わってきますので、十分に検討し実際にその方とよく話し合って決めていきましょう。

●契約内容を決める

契約内容に記載された事項に基づいて支援が行われるので、契約内容に不備があると、自分が支援してほしいことがやってもらえない等の不具合が出てしまいますので慎重に検討しましょう。

任意後見人の報酬額や支払方法等も契約にて決めていきます。支援する内容ごとに細かく決定しておく必要があります。

「施設に入所する場合はどこがいい」「かかりつけ医はどこの病院」等ライフプランを作成し、決めていきます。

 

<その3-1> 任意代理契約の締結、支援の開始

意思能力が低下する前にすでに支援を始める「移行型」の場合、任意後見契約のほかに「見守り契約」や「財産管理契約」等の任意代理契約を結び、任意代理人による支援が始まります。

契約内容をライフプランに沿って細かく決め、希望する支援が受けられるよう契約しましょう。

 

<その3-2> 公正証書にで任意後見契約を締結

契約内容をよく検討し、内容が決定したら、任意後見契約を公正証書で結びます

将来支援する方を「任意後見受任者」と呼び、任意後見契約で締結した内容が登記されます。移行型を選択した場合、同時に任意代理契約も公正証書にすることがあります。

この際、任意後見契約は公正証書で締結しないといけないので注意が必要です

任意後見契約締結までは上記の流れで終了し、後々の将来に判断能力が不十分になったら支援が始まります。

 

<その4> 任意後見監督人選任を家庭裁判所に申立

本人に認知症の症状がみられるなど、本人の判断能力が低下したら、本人の住所地の家庭裁判所に「任意後見監督人選任を申し立てます。

申立が出来るのは、本人・配偶者・四親等内の親族・任意後見受任者になります。本人以外の申立の場合、本人の同意が必要となります。

 

<その5> 家庭裁判所の審判

家庭裁判所が調査・審問・鑑定等して必要性を判断し、任意後見監督人を選任します。選任がされると、申立人や任意後見人等に通知され、審判内容が登記されます。
※移行型の場合、任意代理契約が終了し任意後見での支援開始となります。

任意後見監督人選任の審判への抗告期間が終了すると、いよいよ支援が始まります。

 

<その6> 任意後見契約の効力が生じ、支援開始

支援する人の呼び名が「任意後見受任者」から「任意後見人」に変わります。

公正証書で締結した任意後見契約内容に基づき、支援が始まり、裁判所の選任した任意後見監督人が任意後見人を監督します。

報酬については、任意後見人は契約で定めた報酬額、任意後見監督人は家庭裁判所が決定した額となります。

 

<その7> 任意後見契約の終了

本人または任意後見人が死亡・破産すると契約は終了します。また、任意後見人が認知症等により被後見人になった時も任意後見契約は終了します。

 

 

任意後見契約の内容は今後のご本人様の人生にかかってくる大事な内容になります。

当法人では、ライフプランの作成から任意後見契約の内容・任意代理契約の内容まで、ご本人様と慎重に検討をして、よりよい人生を送るためのお手伝いをさせて頂きます。

任意後見制度のご利用をご検討の方はお気軽にお問合せ下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

成年後見制度のメリット・デメリット (2020.09.04)

【成年後見制度のメリット・デメリット】

 

ご両親の相続等や各種メディア報道などをきっかけに、ご自身の老後を見据えた財産管理等の在り方を検討する方が増えています。

生前対策として遺言書を書く方もおられますが、遺言書は遺言者の相続開始後でないと効力が生じないため、老後の生活への備えや認知症対策には適しません。

そこで、上記のニーズに対応するための方法の一つに「後見制度」があります。過去のトピックスでは後見制度の概要や、任意後見について何度か取り上げてきました。

【任意後見制度①】

【任意後見制度②】

今回はそのメリット・デメリットについて検討したいと思います。

 

前提として、成年後見制度は認知症、知的障害、精神障害等の理由で判断能力が不十分な人を保護・支援するための制度です。

成年後見人が本人に代わり、必要な契約等を締結したり、財産管理等を行います。制度の利用の判断基準・申請方法等は下記の記事より詳細をご覧ください。

【相続手続きと法定後見制度】

 

また、上記のように、法定後見では任意後見とは前提条件が異なってくる点に注意が必要です。

 

≪成年後見制度のメリット≫

成年後見制度を利用すると、以下のようなメリットがあります。

 

①法定代理行為が可能

成年後見人が本人の法定代理人として、本人の通帳やカードの管理、入出金や振込を行うことができます。

また、家庭裁判所の許可等を要する場合もありますが、不動産の売買契約などを行うことも可能です。

 

②後見開始後に本人がした行為の取消・追認が可能

親族が知らない間に、本人が訪問販売で不要な健康食品を大量に買ってしまった、自宅のリフォーム詐欺の契約をしてしまった、等の話を耳にしたことはありませんか?

このような場合に、成年後見人を通さずに本人が行った契約を、取り消したり代金の返還を請求したりすることが可能となります。

③本人の財産保全

同居親族などによる、本人の財産の使い込みを防ぐことができます。

銀行に対して成年後見人になった旨の届出を行うことで、成年後見人以外の人は預貯金の引き出しができなくなるためです。

 

≪成年後見制度のデメリット≫

これまで見て頂いたとおり、成年後見制度は本人の保護・支援に有益な制度ではあります。

反面、上記目的を達成するために厳格な運用がなされていることから、以下のような弊害も生じています。

 

①費用がかかる

まず、成年後見人をつけるための申立てを行うためには、約1~10万円ほどの印紙代や鑑定料などの実費がかかります

申立てを司法書士や弁護士に依頼する場合は、別途10~30万円程度の報酬費用が必要です。また、医師による診断書が必要と判断された場合、その作成費用もかかってきます。

次に、成年後見人に司法書士、弁護士等の専門職が選任された場合は、管理財産額に応じて成年後見人に月額2万~6万円の報酬を支払わなければなりません

費用節約のため親族を成年後見人に希望しても、家庭裁判所の判断で専門職が選任されることもあります。

 

②本人の財産を処分することができなくなる(生活費等を除く)

成年後見人による本人の財産の処分を認めるかどうか、家庭裁判所は「本人の財産の保護」という観点から判断を行います。

そのため、本人の生活や健康を維持するための出費以外は認めらません。例えば、株式や不動産への投資といった積極的な資産運用はすることができません。

 

③相続税対策ができなくなる

相続税の基礎控除額(=3000万円+600万円×法定相続人の人数)以上の財産がある場合、相続税の申告が必要となり、相続税がかかる可能性があります。

この際の相続税対策としては、生前贈与・生命保険の加入・不動産の購入・賃貸不動産の経営等が挙げられます。

しかし、上記の行為は相続人の税負担を軽減するためのものであるため、成年後見人に被後見人の財産の保全に明らかに有益であると判断されない限り、このような相続税対策の実施は難しくなります。

 

④成年後見人の業務は本人が亡くなるまで続く

申し立ての結果選ばれた成年後見人は、やむを得ない事由(転勤や病気など)がない限り、本人が亡くなるまで成年後見人であり続けます

つまり、一度後見制度を利用すると、上記①~③のデメリットが本人が亡くなるまで続くことを意味します

申立人が選任するよう希望していた親族が成年後見人に選ばれなかったからといって、申立てを勝手に取り下げることはできません

申立ての取下げにも家庭裁判所の許可が必要ですし、そもそも本人の判断能力がない為にした後見申立ですから、よほどのことがない限り申立の取下げはできません

また、親族と成年後見人のソリが合わないという話もしばしば耳にしますが、この場合でも成年後見人が本来の業務を全うしている限り、途中で辞めさせることもできません

 

 

成年後見制度は本人の保護や支援に役立つ制度であると同時に、決して無視できないデメリットも併せ持っており、将来この制度を使うべきかどうかの見極めが難しいところです。

当法人ではご依頼者様の意向や取り巻く状況をお聞きした上で、認知症対策として後見制度を利用するべきか否か、また利用する際にも任意後見契約や見守り契約、財産管理等委任契約、死後事務委任契約などの最適な対策方法をご提案させて頂きます。

ご自身やご家族の認知症対策として、早いうちに何かしら策を講じたいとお考えの方は、是非一度、司法書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談ください。

 

 

 

お気軽にご相談ください。

遺産分割の方法 (2020.08.28)

【遺産分割の方法】

 

相続が開始すると、遺言書がある場合には遺言書どおりに遺産を分ける流れとなりますが、遺言書がない場合には、相続人の話し合いによって遺産の分け方を決定します。

これまでのトピックスで、遺産分割協議について何度か取り上げてきました。

⇒【遺産分割と相続時精算課税制度を利用した贈与】

⇒【遺産分割協議と債務整理手続き】

⇒【遺産分割協議と行方不明者】

⇒【数次相続と法定相続分の行方】

今回は実際に遺産分割する際の方法について、改めて紹介していきたいと思います。

 

遺産分割の方法には大きく分けて3つの方法があります。

①現物分割

②換価分割

③代償分割

 

①現物分割

現物分割とは不動産、現金などの財産を「そのまま相続する」分け方です。

例えば自宅を長男が相続し、預貯金は次男が相続、株式は長女が相続する場合などです。

≪メリット≫

●手続きが簡単で分かりやすい
現物分割は、基本的に「誰か1人が対象の遺産を引き継ぐ」だけなので手続きが簡単です。

●遺産をそのままの形で相続することができる
被相続人が残した自宅などを、形を変えずに残しておくことができます。

 

≪デメリット≫

●完全に平等に分けることが難しい
現物分割は、相続人間で不公平になりやすい問題があります。例えば遺産が不動産しかない場合、長男が1人で不動産を取得すると他の相続人は不満を感じるでしょう。

他に車や動産、株式などの財産があっても不動産と比べると価値が低いケースも多々あります。
現物分割では完全に公平に分割するのは困難なケースが多いのです

 

②換価分割

換価分割とは、「遺産をいったん売却してその代金を相続人で分ける」という遺産分割の方法です。

例えば、被相続人が所有していた土地と建物を売却し、その売却代金の5,000万円を妻が2,500万円相続し、子二人が1,250万円ずつ相続するという場合です。

≪メリット≫

●平等に分割することが可能
遺産を売却し金銭にするわけですから、1円単位で平等な分割をすることができます。

 

≪デメリット≫

●被相続人の遺産をそのままの形で残しておくことができない
亡くなられた方や自分の実家を売却するのは心苦しい、と思う方もいらっしゃるかと思います。

●費用や手間がかかる
遺産をいったん売却するという手続きが入りますので、他の分割方法に比べて費用と時間がかかることがあります。

●相続人に税金がかかることがある
不動産を売却してそれによって利益を得た場合、不動産譲渡所得税という税金が課されます

 

③代償分割

代償分割とは、「遺産を一人の相続人が多く取得し、その代わりに遺産を少なく相続した相続人に対して金銭を支払う」という分割の方法です。

例えば、相続財産が5,000万円相当の不動産と預金1,000万円だった場合(相続人は長男と次男)に、「長男が不動産を相続し次男が預金1,000万円を相続した上で、長男は次男に2,000万円の現金を支払う」といった分割方法です。

≪メリット≫

●遺産をそのままの形で残すことができる
換価分割のように遺産を売却するわけではないので、被相続人の遺産をそのままの形で残しておくことができます。

 

≪デメリット≫

●代償金を支払う相続人にお金がなければならない
代償金は遺産を相続する相続人が支払わなければなりませんので、その人に支払うお金がなければすることができません

●後に争いになる可能性がある
代償金を支払うと決めたのに期限になっても支払いをしてくれない、などの理由で争いに発展する可能性もあります。

 

 

以上、三つの遺産分割の方法についてご紹介致しました。

いずれかの方法によらなければならないということはなく、それぞれを組み合わせるといった方法も可能です。

 

遺産分割では相続人間の利害が対立し、争いになるケースもあります。そうならないため、一度専門家に相談することをお勧めします。

当法人では経験豊富な相続専門の司法書士が、税務などの周辺知識も踏まえた上で、最適なコンサルティングをご提供致します。

是非一度、お気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

相続預金を使ったファイナンシャルプランニング (2020.08.27)

【相続預金を使ったファイナンシャルプランニング】

 

以前のトピックスで、相続と生命保険・遺留分と生命保険を取り上げました。

⇒【相続と生命保険①】

⇒【相続と生命保険②】

⇒【相続と生命保険③】

⇒【相続と生命保険④】

⇒【遺留分と生命保険】

今回のトピックスでは、相続財産である預貯金原資を使ったファイナンシャルプランニングをテーマに取り上げてみたいと思います。

 

相続で預貯金を取得する際、その額が数千万円、時には1憶円を超える場合もあります。

相続する預貯金が数千万円ある場合、そのお金の使い道が分からないと言ったご相談を受けることが良くあります。

実際に、当法人のファイナンシャルプランナーの資格を有する司法書士が提案した事例を基に、そのスキームの一例をご紹介致します。

 

下記の相続関係をご覧ください。

上記の、相続関係と遺産を基本情報として、相談が開始し、当初は亡くなった母の生前の意思を組んで、長男・二男で遺産を2分の1ずつ取得する方向で話が進んでいきました。

ところが、電話や面談を重ねる内に、このご家庭に長年潜んでいたある悩みが、当法人の司法書士に、二男様から打ち明けられます。

 

『先生、先生に紹介して頂いた税理士の先生から、自宅は兄が取得することで小規模宅地の特例を使い、評価額を8割圧縮し、残った預金を私が少し多めに取得することで兄と結果的に2分の1ずつ遺産分割をすることは理解できました。

しかし、兄は定職についておらず、金銭面で不安がある為、将来4~5年後には相続した自宅を売却しかねません。

また、兄は浪費癖が酷く、週末になると朝まで飲み歩き、高級クラブから毎月数十万円の請求が来ると言った始末で、生前はそれを母が払っていたんです。

見かねた母は私に相談し、自分が死んで相続が発生したら、遺産は折半してもらいたいが、兄の財産の管理は私にするようにときつく言われております。また、自宅は売却等はせずに守ってほしいとの意向も聞いています。

兄は結婚しておりませんが、もしかしたら単純な兄のことなので、お金を持つとクラブ等で悪い相手に騙される恐れも危惧しております。どのように進めるのが一番良いでしょうか?』

この事案において、二男様には、相続税を節税することよりも、兄の財産管理と兄が取得した遺産を散財させたくないと言った意図があり、遺産分割に、兄の相続後のファイナンシャルプランニングと財産管理を含めて提案しなければならず、通常の司法書士業務の範囲でもないので、周辺知識の浅い司法書士ならお手上げ、といったようなご相談です。

なお、長男様には、遺産分割のことは全て弟に任せるが、キャッシュで3000万円程は受け取りたい。自宅には拘りが無いので、近いうちに引っ越しをする予定との意図がありました。

そこで、当法人の司法書士が、遺産分割及び長男様のファイナンシャルプラン、財産管理を念頭に下記のスキームを提案しました。

(ご意向を優先し相続税のことは度外視し、当事者と被相続人の意図を最大限組んだスキームとなっております)

 

①自宅不動産は二男が取得
(念のため、長男が引っ越しをするまでは、自宅の使用収益を認める旨の使用貸借契約書を締結しておく)

②相続預金1憶円相当を長男が取得

 

③上記②の内、7000万円相当は年金保険として保険に組み替え65歳から月々数十万円の定額給付が終身ででるようにしておく

また、保険契約者を長男にしてしまうと、いつでも解約することが出来るため、

保険契約者=二男、被保険者=長男、受取人=長男、保険料負担者=長男との契約形態を提案

 

④最後に②の内の3000万円は、

委託者=長男、受託者=二男、受益者=長男、残余財産の帰属権利者を二男とする民事信託契約を提案

契約の詳細として、信託契約後、初年度及び二年目までは受託者から受益者に1000万円を限度に、受益者が求める金銭を受託者が月々又は一括にて給付し、3年目以後は月30万円を限度に定額給付する旨の契約を提案しました。

 

③及び④について、全てを民事信託契約で二男様が長男様の財産管理をすることも検討しましたが、額が額だけに、長男様から異論を唱えられる可能性があること及び、委託者と受託者の年齢が近い為先に受託者が死亡してしまうことも懸念し、死亡のリスクのない保険会社に大部分の金銭を預けることを提案しました

また、金銭で管理しておくよりも、終身年金保険に組み替えておいた方が、将来受け取れる額が大幅に増えるメリットを考え、上記の提案に結びつきました。

 

相続手続きを終え、上記の財産管理及びファイナンシャルプランニングを提案通り実行し、

長男様は『一気に浪費してしまうリスクが回避できた。』

二男様は『兄の浪費をこのスキームで回避が出来、兄の老後の資金計画もでき、将来の兄の生活に支障が出ないことに安心した。また、なにより、母が生前考えていた意志を実現出来た。』

と大変ご満足いただけました。

この案件では、提携している保険会社の助言等も多く頂きましたが、かなり難易度の高い提案をすることにより、結果的に満足していただける結果となった事案で、思い出深い事案です。

 

当法人では、相続手続きを受ける際、必ず相続専門の司法書士が専任担当致します。

相続手続きは、各ご家庭が抱える悩みが全然違っており、税務の知識や財産管理、時には今回のようなファイナンシャルプランニングも必要なケースも出てきます。

ただ単純に自宅の名義を変えるだけ・預金の解約をするだけの業務ではなく、付加価値を付けてサービス提供していきます。

お悩みの方は、是非お気軽にご相談下さい。

 

 

お気軽にご相談ください。

相続開始時における不動産調査 (2020.08.20)

【相続開始時における不動産調査】

 

お亡くなりになった方(以下「被相続人」といいます)名義の不動産の名義変更手続きに関するご相談を相続人からいただく際、

「私の父が持っていた不動産は、自宅の土地建物くらいですよ。」

というようなお話を伺うことがよくあります。しかし、相続手続きを円滑に進めるためには、被相続人名義の不動産の洗い出しを慎重に行わなければなりません。

そこで、今回は相続開始時における不動産の調査について取り扱いたいと思います。

 

 

1.対象不動産の調査漏れに注意!

まずは、事前のヒアリングやご用意いただいた資料などの他、関係各所から複数の資料を取り寄せて、被相続人名義の不動産の所在等を改めて確認します。

と言いますのも、不動産の登記簿謄本をご覧になった方はご存知かもしれませんが、不動産の所在地は現在、皆様が普段目にするご住所の住居表示ではなく地番(土地)や家屋番号(建物)といった表記で管理されているからです

 

また、この地番は区画整理によって分筆された事で、当時1筆だった土地の所有者が、現在の登記簿謄本上では2,3筆の土地の所有者である事なども考えられるのです。

 

すると、この調査の過程で、当初相続人が把握していなかった土地建物等が見つかることが珍しくありません。

(例)
・自宅周辺の私道の持分
・マンションのゴミ置場の持分
・被相続人自身の実家
・田畑や山林の持分

遺産分割協議が終わった後にこうしたものが見つかると、遺産分割協議をやり直さなければならないため、初動の物件確認は大変重要なものとなります。

 

 

2.相続対象となる不動産の調査に使う資料

被相続人名義の不動産の所在を確認する際には、以下の資料を利用します。

・納税通知書(課税明細書)
・不動産の権利書
・固定資産税評価証明書
・名寄帳(なよせちょう)
・公図・住宅地図
・登記情報

 

 

3.被相続人のお手元にある書類

①納税通知書(課税明細書)

固定資産税等の納税義務者(通常は土地建物の所有者)に対して毎年4月~6月に発送されます。

なお、この資料を読む場合には、以下の点には注意してください。納税通知書のみで不動産の調査を行おうとすると、対象不動産の漏れが生ずる可能性があります。

 

◆私道等の非課税部分の土地

私道(公衆用道路)などの非課税物件は記載されません。

 

◆土地建物を共有している場合

土地建物の権利者が複数いる場合、代表者や登記簿上で筆頭となる方にしか納税通知書は通知されません

被相続人が代表者等にあたらなければ、持分を持っていても納税通知書は通知されないのです。

 

◆課税額が極端に低い場合

同一の市区町村内に、同一人が所有する固定資産の課税標準額の合計額が、それぞれ土地30万円、家屋20万円に満たない場合には、固定資産税は課税されません

そのため、土地・家屋ともに免税点未満の場合は、納税通知書が送付されません。

 

②不動産の権利証

権利書の記載事項の中に、私道(公衆用道路)に関する記載が含まれていることがあります。

また、自宅の権利書に混じって、被相続人が塩漬けにしていた田畑や山林の持分の権利書が含まれているケースもあります。

 

 

4.新たに取り寄せる必要がある書類

①固定資産税評価証明書

各市区町村内の固定資産(土地・家屋等)について、固定資産課税台帳(※)に登録された事項のうち、当該年度の1月1日現在の固定資産の評価額、課税標準額、所有者、所在等を証明する書類です。

※固定資産課税台帳とは固定資産の所在、所有者、状況及び課税標準である価格等が登録された公簿です。 土地・家屋の場合は、地目又は種類、地積又は床面積等が記載されています。

 

②名寄帳(なよせちょう)

名寄帳とは、固定資産課税台帳に基づき、納税義務者(通常は所有者)ごとにその土地及び家屋に関する登録事項を一覧にした帳簿です。

固定資産課税台帳は土地なら一筆ごと、建物なら一棟ごとに記載されているのに対して、名寄帳は所有者ごとに記載されます。

通常、名寄帳には非課税物件も記載されるため、納税通知書や評価証明では捕捉できない物件を調べるために取得します

なお、①②の書類は市町村の役所(東京23区は各区の都税事務所)で取得できます。

 

③公図・住宅地図

土地の大まかな位置関係や形状を確認するとともに、対象物件の周辺に私道やゴミ置場等の可能性がある土地の有無を調べます。

 

④登記情報

対象となる土地建物の名義人を確認します。

また、被相続人に借入がある場合、共同担保目録に把握していない被相続人名義の物件が記載されている場合があります。

 

 

被相続人名義の不動産の洗い出しは、対象の漏れがないよう細心の注意を払って行う必要があります。

後になって新たな物件が見つかると遺産分割協議のやり直しなど、想定外の時間や費用がかかってしまいますので、相続開始後の不動産調査にお悩みの方は、司法書士法人鴨宮パートナーズまでお気軽にご相談ください。

 

 

お気軽にご相談ください。

任意後見制度② (2020.08.18)

【任意後見制度②】

 

以前のトピックスで「任意後見制度」の概要をご説明させて頂きました。

⇒【任意後見制度①】はこちら

今回は任意後見制度についてより詳しくご説明致します。

 

一.任意後見契約の効力発生

自分が将来意思能力が低下したときに、支援してほしい人と任意後見契約を締結し、将来に備える制度任意後見制度になります。

では、どの時点で任意後見契約の効力が発生するのでしょうか。

 

それは、「任意後見監督人が選任されたとき」になります。

 

将来に備えて任意後見契約を締結した時点では、まだ意思能力に問題はなく普段通りの生活を続けていきます。

その後、意思能力に不安が生じ、後見支援を始める必要が出てきたときに、家庭裁判所への「任意後見を開始する」ための「任意後見監督人」の選任を申立てます

この任意後見監督人が裁判所によって選任されて初めて、任意後見契約の効力が生じることになります。

 

任意後見契約の締結…将来意思能力が低下したときに必要な支援を、本人と「任意後見受任者」とで任意後見契約の締結をします。
なお、この時点ではまだ契約内容の支援は開始されません

意思能力の低下・家裁への申立…本人の意思能力が低下したときに、本人・配偶者・4親等内の親族・任意後見受任者から「任意後見監督人」の選任申立をします。

●家裁の審判・審判内容の登記…申立内容を家裁が調査・審問し、任意後見監督人の選任の審判をします。
家裁で審判がされると、任意後見登記事項に「任意後見受任者」から「任意後見人」と記載され、任意後見監督人とともに登記されます。
ここで初めて契約の効力が生じ、支援が始まります。

しかし、任意後見契約を締結した時点で生活に対する不安があったり、意思能力は問題ないが金融資産の管理をお願いしたい等、様々な状況が考えられます。

そこで、任意後見制度には3つのパターンがあり、本人の生活状況を支援する仕組みが制度として作られています。

 

二.任意後見のパターン

以前のトピックスの「任意後見制度の流れ」の中で1つ目の項目としてあげました、任意後見の3つのパターンについてご説明します。

 

①即効型…任意後見契約と同時に任意後見監督人選任申立を家庭裁判所に行う

②移行型…任意後見契約と任意代理契約を同時に締結

③将来型…任意後見契約だけを締結

 

 

①の即効型は、任意後見契約と同時に任意後見監督人の選任申立をすることで、すぐに任意後見人の支援が始まります。

②の移行型は、任意後見契約の内容の実現は将来意思能力が低下した際に、任意後見監督人を選任することにより実現させるが、現時点で支援してほしい内容を別途「みまもり契約」や「財産管理契約」を通常の委任契約として締結し、任意代理人に支援してもらいます。

③の将来型は、現時点では生活に不安はないので、将来のために支援内容を決めて任意後見契約を締結し、意思能力が低下するまではそのままの生活をしていきます

 

任意後見制度を利用する上では、本人の意思や生活状況、周りの方の支援の状況等を踏まえてどの形が一番ふさわしいか、を考え選択する必要があります。

また、将来のことまで見据えて契約内容を締結していかなければ、様々なリスクや不安に対応できません。

 

任意後見手続きには、専門家への相談をお勧めいたします。

当法人では、任意後見契約内容について、将来のことを考え様々なご提案をさせて頂きます。お気軽にご相談下さい。

 

 

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